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公認不正検査士(CFE)とは、不正検査における専門的な知識を証明する資格です。
公認不正検査士(CFE)の仕事に興味があるものの、具体的な年収や仕事内容が分からないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、公認不正検査士(CFE)の概要から年収、仕事内容について分かりやすく解説します。
目次
公認不正検査士(CFE)とは
公認不正検査士(CFE)の年収は?
公認不正検査士(CFE)の仕事である不正検査とは
公認不正検査士(CFE)の主な就職先
公認不正検査士(CFE)の難易度
公認不正検査士(CFE)が年収を上げる方法
公認不正検査士(CFE)は重要度の高い国際的な資格
公認不正検査士(CFE;Certified Fraud Examiner)とは、不正の防止や発見、抑止の専門家であることを証明する国際的な資格です。
公認不正検査士(CFE)の認定をしているACFE( Association of Certified Fraud Examiners;公認不正検査士協会 )の調査によると、公認不正検査士(CFE)資格取得者がいる組織は、いない組織と比較して不正検知までの期間が50%短いとされています。
加えて、不正による被害総額も62%低いという結果になりました。
この調査結果から、組織における公認不正検査士(CFE)の重要性は高いといえるでしょう。
参照:一般社団法人日本公認不正検査士協会「CFE(公認不正検査士)について|CFE(公認不正検査士)の概要」
大手転職サイト「求人ボックス」に掲載されている求人情報を参考にすると、公認不正検査士(CFE)の資格取得者に提示される年収はおよそ600万〜1,500万円程度となっています。
例として、求人情報の内容をいくつか見てみましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | コンサルティング |
年収 | 600万~800万円 |
実務経験 | 【必須条件】内部監査経験、文章作成力など 【歓迎条件】CIA、CISA、CFE |
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | 外資系コンサルティングファーム |
年収 | ~1,200万円 |
実務経験 | 【必須条件】内部監査、内部統制、会計監査、不正リスクなどの業務経験 【歓迎条件】CIA、CPA、CAMS、CFEなど |
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | 総合商社 |
年収 | 600万~1,000万円 |
実務経験 | 【必須条件】経理業務、J-SOX評価業務、監査業務、リスク管理業務、IT関連業務 【歓迎条件】内部統制もしくは監査部門の経験者、CIA、CFE、公認会計士、TOEIC®テスト730点以上 |
必須条件として内部監査業務や経理業務などを提示している企業が多いことから、未経験者の転職ではなく、キャリアアップ目的で転職するケースが多いと推定できます。
※求人情報の詳細については転職サイトよりご確認ください
では、公認不正検査士(CFE)の仕事はどのようなものなのでしょうか。
ここでは、公認不正検査士(CFE)の仕事内容である不正検査の概要と仕事内容、意義・目的を詳しく見ていきましょう。
公認不正検査士(CFE)資格取得には4つの分野の知識を得る必要があり、不正検査はそのうちの1つの分野です。公認不正検査士(CFE)の資格取得に求められる4つの分野と概要は次の通りです。
分野 | 概要 |
---|---|
不正検査(不正調査) | 不正疑惑を解明する方法を把握する |
財務取引・不正スキーム | 不正の実行・隠ぺいの手法を理解する |
法律 | 不正検査(不正調査)を実施する上で留意しなければならない法的要素への理解を深める |
不正の防止・抑止 | 不正を犯す理由や防ぐ方法を理解する |
不正検査(不正調査)とは、不正の疑惑を解明するために必要な検査を意味します。
業務に人間が関わる以上、完全に不正を予防できる企業はありません。そのため、不正検査(不正調査)によって不正が発覚した場合に迅速に対応し、原因を分析した上で、再発防止を図ることが求められます。
ここからは、不正検査(不正調査)の具体的な仕事内容を見ていきましょう。
- 記録から不正を検査する
- 従業員による横領、汚職、利益相反、保険詐欺などを調査する
- 組織のデータや取引記録、財務諸表を分析する
- 文書や帳票から不正の兆候を見極める
- 不正疑惑のある人物や証人と面談する
- 報告書を作成する
- 調査結果を報告する
- 法廷で証言をする
- 訴訟を支援する
- バックグラウンドを調査する
- 会計記録の復元をする
引用:一般社団法人日本公認不正検査士協会「CFE(公認不正検査士)の概要」
不正検査(不正調査)だけでなく、データ・財務諸表の分析や証人などとの面談、報告書の作成など、幅広い業務をこなす必要があります。
不正検査の意義・目的は、不正対策の有効性を高めることにあります。
不正には、不正を犯す「動機」や「機会」、不正行為の「正当化」という3つの要因があります。
企業が健全な事業運営をするために必要な仕組みとして、内部統制があります。内部統制は「機会」の抑止に効果を発揮しますが、不正対策には「動機」や「正当化」といった人間の心理についても理解が必要です。
不正対策の有効性を高めるためには、内部統制だけでなく、不正の疑惑が生じた際に的確な調査を進められる体制が必要です。こうした不正調査のための体制構築に、公認不正検査士(CFE)の知識が欠かせないものとなっています。
公認不正検査士(CFE)の主な就職先としては、監査法人やコンサルティングファーム、会計事務所などが挙げられます。
また、金融機関や大手メーカーなどの一般企業でも公認不正検査士(CFE)の資格保有者を募集しているケースが多くあります。
そのため、公認不正検査士(CFE)はさまざまな業界で活躍できる資格です。
公認不正検査士(CFE)の合格率は非公開となっているため、明確な数値は分かりません。しかし、公認不正検査士(CFE)の試験について知ることで、難易度のヒントを得ることはできるでしょう。
公認不正検査士(CFE)の試験には4つの科目があり、全科目に合格しなければ資格を取得できません。試験はコンピューター試験の形式で行われ、各科目の正答率が75%以上であれば合格になります。
試験には不正調査をはじめ、会計や法律など幅広い知識が求められます。試験問題は4択または2択の選択式で解答します。
専門性の高い知識が必要であるため、難易度が高いと推測できます。
参照:一般社団法人日本公認不正検査士協会「CFE(公認不正検査士)について|CFE資格試験」
公認不正検査士(CFE)が年収を上げる方法として、年収水準が高い企業への転職が挙げられます。また、公認不正検査士(CFE)と関連のある他の資格を取得することも方法の1つです。
それでは、年収を上げる方法について詳しく見ていきましょう。
年収を上げるためには、現状よりも年収水準が高い企業や、実力・実績評価型の企業などに転職するのも1つの方法です。不正検査の経験者や公認不正検査士(CFE)の資格保有者はまだ少ないため、転職しやすい場合があります。
また、基本給だけでなく福利厚生や手当などを考慮することも大切です。例えば、家賃手当や資格手当、地域手当といった手当がある企業であれば、総合的に年収が上がる可能性があります。
公認不正検査士(CFE)の他にも資格を取得し、活躍できるフィールドを広げるのも年収を上げる方法の1つです。
公認不正検査士(CFE)と関連のある資格としては、次のようなものが挙げられます。
資格 | 概要 |
---|---|
公認会計士 | ・監査と会計の専門家 ・主な業務内容は財務諸表の監査 ・会計、税務、コンサルティングなどの業務に携わる場合もある |
米国公認会計士 (USCPA) |
・アメリカ各州が認定する公認会計士の国際的な資格 ・会計の知識と英語力を証明できる ・会計の知識を活かしてグローバルに活躍したい人に向いている資格 |
公認内部監査人 (CIA) |
・内部監査に関する知識やスキルを証明できる ・約190の国と地域で認定試験が行われており、内部監査人としてのスキルを証明する唯一の国際的な資格 |
公認情報システム監査人 (CISA®) |
・情報システム監査人のスキルと専門性を証明できる国際的な資格 ・特に欧米の企業では広く認知されており、グローバルに活躍できる |
中でも、米国公認会計士や公認内部監査人、公認情報システム監査人の資格は、公認不正検査士(CFE)と同様にグローバルに通用する資格です。
資格取得により、外資系企業や海外展開をしている企業など活躍できるフィールドが広がります。また、公認不正検査士(CFE)以外の資格を有していることで評価も高まりやすく、年収アップの可能性も高くなります。
参照:日本公認会計士協会「公認会計士とは|公認会計士の使命と仕事内容」
参照:一般社団法人日本内部監査協会「IIA認定国際資格|CIA:Certified Internal Auditor(公認内部監査人)」
参照:ISACA東京支部「ISACAの資格|CISA」
公認不正検査士(CFE)は不正検査に関する専門的な知識を証明できる国際的な資格です。組織を不正から守る役割を担うため、重要度の高い職種と言えます。
年収水準は600万〜1,500万円程度と幅広い傾向にあります。年収を上げるためには、年収水準の高い企業への転職や、他の資格を取得することを視野に入れるのも良いでしょう。
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