日本の経営大学院MBAプログラムの入試科目には、小論文が含まれているのが一般的です。入試全体における小論文の重要度は大学院によって異なります。

「小論文対策として、何をすればいいの？」と不安を抱えている人もいるでしょう。適切な小論文対策を行うには、志望校の小論文の傾向を把握しておくことが大切です。

本記事では、大学院別の傾向を踏まえたMBA入試の小論文対策について解説します。小論文対策のポイントや注意点も取り上げますので、参考にしてください。

目次
MBAの小論文対策｜大学院別の傾向
傾向別のMBAの小論文対策
MBA入試の小論文で大切な3つのポイント
MBA入試の小論文はポイントを押さえてクリアにしよう

日本の経営大学院では、入試科目として小論文が含まれているのが一般的です。そのため、小論文対策について不安を抱えている人もいるでしょう。

小論文に求められる経営学の知識や傾向、入試に占める重要度などは大学院によって異なります。これは、大学院ごとの独自の教育方針やプログラムの特性などに起因するためです。

そのため、小論文対策を行う際は大学院別の傾向を把握することが大切です。詳しく見ていきましょう。

それぞれの経営大学院では、独自のテーマや形式の小論文を出題しています。そのため、求められる経営学の知識は大学院により異なります。

例えば、「データや情報の読み取りを前提とした問題」「読解力や要約力を問う問題」など、問題の傾向には違いがあります。実務経験を踏まえた上での解答が求められるケースもあります。

大学院によって必要とされる知識のレベルは異なるため、志望校別に対策を立てることが大切です。例えば、その大学の有名な教授の書籍や論文などに目を通しておくことも対策となりうるでしょう。

主な大学院について、過去に出された小論文の傾向について解説します。

例えば、神戸大学と筑波大学では、経営学に関する時事的な知識が必要な問題が多く出される傾向が見られます。経営知識やマーケティング知識を把握した上で、論文を書かなければなりません。

京都大学では、一般小論文と専門小論文の2種類が出題されます。一般小論文では志望理由や研究計画など、自身の経験や考えに基づいた論述が必要です。

専門小論文では、選択した分野に関する深い知識や経営理論を扱う問題などが出題されています。

慶應義塾大学や早稲田大学では、経営学に関する時事的な知識が必要な問題が出ることもあれば、経営学のアカデミックな知識について問う問題が出ることもあります。

このような大学院を受ける際は、時事的な知識に加え幅広い経営理論についての知識が必要です。

具体的に、小論文対策としてどのような知識が必要になるのでしょうか。

ここでは、学術的な理論や経営学の基礎などが必要な「アカデミックな知識」と、現在の経済・ビジネス環境など最新の知識が求められる「時事経営学の知識」とに分けて解説します。

志望校の傾向を確認し、照準を合わせて対策を立てていきましょう。

ここでいうアカデミックな知識とは、経営理論についての知識のことです。アカデミックな知識が求められる小論文対策としては、経営学の基礎理論などに深い理解が必要でしょう。

主なものとして、組織行動論、戦略経営、マーケティング理論、財務管理などが挙げられます。

単に言葉の意味を暗記するだけでなく、理論を理解し論述することが求められます。理論を実際のビジネス事例に適用し、分析する能力も必要です。

場合によっては、最新の研究成果や新しい経営理論について問われることもあるでしょう。アカデミックな知識を問う大学院を受験する場合は、経営学や経営理論についての広い理解が必要です。

加えて、複雑な理論や概念を論理的に説明し、自分の意見を明確に表現できるよう準備しておきましょう。

時事経営学とは、現在のビジネス環境や経済動向に関する最新の知識を指します。新聞や経済誌、ビジネス書などで取り扱われるような知識です。

例えば、デジタルトランスフォーメーション、サステナビリティ経営、グローバル化戦略、サイバーセキュリティ、SDGsなどがあります。

新聞や経済誌で業界動向などをチェックして最新のビジネストレンドや課題について理解を深めておくことが大切です。

また、時事的な話題を経営理論と結びつけて分析する能力も求められるため、経営理論や経営学に対する理解も必要です。

時事経営学の言語を知るだけでなく、指定されたテーマについて自分の意見を持ち、多角的な視点で論理的に展開できるよう準備が必要です。

MBA入試の小論文対策として、何をすればよいか分からず悩んでいる人もいるでしょう。

小論文対策として特に意識するべき大切なポイントとしては以下の3点があげられます。

• 経営学の知識を身につける
• 論理的に文章をまとめる
• 時間配分を意識する

この3点を意識することは、MBAで求められる専門知識、分析力、時間管理能力の習得にもつながります。詳しく見ていきましょう。

MBA入試の小論文では経営学の知識が必要となります。経営組織論、経営戦略、マーケティング、財務など、幅広い分野の理解が必要です。

教科書や専門書を読むことに加え、最新のビジネストレンドや実際の企業事例にも注目しておくとよいでしょう。

入試では、経営学の専門用語や概念を正確に理解し、自分の言葉で説明することが求められます。単なる暗記ではなく、実際のビジネスなどと結びつけて分析し、論理的に展開する力が必要です。

小論文では、与えられたテーマや課題について、自分の考えや意見を論理的に述べることが必要です。そのためには、論理的に文章をまとめる能力が求められます。

限られた時間の中で知識をうまく活用しながら論理的に文章をまとめることが、試験においてもっとも重要と言っても過言ではありません。

テーマや課題に対し、自分なりの結論を準備します。その結論に対して根拠や理由を示しながら、客観的に論理を展開していくことが必要です。

特に大切なポイントを2つ紹介します。

小論文は多くの場合、「序論→本論→結論」の3部構成が基本です。この時、「序論部」で結論を書いておくと、伝達効率を高めることができます。

また、小論文を書いている途中で自分の論理がぶれることなく、最後まで同じ結論で理論を展開できる点もメリットです。

「結論部」において主要な論点を簡潔に要約し、自分の主張を再度強調することが大切です。

「結論→理由→具体例・根拠→結論」という流れを意識して書くとよいでしょう。

本論では、結論に至った理由を具体的に記載することで説得力が向上します。理由を語る際は、データや統計を活用し、論理的に展開していくことが重要です。

結論の妥当性を高めるためにも、「なぜそうなるのか」「どうしてこの結論に至ったか」という因果関係を丁寧に説明することが必要です。

また、多角的な視点を提示すると客観性が増します。課題文の内容を十分理解した上で、自分の意見を論理的に展開しましょう。

小論文は、限られた時間内に書き上げなければなりません。「問題を理解する」「構成案を作る」「本文執筆」「見直し」と、それぞれ適切に時間配分をしておくと、時間に追われて焦る心配が軽減するでしょう。

小論文の文字数は800～1,200文字程度のことが多く見られます。適切に時間を配分するには、「本文執筆」にかかる時間がどの程度なのか事前に把握しておくことが大切です。

本番で焦らないためにも、時間配分を意識して小論文の練習に取り組みましょう。

MBA入試の小論文の出題傾向や重要度は、大学院によって大きく異なります。志望校を決めた上で対策に取り組むと効果的です。

結論に対し論理的に理論を展開していくためには、経営に関する言葉の意味を知るだけでなく、自分の言葉で語れる深い知識が求められます。

経営学の知識を身につけておきましょう。また、時事経営学の知識が必要な大学院を受験する場合は、新聞や専門誌などを読み、時事的な経営知識も身につけておくことが大切です。

小論文を書く際は最初に結論を書くと、ぶれることなく理論を展開できるでしょう。

焦らず小論文を書くためには適切な時間配分も欠かせません。本記事で紹介したポイントを押さえ、小論文の練習に取り組みましょう。

海外MBAの場合は、入試で小論文を求められるケースはほとんどなく、エッセイをAO入試で提出することが一般的です。

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