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マサチューセッツ州立大学MBAプログラム第7期卒業生
(2015年4月入学)
カドカワ株式会社監査室
前職は大手ホテルでした。内部統制部に配属されましたが、大学時代の専攻が現代思想・美術だったこともあり経営や会計の知識が全くなかったので、当時の部長から、大学で何勉強してきたんだ、と怒られました。そういうこともあり、これはどうにか勉強しないとと思い、まず簿記を勉強してみたり、立教大学が主催していたMBAのプログラムに参加してちょっと勉強してみたりしました。ただ、あまりばらばらとやっていてもきりがないと感じ、何か体系的に勉強したいと考えました。必要に迫られて、という感じでした。
また、漠然と海外に行きたいという気持ちがあり、当時、ホテルがニューヨーク支部を持っており、自分もそこで働きたいなと思っていましたので、何か会社にアピールするポイントとして大学院もありかなと考えました。
社内留学制度に応募したものの落ちてしまって、一旦会社のことを忘れて自分で留学するというのもありかと考えました。しかし、海外へ行くとなると1,000万円~2,000万円かかかってしまいます。当時27歳くらいでしたが、そんな貯金はあるわけもなく、断念しました。 国内でどこか学べる場所はないかと考えたときに、マサチューセッツ州立大学(UMass)MBAプログラムに行きつきました。
全日制の国内MBAも検討しましたが、通うためには仕事を辞めなければならず、収入が途絶えてしまうので、厳しいと思いました。やはり、働きながら勉強するのが当時の自分にはベストだと考えました。UMassのほかにも、国内で受けられる海外のMBAプログラムやオンラインMBAも考えましたがUMassはAACSBの国際認証を受けたプログラムだということが決め手となりました。体系的な学びを求めていた自分にとっては、国際的に認証を受けていることがそれを担保できると感じたからです。また、UMassであれば、完全オンラインで修了することもできるため、日本ですべて完結できることが良いと感じました。TOEICの点数だけで入学できる、ということも良かったです。すぐに勉強したかったので、GMATやTOEFLの準備をするだけで時間がかかることはデメリットでした。
第1は転職したことですね。UMassに入学して間もなく、転職活動を始めました。私自身最初の就活が2010、2011年ごろの就職氷河期で、100社くらい落とされた経験がありましたが、転職のときは3、4社くらい受けてすぐ決まりました。それがMBAの効果だったのか、市場の状況だったのか分かりませんが、MBAのこと積極的にアピールして転職活動して、それが評価されたからこそ今の会社にいられるのかなと思います。
履修と転職活動が重なったのは、同期生に刺激を受けた影響が大きいです。同期生は2、3回転職している方が多かったので、違う業界を経験すると面白いという話も聞きましたし、ディスカッションしていてもいろんな業界を知っている人は深みが違うと感じることもありました。
今の仕事にMBAの学びはすごく役に立っています。中でも会計系が一番で、会計士の方ともある程度つっこんだ話ができます。海外を含めて40社くらい監査する中で、財務分析をはじめ、監査人の方があまりやらないことを自分が担うこともあり、建設的な話ができます。
MBAのケーススタディも役立っていますね。仮説思考というものが一番、ケーススタディで大事です。それは監査も同じで、もしかしたらこういう問題があるんじゃないかと仮説を立てて、それを詰めていくというような作業が結構似ています。
アメリカの学生と学んだ経験で印象的なのは、ある意味めちゃくちゃな学生がいたことですね(笑)。経営ゲームをしたときに、みんなで数値を考えながら作り上げていくものを、最後の5分間にある学生が勝手に変えてしまい、気がついたら全然違う数値で終わったことがありました。とても困りましたが、それも文化の違いとして、きちんと話し合わないとだめなんだなあと実感しました。グローバルの楽しさというより厳しさ、というものを結構感じました。自分の常識だけで話していると、向こうも勘違いした状態で進んでしまいますし。
アメリカにいる教授についても、フィードバックをくれる方が多かった。私は、課題に対してどこが良かったのか悪かったのかと指摘してくれる教授にはメールを送って返事をもらうようにしました。文面で読めるので、あとで時間のあるときにゆっくり振り返ることができました。リーダーシップ論は印象に残っていますね。いかに相手に納得してもらいながら仕事をするか、それがフェアプロセスというケーススタディでした。自分の年がまだ若い方だったので、一方的に相手にオーダーするというのはなかなかできません。いかに相手に動いてもらうか、言葉を考えたり、説明の仕方を変えたり、周りを動かしていったりというのはそのケーススタディを読んですごく考えさせられました。また、転職したばかりで、勉強にも仕事にも慣れない状況だったので、担当のベアー教授にはヘルプのメールを結構送りました。
教授からは「大丈夫だよ、一旦やりきってみよう」と激励の言葉をもらい、結果的には最短で卒業することができました。
オンラインというメリットを最大限に生かしましたね。オンラインは、場所と時間に縛られません。在学中に転職したり、結婚したり、いろいろと転換点がありました。妻は新潟出身なので、結婚の挨拶で新潟に出向いたり、自分の本籍である鹿児島に帰ったりしましたが、学習を継続することができました。ネット環境さえあれば講義(授業)も見られますし、学生同士の動向も知ることができます。ネットさえあればとりあえず勉強できるというのが良かったです。講義のレジュメやディスカッションの履歴を確認できる「ブラックボード」アプリも活用しました。ディスカッションにコメントをすることも可能です。教授から「テキストのここを読んできて」というような指示もそのボード上に掲載されるので、インプットもアウトプットも両方このアプリで完了できました。また、ボードに書くことで、自分の考えをしっかり見ることができました。書いている途中、自分でロジックがおかしいなと思い、書き換えるということもありました。文字に起こして再度考え直すことができるということと、相手の意見(投稿)を呼んでしっかり考えてから自分の意見を言えるということにオンラインならではのメリットを感じました。リアルで話しているとなんとなく流れてしまうものが、ちゃんと積み重ねていけるというのは、オンラインだからこそですね。同期とも連絡先を交換できたので、交流を深める機会も多く充実度もありました。
MBAのマインドだなと思うのは“Show up, dive in, stay at it. ”というオバマ元大統領の演説の言葉です。一旦やろうと思って飛び込んで表に出て、やり終えるまでやり遂げてみるというのは、私がMBAに入ったすべてを表していると感じます。はじめは、自分に本当にできるのかと考えました。父親に相談したところ、入学することについて「無理でしょ」と反対されました。ただ、そういう圧もありつつ、勢いでやってみればやり遂げられます。一回飛び込んでみるということがすごく大事かなと思います。
そして、米国での卒業式に同行してくれた奥さんが「知識は燃料にはなるけど、火種にはならない」という言葉ももらいました。経験があって、何か火種になって、そこに知識が加わることで、どんどん前に進んで行けると。この言葉がすごくいいなと思って携帯にすぐメモしました(笑)。
MBAで学ぶということは、そこに何かしらの火種があって、もうちょっと自分を加速させたいという思いがあって皆さん入学すると思うのです。そういう意味では、その燃料を得るためにMBAに入るというのはすごくいいことなんじゃないかなと思います。
また、私は他校のMBA卒業生ともすごく関わっていて、MBA合同ミーティングみたいなのもしています。それは、MBAという、タグというか、共通点があるから集まれるのです。そうゆうタグをひとつ自分につけることで、いろんな人と知り合えるし、それによって自分の視野や世界が広がっていろんな出会いができます。MBAは、学校という単位だからこそいろんな人としゃべる機会があったり、出会いを求めればそれに応じたものが得られると思います。