「マネジメントの概要を知りたい」「独学とMBA（経営学修士）で身につくマネジメントの違いってなに？」と考えている人もいるでしょう。

MBAでマネジメントを学ぶことで、「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を有効活用した事業活動全般についての知識を深めることができます。また、MBAを取得することでキャリアアップにも役立てることができるしょう。

本記事では、MBAでマネジメントを学ぶことで得られる価値やスキルについて解説していきます。

目次
マネジメントとは
独学で学ぶマネジメントとMBAで学ぶマネジメントとの違い
マネジメントに求められる役割
マネジメントに必要な4つのスキル
マネジメントとリーダーシップの違い
MBAで身につくマネジメント能力

マネジメントとは、効率的な組織の管理と運営を行うのに必要な能力です。

MBAにおいては「ヒト・モノ・カネ」などの経営資源を管理していきながら、組織が掲げる目標と成果を達成するための計画・実行・振り返り・改善、再行動（PDCAサイクル）などの一連のビジネス活動を行っていきます。

マネジメントを学ぶことで組織運営や企業経営のノウハウが身につきますので、将来的に経営者・起業を目指す人におすすめの学問といえるでしょう。

MBAではマネジメントの修学を通して、組織運営や企業経営に役立つ知識を得られたり、様々な問題に対処したりする能力を学ぶことができます。

つまり、特定の分野に特化するスペシャリストではなく、幅広い知識とスキルを活かして多くの問題に対応できるゼネラリストのような形になるでしょう。

MBAでは幅広く多岐にわたるマネジメントを総合的に学ぶことができますので、経営者・起業を目指す人におすすめです。

書籍やインターネット上の情報を活用して、独学でマネジメントを学ぶこと自体は可能です。独学で身につけた知識を実践の場で生かす環境がある人にとっては、十分な効果が期待できるでしょう。

ただし、それでは経営の全般的な知識を求められた際に抜け落ちや、得意、不得意などの方よりが起こってしまう可能性もありまるかもしれません。

MBAではマネジメントに求められるすべてを網羅的に学ぶことが可能です。

様々な状況変化に対応するマネジメント力を身につけることができるため、長期的なスパンで考えると大きなメリットがあると言えます。

MBAには「ケースメソッド」という学習方法があります。ケースメソッドとは、実際のビジネスシーンの事例を基にグループディスカッションを行い、戦略の立案から解決法の提案までを導き出す手法のことです。

MBAならケースメソッドなどの学習方法を活かし、特定の産業界だけでなく、普遍的な意味での経営能力を身につけることが可能でしょう。

関連記事：Abitus UMass MBA「ケースメソッドとは？学習モデルや進め方を解説！メリットやデメリットも」

組織や企業が掲げた目標を達成するために、マネジメントに求められる役割は多岐にわたります。ここでは、マネジメントの一般的な役割を5つ紹介していきます。

• 戦略設計
• リソース管理
• プロジェクト管理
• チームマネジメント
• 育成・評価

組織状況によってマネジメントに求められることは異なりますが、一般的な役割は押さえておくといいでしょう。

戦略設計には、組織や企業が掲げた目標を効率的に達成していくために、具体的なアクションプランを立てる役割があります。まずは、組織の掲げる目標やミッション・経営方針として、具体的で実現可能なものを考えましょう。

目標が決まったら次は、市場調査や競合他社の分析を行い、組織がこれから直面する問題や弱みを把握します。そして、分析結果に基づいて、戦略の具体的な行動計画や戦術を立案していきます。

戦略設計は、組織や企業の方向性を決める重要な役割を担っています。

リソース管理には、組織運営を最適化するために経営資源の重要要素である「ヒト・モノ・カネ」などのリソースを、配分・管理していく役割があります。

経営資源を最大限活用できるように、人材の適材適所を見極めて、予算編成・資金調達などの資金管理も行います。

組織内の経営資源は有限なので、無駄なく最適な分配・管理を行うことがリソース管理の目的といえるでしょう。

プロジェクト管理とは、組織の目標達成期限までにプロジェクトの目的を達成できるように管理していくことです。具体的には、進捗状況の把握・スケジュールやリスク管理などを行い、期限までに目標が達成可能となるよう導く役割があります。

プロジェクト管理では、常に進捗状況を把握して、プロジェクト内で問題が発生したときに即対応できるようにしておくといいでしょう。

チームマネジメントとは、チームに属する個々のメンバーが動きやすくなるように労働環境を整え、チーム全体の生産性を高める手法のことです。

チームマネジメントの際は、リーダー自身がリーダーシップを発揮しつつも、チームメンバーが主体性をもって実行できるようなチームをつくっていくことが求められます。

組織内のチームメンバーの育成・評価は、部下のモチベーションアップやスキルアップに役立ち、組織力の向上につながる人事管理の役割を担っています。

育成においては、個々のチームメンバーのニーズに合わせた育成プランを取り入れるのが重要です。当たり前ですが、個々のスキル・能力・興味やキャリアプランは異なります。そのため、個々のチームメンバーの適性を把握した上で目標を立てるといいでしょう。

評価においては、ノルマや数値の達成度合いを評価する「絶対評価」と、他者との比較で評価を決める「相対評価」があります。評価制度には決まりがないため、組織状況によって使い分けるといいでしょう。

効率的な組織の管理と運営を行うために、マネジメントに主に必要な4つのスキルを紹介します。

• 問題解決能力
• 意思決定力
• コミュニケーション力
• スケジュール管理能力

マネジメントは幅広く多岐にわたりますが、まずは基本的な4つのスキルを押さえておくといいでしょう。

問題解決能力は、プロジェクトが思うように進まないときに、ボトルネックになる問題点を特定して迅速に解決していく能力です。

問題解決能力が乏しいと、クレームの発生や目標の未達を招いてしまうでしょう。

問題解決能力を高めるには、実際のビジネスシーンの問題を基に、グループディスカッションを通して問題点の把握と解決先の提案までを導き出すケースメソットが有効です。

意思決定力は、様々な選択肢の中から最適な選択を行い、組織の方向性を決定していく能力です。

意思決定を先延ばしにしてしまうと、プロジェクトの進行が遅れてしまい、成果を上げることが困難になってしまいます。そのため、意思決定力は、組織の目標達成に影響する重要な能力です。

プロジェクトを進めていくと、想定外のトラブルが起きてしまうこともあるかもしれません。冷静に適切な選択が取れる意思決定能力は、組織運営に必要不可欠なスキルといえるでしょう。

コミュニケーション力とは、情報や考え方を正確に伝えて、チームメンバーと対話していくことで関係を構築していく能力です。また、チームメンバーのスキルを最大限引き出すコーチング的なスキルともいえるでしょう。

コミュニケーション力が高いと、チームメンバーと良好な関係を築くことができ、メンバー間に信頼感が生まれます。また、適切なアドバイスやフィードバックを提供することで、チームメンバーの成長、モチベーションアップにもつながるでしょう。

スケジュール管理能力とは、プロジェクトの目標達成までの進捗状況を把握して、必要なリソースが確保されているかどうかを管理する能力です。

タスク・活動のスケジュール策定や、進行状況のモニタリング、リソースの再分配などがスケジュール管理能力に含まれます。

スケジュール管理能力が高いと、プロジェクトを目標に対して効率的に進めることができるので、予算・時間の無駄を最小限に抑えることができるでしょう。

マネジメントとリーダーシップは、組織の目標を達成するという目的は同じですがプロセスは異なります。

項目	管理対象	プロセス
マネジメント	経営資源	組織の目標達成に向けて効果的な戦略を立案
リーダーシップ	チームメンバー	目標を達成するための方向性を示して 自発的な行動を促す

組織の目標を達成するには、マネジメントとリーダーシップの両方の要素を適切に組み合わせるといいでしょう。

MBA（経営学修士）で習得したマネジメント能力は、組織運営や企業経営に役立ち、さらにビジネスにおける様々な問題へ適切に対処することも可能です。

将来的に経営者・起業家を目指す人は、マネジメント能力を身につけておいて損はありません。

独学でマネジメントについて学んでも、戦略論の知識は身につくでしょう。

一方で、MBAでは実際のビジネスシーンの事例を基に、ケーススタディやグループディスカッションを行うので、実践的な思考力やプレゼンテーション能力が得られます。講師陣や同僚との議論・フィードバックを通じて、論理的でありながら実践的なマネジメント能力を身につけることができるでしょう。

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