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関 愛允さん
東証プライム企業経理
地元密着型の税理士法人の勤務経験を経て、現在は東証プライム企業の経理マネージャーを担当している関さん。税理士試験の勉強を行いつつもいつかは事業会社で活躍したいと考えてIFRSを学び始めたそうです。
「昨今は個人が投資を行う機会が増え、お金を生み出してくれるものが資産という考え方も浸透してきていることから、IFRSの考え方に入りやすいのではないか?」と話す関さん。
IFRSを学び始めたきっかけやキャリアへの活かし方、どのように実際の業務に活かせるのかなど、IFRSを学ぼうとする人に役立つリアルな感想を語っていただきました。
記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。
私は税理士試験の勉強を続けながらも、事業会社で役立つ知識を身につけたいと考えてIFRSの学習を始めることにしました。グローバルなディスクロージャーが必須となる中で、IFRSの知識を深めてIFRS検定を取得することは、経理人材に求められるスキルとなるとの考えからでした。
当時の私は、税理士業界の将来性について疑問を持っていました。顧客に地元の中小企業が多く、感謝の言葉が直接聞けるなど距離の近さがあることは魅力でしたが、顧客の高齢化やアナログな仕事に漠然とした不安を感じていたのです。
今になってみると、大手の税理士事務所や税理士法人のBIG4系列であれば、上場企業がクライアントになり、スタートアップ企業との関わりもあります。給与面においても、事業会社と比較して差がないため、全てが悲観的ではないと思います。
また、IFRSを学べば、日商簿記1級の資格や税理士試験の3科目に合格している基盤が活かせるとも考えました。実際にIFRSを学んだことで、東証グロースの企業を経て東証プライムの企業へと転職できました。IFRSを学習したことが、キャリアをさらにステップアップさせる一助になったと思います。
IFRSの学習は、必要に迫られている企業の担当者はもちろん、IFRSを導入している企業に所属していて、将来的にIFRS業務を引き継ぐ可能性のある人にもメリットがあります。
今後IFRSの知識を身につける必要がある人達にとって、体系的に学ぶことができるプログラムがあれば、知識を深める機会として有効だと思います。また、法人用の受講プログラムなどがあれば、メンバーにすすめやすくなるかもしれません。
また、対外的にスキルが証明できるため、転職を考えている人も向いていると思います。
事業会社でのキャリアを目指す上で役立つ知識として、IFRSを学ぶことにしました。
アビタスを選んだ理由は、当時、IFRSの学習をする上での選択肢が限られていたためです。独学での学習を試みましたが、IFRSに関するコンテンツが今ほど充実しておらず、解釈に迷うことが多いため、独学は効率が悪いと感じました。また、人の意見を参考にしたかったという思いもありました。
アビタスの教材は非常にシンプルで、フォントや構成がわかりやすく、今でも参照することがあるほどです。また、当時はIFRSコースに申し込む人が少なく、毎回ではありませんが授業がマンツーマンで行われることもありました。分からない点を直接質問できる環境は非常に有効だと感じました。
また、税理士試験の大手予備校の学習などは、画一的なコンテンツが提供されることもあると思います。しかし、アビタスでの学習は柔軟で、その場で分からなかったらすぐ質問できるなど、フレンドリーな環境だったと感じています。
最終的に、IFRSの学習を通じて得た知識は、BS思考を深め、経理の仕事に対する理解を広げるのに役立ちました。特に、投資家目線での会計基準の理解は、IFRSの学習において重要な視点であり、アビタスでの学習がこの理解を深めるのに貢献しました。
明確な根拠はありませんが、簿記2級くらいの知識があるとIFRSの学習がスムーズに進められると感じています。
会計は、手順に限らずその思想を理解することが重要だと思っています。IFRSは簿記の延長で理解できる部分もありますが、簿記とIFRSはそもそもの方向性が異なります。
検定試験料は4万5,000円ほどで少し高いと感じるかもしれません。しかし現在、IFRSを適用している会社で働いており、学んだ知識が役立っています。そのため、IFRS検定試験料は、私にとっては大きな価値がありました。
私の場合はIFRSを勉強してすぐに転職したわけではなく、将来的に役立つかもしれないと思い自己研鑽として勉強していました。実務で必要というよりも、自己成長のためにIFRSコースをじっくり勉強したという感じです。若いうちに投資しておいて良かったと感じています。
アビタスでのIFRSコースを受講し、IFRS検定試験にも合格しました。この学習を通じて、IFRSに関する深い知識を身につけることができました。特にBS思考が身についたと感じています。日本の会計基準がPL重視であるのに対し、IFRSはBS重視です。
簿記の勉強がPL重視だったため、BS重視のIFRSには少し違和感がありました。しかしもともと投資の考え方を持っていたため、BSで価値を測るという考え方には馴染みやすかったです。
個人の金融教育が重視されている昨今「お金を生み出してくれるものが資産」という考え方そのものが重要になってきています。そのため、投資をしている人はIFRSの考え方に入りやすいかもしれません。また金融に関する本を読むことも、IFRSの理解に役立つように思います。
IFRS検定を通してJGAAPとは異なるIFRS独特の思想を学んでいたため、IFRSを適用している現職では、入社後すぐにIFRS関連の業務を任せてもらえました。
また、実際に働いている会社がIFRSを導入していても、経営陣がIFRSの考え方になっているとは限らないと気づきました。特に、IFRSではのれん償却がないため、PLがよく見えるという理由でIFRSにしている会社もあります。
しかし減損テストは毎年行う必要があり面倒な作業ではありますが、投資した額よりも将来の利益が上回っていなければならないため、数字の裏付けを考える必要があります。そこでもIFRSの知識が活かせるでしょう。
このようにIFRSの考え方や求められることが増えているため、IFRSの知識を持つ人材が今後ますます求められると思います。また、プライムの企業でIFRSを導入していても、経営者の頭の中はまだPL重視で考えていることが多いです。
私の会社もそういう状況です。IFRSに詳しい人はまだ少なく、10人弱の経理メンバーのうち、IFRSを理解しているのは私を含めて3人ほどです。
しかし連結会計など複雑な場面では、IFRSの基礎知識がないと処理を見逃してしまう恐れがあります。IFRSの学習は実際の業務に活かせているといえるでしょう。
逆に、以前1年だけ大企業の子会社に在籍していた際に、親会社がIFRSだったため子会社の会計をIFRSに変換するという作業がありました。企業の規模が多すぎて経理が細分化され過ぎてしまい、できあがったBSやPLを見ることもなく作業だけになっていました。IFRSに限らずですが、学んだことを生かすためには、所属する会社や組織の規模もよく見極める必要があると感じた次第です。
どの資格・検定にも言えますが、あくまで資格取得は目的ではなくキャリアを築く一つの手段です。
私は税理士法人で働きながら税理士試験の科目合格を目指してきましたが、そのようなステップアップをする人は当時は多くなかったと思います。しかし、キャリアに関しては、何とか良い方向に進んでいると思います。
再現性があるかどうかわかりませんが、税理士事務所から事業会社に移ることを考えている人には、経理が10人弱の規模の会社が良いかもしれません。大企業よりも実務経験を積みやすいと思います。
また、IFRSの勉強は、簿記や税理士の勉強をしている人にとってはそれほど難しくなく、独特の考え方を理解すればそれほど苦戦しないと思います。
日本の上場企業でもIFRSの導入は年々増加しており、非上場企業でもM&A等によるIFRS適用企業の子会社化によりIFRS対応を迫られるなど、上場・非上場問わず実務でIFRSの知識が求められる場面は確実に増えていくことと思われます。
私のように既にIFRSを適用している企業で働くことはもちろん、JGAAPからの移行を検討PJを進める企業、それを手助けする会計コンサルティングなど、IFRSの知識をキャリアで活かせる機会はさまざまです。
自身のキャリアを想像しながら学習のモチベーションを高めていただけたらと思います。
現在IFRSの知識を活かして経理のスペシャリストとして活躍されている関さん。税理士を目指していても、国際会計基準の分野で十分活躍できることを示す一例として、大きなロールモデルになると思います。さまざまなバックボーンを持ちながらこれからIFRSコースの勉強を検討したい人にとって、心強いインタビューになったと感じました。