本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

【第1回】モビリティ企業への進化──“トヨタ再定義”の始まり
【第2回】生産・サプライチェーンの革新──「TPSの進化」と“次世代ものづくり”の本質
【第3回】人と組織文化──“トヨタウェイ”の進化とグローバル展開
目次
世界の製造業が学んだ「トヨタ生産方式」
「TPS×デジタル」──現場力のデジタル変換
サプライチェーン全体最適への挑戦
「トヨタらしさ」を失わない技術革新
MBAの学びとの接点
トヨタの強みを語るうえで欠かせないのが「TPS(Toyota Production System)」です。
ジャスト・イン・タイムと自働化(人の判断を伴う自動化)という二大原則を軸に、1950年代から60年以上にわたり磨かれてきた独自の生産哲学です。
TPSは単なる生産管理手法ではありません。「ムダの徹底排除」を通じて、品質・コスト・納期を同時に最適化する“経営思想”そのものです。この思想は、リーン生産方式(Lean Manufacturing)として世界中に輸出され、米国のハーバード・ビジネス・スクールでは「トヨタ方式を理解することが経営学の基礎」とも教えられています。
しかし近年、トヨタはTPSを“固定化された伝統”としてではなく、進化させるべき動的システムと位置づけ直しています。背景には、EV化・サプライチェーンの地政学リスク・気候変動対応といった新たな現実があります。
トヨタは、長年の現場改善で培ったTPSの思想を、デジタル時代に再定義しています。
その中心が、「デジタル・カイゼン(Digital Kaizen)」です。
例えば、豊田自動織機やトヨタ車体の工場では、AIやIoTセンサーを活用して設備稼働データをリアルタイムで可視化。これにより、従来は人が経験で判断していた異常予兆や稼働ロスを、データ分析で即座に特定・改善できるようになりました。
また、バーチャル工場(Digital Twin)を活用し、部品配置や作業動線を仮想空間でシミュレーション。生産ライン立ち上げまでの期間を従来比で30〜40%短縮しています。
ここで重要なのは、トヨタが“現場をデジタル化した”のではなく、“現場の知恵をデジタルで再現した”という点です。AIやIoTをTPSの延長線上に置き、「人中心のデジタル生産」を志向しているのです。
トヨタのサプライチェーンは、世界約1万社の取引先企業で構成されています。
近年はパンデミックや半導体不足、国際情勢の変化などでリスクが顕在化し、トヨタも一時的に生産停止を余儀なくされました。
その経験を踏まえ、同社は「サプライチェーン全体の可視化とレジリエンス強化」を加速しています。
主要サプライヤーと生産データを共有するプラットフォーム「RESCUE(Rescue Supply Chain Unified Evaluation)」を構築し、部品供給のリスクをリアルタイムに把握。さらに、代替部品の設計情報や輸送ルートを即時に切り替えられる体制を整えました。
この仕組みは、MBAで学ぶオペレーション戦略(Operations Strategy)やリスク・マネジメントの実践例と言えます。一部の最適化にとどまらず、サプライチェーン全体で「情報の流れ」と「モノの流れ」を統合する――まさにトヨタがTPSを全社的にアップデートしている姿です。
EVやデジタル化が進む中でも、トヨタは「人の感性を生かす現場」を重視しています。
自動化・AI活用が進んでも、最終判断や改善提案は人が担う──これがTPSの根幹です。
例えば、技能五輪でメダルを多数獲得するほど熟練度の高い技能者を、ロボット教育やAI設計支援の指導者として配置。人の“カン”をAIモデルに翻訳する取り組みも進めています。ここには、「現場の知を形式知化し、技術と文化を両立させる」という哲学が貫かれています。
言い換えれば、トヨタは技術進化を“効率化の道具”ではなく、“人の力を最大化する補助輪”として活用しているのです。この姿勢が、同社を単なる製造業ではなく“学習する組織(Learning Organization)”へと進化させています。
トヨタの事例は、MBAで学ぶ経営理論と密接に関係しています。
| MBAの論点 | トヨタの実践事例 |
|---|---|
| オペレーション戦略 | TPSをデジタル技術で再設計し、全体最適化を実現 |
| サプライチェーン・マネジメント | 取引先を含めた可視化・データ共有によるレジリエンス強化 |
| 技術経営(MOT) | 現場知をAI・IoTに変換し、学習するシステムを構築 |
| 組織行動論 | 現場主導の改善文化を維持しながらデジタル化を推進 |
MBAの知識を“理論”として学ぶだけでなく、トヨタのように「制度・現場・人」を結びつけて実装することが、変革の本質を理解する鍵となります。
次回第3回では、トヨタの競争力を支えるもう一つの中核──人材と組織文化に焦点を当てます。
「現場力」と「挑戦」を両立させる人材育成モデル、そして“トヨタウェイ”がいかにグローバルで機能しているのかを解き明かしていきます。
次回もぜひご覧ください!
次の記事はこちら
【第3回】人と組織文化──“トヨタウェイ”の進化とグローバル展開
国際資格の専門校であるアビタス(東京)が提供しているプログラムで、日本の自宅からオンラインで米国MBA学位を取得できます。
日本語で実施する基礎課程と英語で行うディスカッション主体の上級課程の2段階でカリキュラムが組まれているため、英語力の向上も見込めます。
世界でわずか5%のビジネススクールにしか与えられていないAACSB国際認証を受けており、高い教育品質が保証されているプログラムです。
自宅にいながら学位が取得できるため、仕事や家事と両立できる点も強みです。
アビタスでは無料のオンライン説明会と体験講義を実施しています。興味のある人はお気軽にお問い合わせください。