本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
日商簿記2級を取得することは、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力や基礎的な経営管理能力や分析力が養えます。
検定試験は年3回、日本商工会議所および各地商工会議所が主催しています。(以下、簿記は日商簿記を指すこととします)
公認会計士や税理士を目指す方や、USCPA等の資格と組み合わせてキャリアアップを狙う方も多いでしょう。
そんな簿記2級ですが、一部では「取得しても意味がない」と言われることも。
本記事では、簿記2級は意味がないと言われる理由や合格のメリット、向いている人や米国公認会計士(USCPA)との比較を解説します。
目次
簿記2級が意味ない・役に立たないと言われる理由
簿記2級を取得するメリット
簿記2級取得に向いている人
米国公認会計士(USCPA)という選択肢
簿記2級は価値ある資格だが、米国公認会計士(USCPA)も検討する価値のある資格
※説明会ご参加後、アンケートにご回答頂いた方全員にサンプルeラーニング、サンプル電子テキストをプレゼント!
年間で約60万人が受験する「日商簿記」は、社会的に高い信頼と評価を得ています。
簿記2級がなぜ「意味がない」と言われるのか、理由にはどのようなものがあるでしょうか。
簿記には受験資格がないため、誰でも受験できるものとなっています。
簿記2級の過去2年間の平均受験者数・合格者数を見ると、平均受験者数が約20,000人、平均合格者数は約4,200人となっています。
簿記検定は年に3回行われるため、年度によっても変化しますが、1年でおよそ12,000人程度の合格者がでる試験です。 難易度は異なりますが、2022年の公認会計士試験の合格者数は約1,500人ということもあり、毎年多くの人が簿記2級を取得していることがわかります。
また、簿記検定に多くの受験者がいる理由は、企業が社員に対して簿記検定の取得を奨励していたり、大学や短大の推薦入学や単位認定の基準に採用されていたりするためだと考えられます。
簿記1級の合格率は例年、10%前後です。一方、簿記2級の合格率は、試験によって差がありますが、およそ15~30%となっています。
一般的に難関資格と言われている、税理士試験(2022年度合格率19.5%)、公認会計士(2022年度合格率7.7%)などと比較した場合、簿記2級の合格率が高いため、簡単な試験だと思われることもあるようです。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「2級受験者データ(統一試験) - 簿記」
参照:金融庁「令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について」
簿記2級に合格するには、会計・経理の初学者で350〜500時間程度の勉強時間が必要とされています。
1日に3時間勉強した場合、約4〜6カ月かかる計算になるため、この時間が無駄だと感じる人もいるでしょう。
また、受験料(統一試験)4,720円のほか、テキスト代、人によってはスクールの受講費用がかかります。 約4〜6カ月以上の勉強期間を確保してまで取り組むものであるか疑問に感じる人なら「意味がない」という結論に至ることもあるでしょう。
簿記2級は、高度な商業簿記・工業簿記を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるレベルであるため、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うのに有効です。
一方で、簿記2級を取得しているからといって就職や転職に有利になるわけではないのも事実です。
経理職の場合は簿記2級を所持せずに実務をこなしている人も多くいるため、「資格よりも実務経験が有効」とされることがあります。
日商簿記は民間資格であり、国家資格である公認会計士や税理士、司法書士のように独占業務のある資格ではありません。合格したからといって独立・開業することは困難です。
そのため、将来的に独立・開業がしたいと考えている人にとっては、簿記2級は意味がない資格だとされてしまうこともあります。
2015年に「10〜20年後に日本の労働人口の49%が人工知能(AI)やロボット等で代替可能になる」という試算を野村総合研究所が公表しました。
代替可能な職業に会計・経理も含まれていたため、簿記2級を取得しても将来的には業務が自動化されAIに仕事を奪われるのでは?という声もあります。
そういった技術の進歩も背景に、AIに代替されてしまうのであれば簿記2級は取得しても意味がない資格なのではといわれてしまうこともあるようです。
参照:株式会社野村総合研究所「News Release|日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
これまで解説してきたような理由から、簿記2級は「取得しても意味がない」と思われている部分があります。
しかし、簿記2級は取得に下記のようなメリットがある価値ある資格のため、意味がないということはありません。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
簿記2級を取得すると、企業の経理・会計、営業、経営管理など様々なビジネスシーンで知識を活かすことができます。
財務諸表の数字を読み解くことで企業の経営状況を把握し、自社や取引先企業の経営状況を分析できるのもメリットです。
簿記2級レベルの知識があれば、企業内のお金の動き方のイメージをつかむことができます。
企業の目的が利益を出すことである以上、企業内のお金の動きを知ることは、全てのビジネスパーソンにとって欠かせない知識といえるでしょう。
簿記2級はいわゆる「企業が求める資格ランキング」で上位に挙げられることの多い資格で、2022年度の就職に役立つ資格・検定ランキングでは2年連続1位を獲得しています。
認知度が高く採用担当者の多くは簿記合格の価値を認識しているため、就職・転職に有利に働きます。
また、簿記検定試験に向けて勉強し合格した経験は、就職活動をする上で自己PRの材料にもなります。
特に20代のうちは、経理未経験でも簿記2級の資格があれば経理職に就ける場合も少なくありません。
また、簿記2級の知識を用いて、転職の際に、志望する企業の財務諸表を確認できる点も強みです。企業の経営成績や財務状況を把握した上で、納得のいく転職先を選択することができます。
簿記2級は転職時にも有利に働く資格です。そのため、これまでの職歴と資格をあわせて自分の強みとしてアピールするだけでなく、今よりも良い職場へ転職でき、キャリアアップとなるケースも少なくありません。
就職・転職に加えて、最近は副業を行う人も増えています。簿記2級の知識があれば、副業の際に自分で経理業務や確定申告まで行うことができる点も強みの1つです。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「2022年度版!就職に役立つ資格・検定ランキングTOP30」
参照:日本の資格検定「2022年版! 就職に役立つ資格・検定ランキングTOP30」
企業によっては、簿記2級を持つ社員に月に1,000円~10,000円程度の資格手当を出しているところも見られます。
このような資格手当のある会社であれば、簿記2級を取得すれば、月々の給料がアップしたり、昇給したりする可能性もあります。
仮に月に1万円の資格手当がついた場合、年収は12万円のアップとなるため、コストパフォーマンスが高い資格といえるでしょう。
簿記2級に向いている人は下記のような人です。
公益財団法人全国商業高等学校協会調査・広報部が作成した「大学の推薦基準となる商業の資格・検定の資料」によると、全国76の大学が大学推薦入試で簿記試験合格者を優遇しています。
また、簿記2級を採用基準にしている会社も見られます。簿記2級に合格していると、入社後、同期より早くスタートが切れるというメリットもあるでしょう。
さらに高い資格(簿記1級・税理士・公認会計士等)へステップアップしたい人にも簿記2級の知識は役に立ちます。
参照:全国商業高等学校長協会 公益財団法人全国商業高等学校協会 調査・広報「平成25年度入学生|大学の推薦基準となる商業の資格・検定の資料」
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|活用の仕方|入試で優遇される大学」
※説明会ご参加後、アンケートにご回答頂いた方全員にサンプルeラーニング、サンプル電子テキストをプレゼント!
簿記2級と比較されることの多い資格が、米国公認会計士(USCPA)です。
就職・転職・キャリアアップにつながる、会計と英語を操れる人材の証明になるとして近年注目されています。
監査・税務業務等は当然として、国内外を問わずグローバルな活躍ができるため、簿記2級取得とともに検討してみるのもよいでしょう。
簿記2級とUSCPAを比較し、どういった違いがあるかを簡単に解説します。
学生や会計業務未経験の人、日本の一般企業での就職を考えている場合は、簿記2級のほうが認知度が高く、有利に働くこともあります。
USCPAは資格取得の過程で英語・会計・IT知識が高いレベルで身につくため、年収水準が高いグローバル企業や外資系企業の就職・転職に有利です。
資格 |
就職・転職先 |
簿記2級 | 企業の経理事務/一般事務/総務/営業職 等 |
USCPA | 監査法人/税理士法人/事業会社の財務・経理/コンサルティング会社/金融機関/日本企業海外子会社・支店 等 |
USCPA資格取得者は監査法人に限らず、一般企業でも経理・財務、CFO・CEOなどのトップ・マネジメントを含めた幅広いポジションで活躍しています。
実務経験+USCPAという合わせ技が年収やキャリアアップにつながるため、仕事と並行してUSCPA試験に挑戦する受験者も多くいます。
簿記2級とUSCPAのそれぞれの合格に必要な勉強時間や学習範囲は下記の通りです。
資格 | 勉強時間 | 学習範囲 |
簿記2級 | 350~500時間程度 | 商業簿記/工業簿記 |
USCPA | 1,200~1,500時間程度 | FAR(財務会計)/BEC(ビジネス環境及び諸概念)/AUD(監査及び証明業務)/REG(諸法規) |
簿記2級に必要な勉強時間は初学者で350〜500時間程度、USCPAの資格取得に必要な勉強時間は一般的に1,200~1,500時間といわれています。 勉強時間に関しては、USCPAよりも簿記2級のほうが少ないことが分かります。
また学習範囲は簿記2級が商業簿記と工業簿記の2科目に対して、USCPAは4科目で構成されており出題は全て英語です。簿記2級の商業簿記はUSCPAの科目であるFAR、工業簿記はBECと学習範囲が重複しています。
USCPAは、2024年1月から科目構成が変更予定です。
受験科目は変わらないものの、3科目必須の科目(FAR・AUD・REG)に加えて、BAR(ビジネス分析及び報告)・ISC(情報システム及び統制)・TCP(税法遵守及び税務計画)から一つ選び受験するという試験構成に変更予定となっています。
参照:Abitus「2024年からのUSCPA試験制度変更(CPA Evolution)について(1/27更新)」
簿記2級の難易度は過去10回の最高合格率は2021年11月の30.6%であり、最低合格率は2021年2月の8.6%、USCPA(日本在住者)の平均科目合格率は2019年では41.2%と3人に1人以上が合格しています。
資格 | 合格率 |
簿記2級 | 22.78%※ |
USCPA | 41.2% |
※過去10回(152〜162回)の合格率から算出(中止になった155回は除く)
合格率を見ると、数字上はUSCPAのほうが合格しやすく感じますが、実際には簿記2級よりも勉強量や出題範囲の広さから見て難しいとされています。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|受験者データ|2級受験者データ(統一試験)」
USCPAは、会計業務未経験の人でも、監査法人や会計事務所、コンサルティングファーム、大手企業の経理部門など、様々な企業からオファーを得ています。
実際に米国公認会計士協会の会員の中で、監査・税務業務を行っているのは全体の4割以下と半数を下回っており、一般企業での経理・財務部門や、CFO・CEOなどのトップ・マネジメントを含めた幅広いポジションで活躍しています。
簿記2級取得とともにUSCPAへの挑戦も検討してみましょう。
簿記2級に合格すると、高度な商業簿記・工業簿記が理解でき、財務諸表の数字から経営内容を把握できるようになります。
企業によっては資格手当がつくこともあるため、コストパフォーマンスの高い資格といえます。
一方、USCPAはグローバルに活躍したい人におすすめの資格です。USCPA資格を取得すると英語力や米国会計基準に加え、監査の知識など幅広い専門知識が身につきます。
簿記2級とともにUSCPA資格を取得すると、日本会計基準・米国会計基準の両方が理解できる人材と認められ、活躍できるフィールドが広がります。
資格取得によって専門性を高め、キャリアアップや年収アップなどを目指している人は、簿記2級とともにUSCPAの取得を検討してはいかがでしょうか。
USCPA資格を取得するには1,200~1,500時間の学習が必要で、英語の能力も問われます。 自分だけでUSCPAの学習を進めるのが大変な場合は資格スクールを利用しましょう。
国際資格の専門校であるアビタスでは、5,500人以上のUSCPA合格者を輩出しています(2022年12月末時点)。
オリジナルの日本語教材で学習できるほか、サポート期間はUSCPAの標準学習期間の3倍以上の5年間あり、多くの方に安心して学習いただいています。 教材は1ユニット約20分のスモールユニット方式TMで、スキマ時間での学習も簡単に行えます。
エージェント機能を社内に持っているため、合格後も転職やキャリアアップをサポートいたします。
日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生です。そのため、USCPA合格を狙うならアビタスの利用をぜひ検討してみてください。
アビタスでは、オンラインでUSCPAの概要や活かし方がつかめる「USCPA説明会」を行っています。
※説明会ご参加後、アンケートにご回答頂いた方全員にサンプルeラーニング、サンプル電子テキストをプレゼント!
※記事に記載の内容は2023年4月時点のものを参照しています。
最近のエントリー