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IFRS実務者インタビュー

【vol.1】IFRSの学習には学ぶ喜びがあり、会計の理解が深まった

そろ娘さん
Siemens Gamesa Renewable Energy

  • TOEIC:945点
  • 日商簿記:1級
  • 留学経験:高校時代に1年間オーストラリアに留学
  • 英文経理・財務経験:有
  • 経理・財務経験:無
  • 監査・内部監査経験:無
  • システム経験:無

IFRSの学習には学ぶ喜びがあり、会計の理解が深まった

高校、大学とハイレベルな環境で英語やドイツ語に親しみ、現在の業務でも英語での資料作成やリモート会議などで語学力を活かして活躍されているそろ娘さん。以前はマーケティング職だったという異色の経歴をもちながら、IFRSを学び始めたきっかけや道のりはどのようなものだったのでしょうか。
「IFRSの学習には学ぶ喜びがあり、会計の理解が深まった」と振り返るそろ娘さんに語っていただきました。

記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。

担当業務の本質をより深く理解したかった

ーこれまでのご経歴と現在の業務について教えてください

高校時代は国際科で、英語を学びたい人や国際人を目指す人が多く学ぶ環境でした。レベルの高い英語に触れられたと思います。1週間の半分を英語で過ごし、3年次には最も難しい英語の問題に挑戦する経験など、言語能力を磨いてきました。大学は東京外国語大学の外国語学部で、約50人のクラスでドイツ語を専攻していました。

卒業後はスポーツメーカーのミズノで約15年間マーケティング職に従事しました。退職後は珠算6段の資格を持つほど、数字を扱うことが好きだったこともあり、4ヶ月勉強して簿記1級を取得、その後税理士事務所で数ヶ月勤めました。しかし自分には税理士の業界が合わないと感じたため、マーケティング職へ戻ることを考えたのです。

その後数社でマーケティングの経験を積み、人柄や友人の推薦から、2022年にSiemens Gamesa Renewable Energyに40歳でポテンシャル採用されました。

ーIFRSを学習しようと思った理由は何ですか?

Siemens Gamesa Renewable Energyで勤務するなか、自分の財務知識の不十分さを感じていました。ちょうど勉強できる時間もあったことから、IFRSの学習を始めたのです。IFRSとJGAAPの差異をはじめから学んで、IFRSの全体像をしっかりと理解することが、自分の業務の質を向上させ、将来的により広範囲での活躍を目指すために不可欠だと感じたのです。
IFRSに興味を持ったのは、私の現在の職場であるSiemens Gamesa Renewable EnergyがIFRSを採用しているからです。ヨーロッパではIFRSが標準ですが、Siemens Gamesa Renewable Energyはスペインに本社を持つ企業で、シーメンスエナジーが親会社です。
単に業務の要求を満たすためだけではなく、より広い視野を持ち、会計と財務の分野でより深い理解を得るためにもIFRSが重要だと考えました。私の業務はCPM(コマーシャル・プロジェクト・マネージャー)という立場で、収益認識に関わるIFRS15の部分の活用に限られています。限られた範囲の作業を行うだけでは、IFRS全体の複雑さやJGAAPとの違いが十分に理解できません。
一方、上司はプロジェクトファイナンスの知識や経験が豊富で、仕事を分担するにあたり、私は会計の分野の知識を深めることが必要不可欠だと感じました。また、兄が会計士(JCPA)であることも、IFRSへの興味を深める一因となりました。
私の担当には、アカウンティングではなく実務に関わる収支を整える業務があります。部門の中のBS、PLをIFRS15に基づいて整えて定期的に財務報告を作成して、収益を計上する必要があります。
このプロセスはルーティンになりがちで、私は、与えられたデータを適切な勘定科目に割り当て、収益が正しく計上されていることを確認する作業に集中していました。当初はその背後にある会計基準や理論的な根拠について深く考えることが少なかったのです。
しかし、IFRSを学ぶことで、これらの機械的な作業が単なる数値の入力や計算以上のものであるとわかりました。

IFRSの知識を着実に身につけるためには、学習コンテンツや講師の質が充実しているアビタスしかないと思った

ーIFRSの学習にアビタスを選んだ理由を教えてください

大学は外国語学部で経営や経済などの単位がなく、税理士の受験資格も得られません。そのため簿記は専門学校で学びました。 学生時代に予備校などを利用していなかったため、ガイドや丁寧に作られた問題演習をなど質の高さに驚き、楽しみながら学習が進められました。その経験から、IFRSを学ぶ際もプロの力を借りた方が学習を進めやすいと考えたのです。
単純にIFRSの検定に合格するだけでなく、内容をしっかりと理解したいと考えたため、受験を決意した時点で、ほぼアビタスを選択していました。他の教育機関との比較も行いましたが、アビタスを選んだのは、提供されるコンテンツの質と、講師陣の専門性に魅力を感じたからです。
特に、アビタスの講師がUSCPAの資格を持ち、豊富な実務経験を有している点は大きな魅力でした。実務経験のある講師から学べることの価値は非常に高く、言葉に重みがありました。理論だけではなく、実際の業務における問題解決にも役立つ実用的なアドバイスが受けられたと思います。
また、アビタスはスタッフの対応やサポートも素晴らしいと感じています。学習を始める前に持っていた不安や疑問に対して、丁寧に説明をしてくれたことが大きな支えとなりました。学習者の声に耳を傾け、一人ひとりに寄り添ったサポートを提供してくれるため、自信をもって学習が進められました。
特に印象的だったのは、個々の学習進度や理解度に応じたアドバイスを提供してくれる点です。これにより、自分にとって最適な学習計画を立てることができ、効率的にIFRSの知識を深めることが可能になりました。

ーアビタスの費用感はいかがでしょうか?

IFRSの学習は決して安くはないと思います。簿記1級と比較していいのか分かりませんが、似たようなレベルの試験かもしれません。ただ、試験料が高いので、それに比例して少し高くなってしまうのは仕方がないかもしれません。
しかし専門家から直接学ぶことの価値や試験対策だけでなく、実務に役立つ深い知識を得ることができる点を考えれば、投資する価値は十分にあると感じています。
ただ、私についていうと、もちろん最初は自費で受講するつもりだったのですが、上司に相談したところ、補助が出る可能性があると言っていただきました。1ヶ月待った結果、補助を受けることが決まったのです。とはいえ、合格した場合に補助が出るという約束でしたので「何としても合格しなければならない」というモチベーションにもなりました。

ーアビタスの講義やテキストは実務で活かせますか?

アビタスでの学習は、試験対策だけでなく実務に直結した知識を深めることができる素晴らしい機会でした。私の会計知識を実際の業務に応用する上で非常に役立っています。
特に印象深かったのは、講師がCPAの資格を持ち、豊富な実務経験を有していたことです。
テキストについてもただ解説するのではなく、
「親会社が決めた固定資産税や固定資産の評価方法には、子会社も従わなければならない」
「ここは実務的にはあり得ないが、試験対策として学んでおくべき」
「世界中で話題となっている事象で、現在のIFRSではこのように規定しているが、数年以内に変わるかもしれない」
など、賛否両論ある点を教えてもらうことで、理解が深まりました。
webを通じての学習でしたが、実務経験のある講師から学ぶことの重要性とその価値を深く感じました。
ただし、私は学習を始めた時点で簿記1級の資格を持っていましたが、IFRSの学習には簿記2級以上の知識が必要かもしれないと感じました。特に、工事進行基準や棚卸資産の計算や減価償却の方法など複雑なトピックを理解するには、より高度な会計知識が求められるため、簿記2級や3級の知識があればさらに学習がスムーズに進むだろうと考えています。
学習を進める中で、「これがあったらいいな」と感じたのは、演習問題のバリエーションです。多様な演習問題は、IFRSのように幅広いトピックをカバーする学習において特に重要です。異なるシナリオやケーススタディを経験することで、実務に直接応用可能なスキルを養うことができます。
また、現在のコースでは演習が2回だけ提供されていますが、より多くのバージョンがあれば、学習の効果をさらに高めることができると思います。実際、提供された練習問題を解くことで新しい知識が増えたと実感できたので、より多様な問題に挑戦することで、さまざまな角度から知識や理解が深められると感じました。

試験対策だけでなく、会計の深い理解や実務に役立つ知識もわかりやすく学べた

ーIFRSの学習を通じてどのようなことが得られましたか?

IFRSの学習は想像以上に大変でしたが、単に会計基準の知識を詰め込むだけではなく、会計には深い理解が必要であることが学べました。実務で直面する課題に対する理解を深めて、より良い意思決定を行うための基盤を築くことや自己成長と新たな視点の開発にも繋がると思います。
アビタスでは、試験対策だけでなく、実務に役立つ知識もわかりやすく教えてくれます。私の業務で最も頻繁に接するIFRS15のように難解なトピックもありますが、その難しさを乗り越えたときの達成感は大きいです。まだ完全に理解したとは言えませんが、これまで機械的に行っていた作業について、理解を深めて実施できるようになりました。
私の場合、IFRSの収益認識に関する部分で機械的に行ってきた作業が、実際には複雑な基準とガイドラインに基づいていることを知りました。それらの基準を理解することで、私の業務に対するアプローチが根本から変わりました。

ーIFRSの学習で苦労したことはありますか?

ドリル系の問題に慣れていた私にとって、広い知識が必要な問題には苦戦しました。時には講師が言っていることを理解することにも苦労したほどです。結果として70%得点でき「70%取れた」と達成感を味わったのと同時に、「勉強不足で70%しかとれなかった」とも思いました。
また、IFRSを学ぶことで、JGAAPとの明確な違いを感じることができました。JGAAPに関する経験がない私でも、IFRSの学習を進める中で違和感なく学ぶことができました。
簿記1級の資格が直接役立つわけではない現在の会社で、IFRSについて学ぶことは大きな挑戦でした。IFRSはJGAAPの延長かと思っていましたが、アビタスで学ぶなかでIFRSはとJGAAPの違いが実感できました。

容易な道のりではないけれど、実業務に活かせる知識の習得に学ぶ喜びあった

ー最後に、IFRS取得を検討している人に向けてメッセージをお願いします。

大人になってから真剣に何かを学ぶ機会はそう多くないと思います。新しいことを学ぶ喜びや成長を感じることは貴重な経験だと思います。もし勉強することが学生時代以来久しぶりという人がいたら、学習して身に付いていくことの喜びが感じられると思います。

IFRSの試験は年に3回ありますし、アビタスでは2年間の講義を受けることができます。私は、ただ試験に合格することだけではなく、内容をしっかりと理解することを目的に1年間じっくりと勉強しました。決して焦らずにじっくりと理解を深めることが重要です。
学習する場合は、ただテキストを読むだけではなく演習問題に取り組むことをおすすめします。新たな知識を身につけることができると同時に、より深い理解が可能になります。特に4択問題は、実務で直面する問題に対処するための思考力を養うのに役立ちました。また、間違いの選択肢も分析することも大切です。
学習を通じて得た知識や解決策は、ただ問題が解けるようになるだけでなく、以前は理解できなかったり、遠ざけていたものの理解を深めるのに役立ちます。
検定試験の準備として、演習問題にもしっかり取り組み、満点が取れるように練習を積みました。問題はそれぞれ異なる視点から出題されるため、様々な角度からIFRSを理解することができます。このアプローチにより、学んだ内容を実際の業務に適用できるようになりました。
IFRSの学習は決して容易な道のりではありませんが、その過程で得られる知識とスキルは、会計の分野でのキャリアを大きく前進させることができます。焦らず、一歩一歩確実に学習を進めていくことが成功の鍵だと感じています。

編集後記

好奇心が強く、どのような領域でも着実にスキルアップを遂げるそろ娘さんのお話に引き込まれてしまいました。IFRSを学んでより業務の理解を深めることでキャリアアップにつなげられるという実感が得られました。今後のさらなるご活躍に期待したいと感じたインタビューでした。