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  • 2024/11/15公開
  • 2024/11/18更新

証券アナリストは意味ない資格って本当?意味ないと言われる理由は?

証券アナリストは意味ない資格って本当?意味ないと言われる理由は?

証券アナリストは意味のない資格だと言われることがありますが、本当でしょうか。

確かに、独占業務はなく活用できる職域も限られています。しかし、人によっては資格取得で得られるメリットがあります。

本記事では、「証券アナリスト資格は意味がない」と言われている理由や取得のメリット、活かせる仕事について分かりやすく解説します。

目次
証券アナリスト資格が意味ないと言われる3つの理由
証券アナリストを取得する3つのメリット
証券アナリストの難易度
証券アナリストが活かせる仕事
証券アナリストは意味のない資格ではない!様々な業界で役立つ資格

証券アナリスト資格が意味ないと言われる3つの理由

証券アナリストとは、投資や証券・分析に関する高度な専門知識を持つことを証明する仕事です。企業の財務諸表や業界の経済状況を分析し、投資判断を行うための情報を提供します。

どうして「証券アナリスト資格は意味がない」と言われることがあるのでしょうか。

ここでは、主な理由を3つ紹介します。

  • 独占業務が存在しないから
  • 活用できる職域が限られているから
  • 資格取得の難易度が高いから

独占業務が存在しないから

証券アナリストは民間資格であり、国家資格ではありません。

そのため、税理士や公認会計士のように一部の国家資格で認められている「独占業務」はありません。

つまり、証券アナリストの資格を持たない人も、資格保有者と同等の業務を行うことが可能なのです。

資格取得には時間やコストがかかります。独占業務がないということは、時間やコストをかけて資格を取得しても非取得者との大きな差別化が図れないことを意味します。そのため、「意味がない」と言われることがあるのです。

ただし、全く意味がないわけではありません。例えば、取引先に対して証券アナリストの資格を保有しているとアピールすることで、信頼が得られることもあるでしょう。

活用できる職域が限られているから

証券アナリスト資格は、主に金融業界で活用されています。

例えば、証券会社や投資銀行、資産運用会社においては幅広いシーンで活用が可能です。同じ金融業界の中でも、銀行や信託銀行の場合においては、資産運用部門や企業分析部門など一部の部門で活用できます。

金融業界以外でも、コンサルティングファームや調査会社、保険会社をはじめ、幅広い業界で証券アナリスト資格は役に立つでしょう。

しかし、活用できるのは「投資先の選択」「企業の評価」「財務戦略立案」「M&A」など、金融関係の業務に限られます。

活用できる職域や場面が限定されるため、それ以外のシーンでは意味のない資格だと捉えられることがあるようです。

資格取得の難易度が高いから

証券アナリスト試験に合格するには、専門的な知識が必要です。

有資格者として認定されるためには「実務経験3年以上」という条件があります。実務経験が不足している場合は、試験に合格しても有資格者として認定されません。

また、証券アナリスト資格は第1次レベルと第2次レベルの2段階で構成されています。資格を取得するには両方のレベルで受講・受験する必要があります。

それぞれの受講料・受験料は以下の通りです。

項目 講座受講料 受験料
第1次レベル 会員受講者:60,000円
一般受講者:66,000円
科目Ⅰ:7,000円
科目Ⅱ:3,500円
科目Ⅲ:3,500円
第2次レベル 63,000円 16,500円

第1次レベルと第2次レベル両方を受講・受験した場合、15万円以上かかることになります。

コストや条件などの面において資格取得の難易度が高い点も、証券アナリストが意味がないと言われる一因と考えられます。


参照:公益社団法人日本証券アナリスト協会「CMA資格|CMAへのステップ」

証券アナリストを取得する3つのメリット

証券アナリスト資格は意味がないと言われることもありますが、証券会社をはじめとする金融業界の特定の現場で非常に重宝されている資格でもあります。

そのため、証券や財務のプロフェッショナルとして仕事をしたい人や就職・転職を考えている人にとっては取得が有利に働くことがあります。

ここでは、証券アナリストを取得するメリットを3つ紹介します。

  • 証券・財務などの知識が得られる
  • 収入アップに役立つ
  • 就職・転職時に有利に働く



証券・財務などの知識が得られる

証券アナリスト資格の勉強をすると、財務分析スキルや企業価値の評価方法をはじめとした深い知識が身につきます。

財務諸表の読み解き方、財務状況の分析手法、マクロ経済の動向分析、株価の適正水準の算出方法、投資判断のための論理的思考など、投資や企業の評価に欠かせない知識を得たい人にとっては有意義な内容でしょう。

なお、有資格者として認定されるには「実務経験3年以上」という条件がありますが、第1次レベル講座を受講するための特定の条件はありません。

収入アップに役立つ

証券アナリストの全国の平均年収は、およそ947万円です。

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収が約458万円であり、これは一般の会社員と比較してもかなりの高水準であるといえるでしょう。

証券会社、投資銀行、資産運用会社などの金融機関では、資格保有者に対して好条件な待遇が用意されていることも少なくありません。

証券アナリスト資格を取得することで、研究開発における事業価値の査定や、金融モデルに基づいた新規事業の提案など、仕事の幅を広げることもできます。資格を活かして経験を積むことで、さらなる年収アップが期待できます。


参照:厚生労働省「職業情報提供サイトjob tag証券アナリスト 」
参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

就職・転職時に有利に働く

証券アナリストは証券会社、投資銀行、資産運用会社などの金融機関において評価を得ている資格であるため、取得することで、就職・転職時に有利に働くことがあります。

投資・金融・経済・マーケティングなどの専門知識を有していることが客観的に証明できるため、一般企業の財務部門やコンサルティング会社でも重宝されます。

また、証券アナリストを取得すると国際公認投資アナリスト(CIIA)の受験資格を得ることができます。グローバルに活躍したいと考えている人にとっても大きなメリットとなるでしょう。

証券アナリストの難易度

証券アナリストの試験は第1次レベル試験と第2次レベル試験の2段階で構成されています。第1次試験は年に2度、第2次試験は年に1度実施されます。

第1次レベル試験は以下の3科目に分かれており、主に基本知識が問われます。

Ⅰ証券分析とポートフォリオ・マネジメント

Ⅱ財務分析、コーポレート・ファイナンス

Ⅲ市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準



試験科目 内容
証券分析
ポートフォリオ・マネジメント
財務分析
コーポレート・ファイナンス
市場と経済の分析
数量分析と確率・統計
職業倫理・行為基準

第1次レベル試験の合格率を見ていきましょう。

第1次レベル試験
2024年 46.5%

2023年 46.4% 50.5%
2022年 48.6% 47.0%

第2次レベル試験では、実践的な応用力が問われます。第1次レベル試験の全学習分野を対象とした総合試験で、論述式の問題が中心となります。

第2次レベル試験の合格率を見ていきましょう。

第2次レベル試験 合格率
2024年 44.6%
2023年 46.7%
2022年 54.8%

資格取得に必要な勉強時間は200時間程度といわれています。

勉強時間だけ見ると難易度が低いと思う方もいるかもしれませんが、2024年の第2次試験合格者の70%以上が、既に金融業界で働いている人です。勉強を始める前から金融に関する知識がある受験者が多いことを考慮すると、難易度は比較的高めの試験であるといえるでしょう。


参照:公益社団法人日本証券アナリスト協会「CMA資格」

証券アナリストが活かせる仕事

証券アナリストの講座では、財務会計、証券規制、市場分析などの専門的知識が身につきます。

資格を取得することで金融に関する知識・スキルを証明することができるため、金融業界を中心に活躍しやすくなるでしょう。

資格が活かせる主な仕事として、証券会社や投資銀行、資産運用会社での株式調査やM&Aアドバイザリー、ファンドマネージャーなどがあります。

銀行や信託銀行の資産運用部門、コンサルティングファームの財務アドバイザリー、保険会社の投資部門などでも活躍の幅を広げられる資格です。加えて、一般事業会社の経理・財務部門やシンクタンク、ベンチャーキャピタルでも需要があります。

「投資関連の金融商品を顧客に提案する」「金融の知識を活かしてコンサルティング業務を行う」など、様々なケースが考えられます。理想のキャリアパスを踏まえた上で資格取得を検討してみましょう。

証券アナリストは意味のない資格ではない!様々な業界で役立つ資格

証券アナリストは意味のない資格ではありません。証券会社や投資銀行など金融業界で働くのに有利になる資格です。

金融業界では証券アナリスト資格の保有や取得に対して手当や報奨金が出されることも多く、収入アップや就職、転職に役立つケースも見られます。

ただし、資格取得による独占業務はありません。また、活用できる職域が限られています。第1次試験は誰でも受けることが可能ですが、有資格者として認定されるには「実務経験3年以上」という条件がある点にも注意が必要です。

将来のキャリアパスを踏まえた上で、資格取得を検討してみましょう。

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※記事内に記載の情報は2024年9月のものを参照しております。

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