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卒業生の声

米国駐在を終えたからこそ、米国MBA取得が必要だと感じた

米国駐在を終えたからこそ、米国MBA取得が必要だと感じた

宮内 典祐さんNorisuke MIYAUCHI(55歳)

マサチューセッツ州立大学MBAプログラム第20期卒業生 (2022年10月入学)
マーケティング部門

  • 通信
  • 50歳代
  • 製造業

ご経歴、年齢はインタビュー時のものです。

これまでのキャリアについてお聞かせください。

早稲田大学商学部を卒業、新卒で現会社に入社してから44歳まで営業やマーケティング、企画部門などに従事、国内向け業務を主としておりました。45歳に初めて海外事業に従事することになり、米国テキサス州ヒューストンにある現地法人社長として赴任、7年半勤めました。日本へ帰国後、本社のマーケティング部門で国内・海外を統括する役割を担っております。多くの経験をさせていただいておりますのは、健康・仲間・運に恵まれたおかげだと思っております。

MBA取得を考えたきっかけと課題感は何でしょうか?

MBA取得の理由は、一言で言うと「劣等感」です。米国駐在時、ビジネス会話や交渉時に感じる「MBA常識感」に触れたことで、実戦のみの経験しかない自分との大きな差を感じたのがきっかけです。

米国駐在時は主にアメリカ人相手にビジネスを行いましたが、相手の経営陣や各層の決裁権者の殆どはアメリカ人であったため、会話や交渉も全て英語で行われました。取引先の経営陣だけではなく、プライベートのつき合いをしていた現地の日本人実業家の多くもMBAを保有していたため、随所に、財務会計面、各種戦略面などの話題が出ます。また、会計監査ではAuditの他に年間の経営戦略を聞かれたり、弁護士と法務問題を相談したりする際にも、MBAをやっておけばよかったと痛感しました。

会社が提供するマネジメント研修のみでは、実戦に役立つレベルまでに達することは困難であると思います。例えば、管理職になる前やなった後に行われる研修でMBAで扱う組織マネジメントや会計、戦略なども学びますが、ほんの数日間のプログラムで培った知識では、企業経営や事業運営面では全く足りません。部下にも伝えていますが、海外赴任するためには会社が提供してくれる研修プラスアルファとして、自ら、財務・会計、戦略などのインプットが必要になります。単に本を読むだけではなく、せめて資格取得挑戦やテスト合格を本気で目指して学ばなければ身につきが浅いと思います。

私がUMass MBAプログラムを始めたのは52歳の時で米国駐在を終え日本に帰国する2か月前でした。通常はMBAを取得してから経営(マネジメント)を実践することが多いと思いますが、私の場合は逆になってしまいました。もし、MBAを取得した今の状態で再度海外赴任するとしたら、全く違うパフォーマンスを発揮できると思います。

どのような活用イメージをもってMBA取得を決断しましたか?

米国ヒューストンにある現地法人を任される上で、経営スキルのレベルアップの必要性を強く感じました。日本への帰国後も、企業経営や事業運営など今後のキャリアを積んで行く際、必要な知識・スキル・マインドを徹底的に身につけようと思ってMBA取得を決断しました。

また、目下担っている本社での事業運営においても、企業経営を考えつつオフェンシブな戦略に加えディフェンシブなアプローチも重要であり、MBAを通じて得られる知識とスキルは、企業経営というビッグ・ピクチャーを持ちながら、事業運営の効率性と効果を高めるのに役立っていると思います。

出張や転勤の可能性を考えて、オンライン学習を重視した

スクール選びの優先順位とその理由を教えてください。

私は、スクール選びで4つの要素を重視しました。

まず最優先したのはオンラインで学べることです。私はヒューストンに駐在していた時から出張が多く、また、大企業勤務ゆえ常に転勤の可能性もありました。そのため、移動が多いライフスタイルでも学業を続けられる柔軟性が必要だったのです。

次に重視したのは、Universityの学位を取得できることです。MBAのみを提供しているビジネススクールを選考外とした理由は、北米でビジネスキャリアを活かす際、特定の有名大学の学位が評価されやすいからです。日本のビジネススクールや大学は米国ではあまり認知されておらず、どうせMBAを取得するならば米国の有名な大学が良いと考えました。

国際認証を保有していることも重視しました。国際的な認証があることで、そのMBAプログラムの品質が保証されると思います。最後に、学費もとても重要です。自費留学ほどのコストと時間をかけることは難しいため、リーズナブルな学費で高品質の教育を提供するプログラムを探しました。

なぜ海外MBA、かつAACSB取得の米国MBAの取得を目指す必要があったのですか?

第一に、米国でのビジネス経験を更に磨きたいという強く思ったためです。ヒューストンでの駐在経験を通じ、米国でのビジネス文化や経営スタイルに触れました。これを踏まえつつ、更に高度な知識とスキルを身につけることで、将来再び米国でビジネスを実践する際に役立てたいと考えました。

そして、いつか再び米国で現地責任者として企業経営を行いたいという目標もありました。グローバルでビジネスをする際、仲良くなったビジネスパートナーとは、MBA取得大学名や認証機関を話す機会もあるかもしれません。米国にいるなら「UMass卒業」と伝えることで信頼感が増すと考えました。これは見栄ではなく、自分のアイデンティティを伝え適切なビジネスコミュニケーションを行う上での必要情報の一つだと思います。

オンライン学習であることをどのように考えていましたか?

オンラインであることは、私にとって必須条件でした。まず、私は出張が頻繁にあり、物理的に一箇所に留まることが難しい状況でした。また、転勤の可能性もありました。企業内でのキャリアアップを目指す上で転勤は避けられません。そのため、転勤が決まったとしても、学業を中断することなく続けられるオンラインプログラムは非常に魅力的でした。

MBA開始前の英語力はどの程度でしたか?

英語力は、米国でのビジネス実戦を経てある程度のレベルにあったと思いますが、UMass MBAを通じて英語力が格段に向上したと感じています。

1つは、人や組織を動かすための力です。レポートの書き方や構成、プレゼンテーションなどを通じて、効果的に伝える能力が向上しました。

また、多種多様な文章を読み解く力も身に付きました。自分のビジネス専門以外のレポート論文やテキスト、他の生徒たちの発表内容を理解する力が鍛えられました。

ヒアリングやスピーキングなどの英会話力は、大きく変わらなかったかもしれません。しかし、英語力とは、文章やプレゼンテーション等でのアウトプットと同様、人へ効果的に何かを伝える能力でもあります。そのため、上述した英語力が向上したことにより、ヒアリングやスピーキングスキルにもプラス効果がありました。

基礎、上級の二段階式のカリキュラムについてどのように感じていましたか?

「長い駐在経験があり英語ができるならば、日本語の基礎課程を飛ばして全て英語で学ぶ上級過程から始めたかったのではないか?」と思われるかもしれませんが、実際は基礎課程があって良かったと思っています。

MBA的思考に基づくインプットとアウトプットを、会計、マーケティング、ファイナンス、オペレーションマネジメント、競争戦略などMBA主流6科目を学んだことで、上級課程をスムーズに進められました。もし、いきなり上級課程から始めていたら、英語力のみならず、学び自体への理解が浅くなっていたと思います。

また、基礎課程では、グループワークや勉強会を通じて日本人ネットワークが形成され、高いモチベーションと能力をお持ちの友人がたくさんできました。

基礎課程の受講前の課題である「英文会計入門コース」も印象深かったです。ビデオによる講師の指導の下、自ら手を動かして会計の基本を学ぶことができました。BSやPL自体は知っていましたが、これにより会計知識の基本をみっちり固めることができました。基礎課程前のこの課題を経て、基礎課程での会計やファイナンスの学習が、上級課程でより高度な学びに繋がったと感じています。

建設的で積極的な仲間と学びを深め、入学前とは全くの別人になれた

印象に残っている科目とその理由を教えてください。

最も印象的な科目は、ファイナンス系の「ビジネス財務分析」「コーポレートファイナンス」「インターナショナルファイナンス」です。

これらの科目では、財務分析手法を学ぶだけでなく、リスク(ヘッジ)とポートフォリオの観点と思考を醸成できました。企業経営および事業運営のスキルアップをするには大きな収穫でした。そのためMBA修了後には「プロフェショナルCFO資格(日本CFO協会)」を取得したほどです。

更に、上級課程の「Customer and Market」「Managing Organizational Change」のように、グループワークが多い科目も非常に印象に残っています。

「Customers and Markets」では、メンバーのモチベーションの高さや、密に共同作業を行う中で得られた質の高い刺激が忘れられません。最終レポートで仮想新規事業のマーケティングプランを策定するプロジェクトでは、メンバー同士で実際にその事業を運営してみたいと思うほどでした。

また、「Managing Organizational Change」では、文章が難しく時間もかかりヘビーだと感じましたが、企業がどのように設計、管理され変革されるかを深く学べました。特に、異なる特徴を持つ組織が、企業を取り巻く様々な状況や企業のライフサイクルの各段階で、どのように運営されるかを学びました。マーケティング系科目は数字に基づく分析が多くなりますが、組織変革・マネジメント系科目は人の問題、コンフリクト、心理学的な要素も多く含まれており、その奥深さは大きな学びとなりました。

コンセントレーション(専攻)を選択した動機と、取得後の効果をどのように感じていますか?

5つのコンセントレーション(専攻)のうち「International Business」を選択した動機は、現在の会社で実際にグローバルビジネスを担当しているからです。また、今後もグローバル企業で世界規模のビジネスを担うなど、自分の生業の武器にしたいと考えていました。マーケティングや戦略、そして、ファイナンス(為替・金利・インフレを含めた金融リスク)などの理解は必要だと思っています。

特に、金融リスク管理や新規市場への進出戦略など、国際ビジネスに関わる課題を理解し、効果的に対処できるスキルを身につけたいと考えました。現在の本社勤務でも、海外子会社の支援やグローバル戦略の策定において、この知識が非常に役立っています。

「International Business」を通じて得られたのは、国際ビジネスのダイナミクスです。金融リスクヘッジ方法や国際マーケティング戦略、海外進出戦略など、具体的な事例を通じて学ぶことで、実務に直結する知識を得ることができました。

更に、将来、「International Business」を中心にキャリアを築いていきたいと考えています。そのため、このコンセントレーションで学んだ内容は、これからのキャリアにとって不可欠なものでした。特に、マーケティング、戦略、ファイナンスの三つの分野が統合された形で総合的に学べたことが非常に良かったと思います。

多業種、多職種の同期と一緒に学んだ経験をどのように感じていますか?

とても刺激的で価値のある経験でした。私の場合、転職経験がなくずっと同じ会社に勤めてきたため、多業種や異なる職種の同期と一緒に学ぶことは、新鮮で視野を広げる絶好の機会でした。

同期の皆さんは非常に高いモチベーションを持ち、能力も高い方が多かったです。そのため、年齢や利害関係、上下関係、業界、職種を超えたフラットな関係の中で学べました。

どの方も協調性が高く、自分がどのようにチームに貢献できるかを常に考える姿勢がありました。チームでプロジェクトを進める際には、異なる視点を取り入れることができ、豊かに議論を深めて高品質なアウトプットを生み出すことができました。

英語でのインプットやアウトプットには苦労しませんでしたか?

最初は、的を射た文章構成などアウトプット能力の低さに苦労し試行錯誤の連続でした。しかし、基礎課程でのレポート作成などを通じて徐々にアウトプット能力が向上していきました。そのおかげで、上級課程に進む頃には、文章の構成や内容の的確さに自信を持てるようになりました。

UMass MBAではグループワークやディスカッションなどアウトプットの機会が多かったため、他の学生との交流を通じて多くのフィードバックを得ることができ、それが自分の成長に繋がったと感じています。このプロセスを通じて、アウトプット能力が飛躍的に向上し、MBA修了時には、自分自身が英語で効果的にコミュニケーションできるようになったと感じています。

アビタスで学んだことは入学前の期待値にあっていましたか?

組織のリーダーとしては(海外現地法人社長、本社の部長)、英語力に加え、データや部下からの報告から方向性を出していく上での分析力なども重要だと感じていましたが、総じて期待値どおりだったと思います。自分では入学前と修了後で「全くの別人になった」と思っています。特に「企業経営」「事業運営」を行う際の知識・スキル・マインドが大きく変わりました。
上級課程では1科目ずつ集中して学ぶことができたのも良かったと思います。単に単位取得を目指すのではなく、研究にどっぷり浸かるように学ぶことができました。オンライン図書館は利用せず主にインターネットで調査を行いましたが、同期からは「考えが深い」「調べている量が圧倒的に多い」と言われたり、教授からも「何年も(これまで)教えてきた中で、最高のレポートだ」と何度か言われたりしたこともあります。

「この人は凄い!」と感じた学生はいましたか?

凄い方はたくさんいました。お子様が小さい方や、受験生の親でありながらMBAを頑張っている方など、仕事や家庭、MBAをこなしているスーパーマン・スーパーウーマンが多かったので感心・尊敬していました。コロナ禍で在宅勤務が増え、学びの時間を捻出しやすかったのも良かったのかもしれません。

私が凄いと感じる方は、共通して「高いモチベーション」「協調性」「ONとOFFの切り替えのうまさ」があったと思います。建設的な議論を重ね、積極的に得意分野を担当しながらチームビルディングを行おうとした場合、上下関係がない中では率先して動かないと進まない場面も多々ありますが、決めるべきことが気持ちよく決まっていったのも印象的でした。

また、ONとOFFの切り替えとは、授業はオン、飲み会などはオフという風に切り替えるスキルの高さも見習うべき点でした。授業や仕事には集中しつつ、リラックスする時間もしっかり確保しているなど、無駄なことはせず熱をかけるときは一気にかけるなど、自らをマネジメントできないと続けられないのだろうと思います。

MBAは、学びから実践の場を勝ち取る際にも、経験を活かしてキャリアを再構築する上でも、強力な武器になりうる

入学前の課題感と活用イメージは叶えられましたか?

叶っていると思います。課題であった企業経営・事業運営スキルアップが図れ、学んだ知識、スキル、思考を実際のビジネスシーンでどんどん活用しています。MBAでは全ての分野が網羅されており、徹底的に鍛えられると感じています。

様々な文章を読む力の向上、分析力の強化、そして柔軟性アップを実感しました。多様性があることもMBAの大きな魅力のひとつです。一方、インプットだけでは不十分で、アウトプットして初めて力がつくことがわかりました。アウトプットは、内容だけでなく伝える力も重要です。

社内では特に若い世代からMBAスキル展開の評判が良く、「ビジネスを考えられるビジネスマンになろう」と呼びかけています。ビジネスのフレームワークや分析力、組織作りなどを通じて、より効果的にビジネスを進める方法を教えています。MBAを学んでいる時からこれらのことを言い続けていましたが、修了後には更にその効果を示すことができていると思います。

同期生とのコミュニケーションは続いていますか?

はい、年齢や性別、業種、職種を問わず、年に数回会っています。勉強会というより近況報告が主となっておりますが、MBA修了後は、大学時代の友人よりもMBA同期生との交流が多いかもしれません。MBAの仲間同士であれば、内容もグローバルな視点や転職、キャリアアップなど、多岐にわたるテーマで話せます。私にとって大きなモチベーション源であり、ビジネスは勿論、社会人としての視野を広げる良い機会となっています。

MBAで学んだことは実務でどのように役立っていますか?

戦略的フレームワークの適用やファイナンススキルの向上は、日々の業務において非常に重要です。特に以下の3科目により「分析力」と「アウトプット力」が大幅に向上したと思います。

まず、「IM(International Marketing)」と「IB(International Business)」は、新規進出国へのビジネスを扱い、PEST分析や4Pの枠組み等を用いた実践的な内容が多く含まれます。グローバルマーケティング部門の統括者の立場として直接役立っています。

また、上級課程の「SFI(Strategy Formation and Implementation)」では、戦略フレームワークを多く学びます。事業戦略の立案や実施が効果的に行えるようになり、戦略的思考とスキルが強化されました。

更に、ファイナンススキルでは、財務分析、リスクヘッジ、ポートフォリオの観点を学びます。プロジェクト投資効果の試算やM&A検討、部門の効率運営において重要なスキルを得ることができました。


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