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  • 2022/10/11公開
  • 2023/05/29更新

税理士を諦めるべきか? 挫折者の声とともに、今後のキャリアを考えよう

税理士を諦めるべきか? 挫折者の声とともに、今後のキャリアを考えよう

税理士試験に合格できず挫折する人は多く存在します。特に、会社員は学生に比べて圧倒的に時間が足りず、合格は困難な道となるのが実情です。

税理士を目指している方の中で「税理士を諦めた人はどのくらいいるのだろうか」「税理士を挫折した人の状況や理由、意見が知りたい」等を知りたい方も多いでしょう。

この記事では、税理士を挫折する理由や学習を活かせるキャリアパスについて解説します。

税理士を挫折した人のリアルな意見も掲載しているため、ぜひ参考にしてください。

目次
税理士を挫折する理由
なぜ税理士を挫折したか、どんな時に諦めたのかをアンケート調査
税理士の学習を活かせるキャリアパス
税理士の仕事をするのは諦めたくない! そんな人にはUSCPA(米国公認会計士)
税理士の挫折後のキャリアも多数|関連資格の取得も検討

税理士を挫折する理由

初めに、税理士を挫折してしまう理由について解説します。税理士を挫折する理由は大きく2つあります。

  • 合格率が低い
  • 多くの学習時間が必要

それぞれ理由を詳しくみていきましょう。

① 合格率が10~20%と低い

税理士試験には会計学に属する必修科目2つと、税法に属する選択科目9つ(うち選択するのは3種類)があります。

以下の表は、2021年度の税理士試験における科目別合格率です。

科目 受験者数 合格者数 合格率
簿記論 11,166人 1,841人 16.5%
財務諸表論 9,198人 2,196人 23.9%
所得税法 1,350人 170人 12.6%
法人税法 3,532人 453人 12.8%
相続税法 2,548人 325人 12.8%
消費税法 6,086人 726人 11.9%
酒税法 470人 59人 12.6%
国税徴収法 1,702人 234人 13.7%
住民税 378人 48人 12.7%
事業税 302人 38人 12.6%
固定資産税 941人 130人 13.8%

簿記論と財務諸表論は必修科目であり、受験者が時間をかけて学習していると予測できるため比較的高い合格率です。

しかし、税法関連の選択科目における合格率は、選択必修科目の所得税法・法人税法を含め、いずれも15%を下回っています。

合格率10〜20%の試験において計5科目の合格が必要となるため、非常にシビアな試験だといえるでしょう。

そのため、複数回受験しても合格しないことは往々にして起こり、何度目かの挑戦で挫折してしまうという人がいることは容易に想像できます。

参照:国税庁「税理士試験|令和3年度(第71回)税理士試験結果」

②4,000時間もの学習時間が必要

税理士試験の5科目合格の達成までに必要とされる学習時間は、一般的に4,000時間といわれています。必修科目はそれぞれ450~500時間、選択必修科目は600~700時間の学習時間を要します。

もちろん、どの選択科目を選んだのか、税務の予備知識や実務経験はあるのかといった条件により、必要な学習時間は大きく左右され、一概に4,000時間かかるとは限りません。

しかし、平均4,000時間という学習時間は、税理士試験がいかに難しいものであるかを示唆しています。

長い学習期間の中で、モチベーションが保てなくなったり、自身の環境が変わったりして、税理士をあきらめる人も一定いるでしょう。

関連記事:税理士ってどれくらい難しい?難易度や合格率、学習時間をUSCPAと比較

なぜ税理士を挫折したか、どんな時に諦めたのかをアンケート調査

税理士を諦めた人の傾向を探るべく「税理士の学習をしていたが、税理士資格を取っていない方に関するアンケート」を行いました。

実際に挫折してしまった人からいただいた声を参考に、税理士を諦めた理由、タイミングをみていきます。

【アンケート概要】
・調査時期:2022年9月5日~9月8日
・回答数:83件
・調査手法:インターネット調査

なぜ税理士を諦めましたか?

税理士を諦めた理由を質問した結果、回答者のうち約54%の人が「学習が難しかったから」と回答しています。「難易度に対し、自身の限界を感じた」「モチベーションを保てなかった」との声が多く見受けられました。

また、約42%の人は「学習時間の確保ができなかった」との理由で挫折しています。「本業が激務で学習に割く時間がない」と、やむを得ない理由により諦めた人も少なくありません。

科目はどれくらいまで取得しましたか?

税理士を諦めた人の最終的な科目取得数は以下の通りです。

取得した科目 割合
0科目 約46%
1科目 約23%
2科目 約22%
3科目 約4%
4科目 約2%

1科目も取れなかったために諦める人が、最も多い結果となりました。

中には「10年近く学校に通ったが、1科目も合格できなかった」との声もあり、いかに税理士がハードルの高い資格であるかが分かります。

税理士の学習は何年続けましたか?

「税理士の学習を何年継続したか」との質問において、最も多かった回答は「1〜2年未満」であり、約54%を占めています。次いで、「2〜3年未満」が約22%、「3〜5年未満」が約17%となりました。

税理士の学習には膨大な時間とお金を必要とするため、早々に見限って別の職業や資格を目指す人が多いようです。

何歳で税理士を目指すことを諦めましたか?

「税理士を挫折した年齢」の質問に対する回答では、21〜30歳未満が48%と最多で、31~40歳未満は34%となっています。

税理士を諦める人の大半が40歳までに決断している形になります。

税理士の学習を活かせるキャリアパス

税理士試験に合格できず税理士を諦めたとしても、その学習過程で様々な知識が習得できるため、今後のキャリアパスに活かせます。

税理士の学習が具体的にどのようなキャリアパスで活かせるのか解説していきます。

会計事務所・税理士事務所

会計事務所や税理士事務所では、即戦力となる中途採用をメインに行っているところも多くあります。 そのため、事務所によっては税理士試験の1科目のみの合格でも優遇される場合があります。

働きながらの資格取得を後押ししてくれるような職場も存在するため、キャリアアップを目指せるでしょう。

仕事を通して知識を蓄えていけば、一度挫折した後でも再び資格取得のモチベーションが生まれる可能性があります。

一般企業の経理

簿記論と財務諸表論の2科目に合格していれば、会計の知識を備えていると評価され、即戦力と見なされやすい傾向にあります。

一般的に30~40代では転職のハードルが高くなるものの、会計知識があるとスムーズに仕事ができると認識されるため、経理職への採用確率が上がります。 特に、会計事務所において企業決算や税務申告等を経験している人は有利でしょう。

資格学校の講師

簿記の講座がある資格学校や通信教育、税理士試験の予備校などの講師として、活躍できる可能性もあります。

自身が悩みつつ頑張ってきたからこそ、受験生の気持ちに寄り添い教えられることがあるでしょう。

税理士の資格取得に挫折した人を募集し採用している学校も存在するため、学んだ知識を活かせる職場が見つかる可能性もあります。

教えるのが得意な人は、講師の道を目指すのも1つの手です。

経営コンサルタント

コンサルタントは、個人または法人で企業経営に関するコンサルティングを行う仕事です。契約企業の経営状況を分析し、適宜ヒアリングを行いつつ経営戦略をまとめていきます。

税理士を目指していたことで、財務状況も含めた全般的な観点から、経営者のニーズに合った経営アドバイスをすることが可能です。

コンサルタントを目指す場合は、税の知識やITスキルに加え、コミュニケーション力も求められます。

税理士の仕事をするのは諦めたくない! そんな人にはUSCPA(米国公認会計士)

税理士の資格取得には挫折したものの「どうしても税理士のような仕事に就きたい」と考えている人は、USCPA(米国公認会計士)の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

USCPAの概要、資格取得のメリット、進めるキャリアについて解説します。

USCPAとは

USCPAは「U.S. Certified Public Accountant」の略称で、米国公認会計士のことです。アメリカ各州により認定される公認会計士資格ですが、日本でも受験でき、資格を取得できます。

試験は4科目あり、それぞれの試験時間は4時間となります。

  • FAR(Financial Accounting & Reporting) 財務会計
  • REG(Regulation) 諸法規
  • AUD(Auditing & Attestation) 監査及び証明業務
  • BEC(Business Environment & Concepts)ビジネス 環境及び諸概念

米国税理士(Enrolled Agent:EA)に進む道もあるものの、資格取得後に行うことができる業務が多いUSCPAがおすすめです。USCPAを取得すれば、外資系企業や海外事業部門のある企業での活躍が期待できるでしょう。

関連記事:USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説

USCPAを得るメリット

USCPAを取得するメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  • グローバルなキャリアを築ける
  • 監査法人やコンサルティングファームへのキャリアアップにつながる
  • 学習時間が税理士より少ない

必要とされる学習時間が税理士より少ないにもかかわらず、ビジネス英語と会計の2種類を同時に学べる点は大きな強み といえます。

USCPAを取得することでどんなキャリアに進めるか

USCPAの取得により、会計のスキルを活かした様々なキャリアを歩むことができます。以下の6つは、USCPA取得者がよく選ぶといわれているキャリアです。

  • 監査法人
  • 会計事務所
  • コンサルティング会社
  • 金融
  • 保険
  • 不動産

近年では会計士不足問題が浮上しているため、監査法人では特にUSCPA取得者のような専門知識を持った方を募集しています 。

補助的な業務とはなりますが、外資系企業の監査業務を任される場合が多く、学んだスキルを確実に活かせるでしょう。

税理士の挫折後のキャリアも多数|関連資格の取得も検討

税理士試験に挫折したとしても、学習中に得た知識やスキルを活用できるキャリアは多数存在します。また、会計業務に就ける職業もあります。

そのまま会計事務員や一般経理職を目指すのも1つの選択肢です。しかし、将来的なキャリアアップを考え、USCPA資格の取得も視野に入れるとよいでしょう。

監査法人やコンサルティング会社等の中には、USCPA取得者を積極的に採用している企業も存在します。

USCPA(米国公認会計士)合格を目指すならアビタスで!

国際資格の専門校であるアビタスでは、5,000人以上のUSCPA合格者を輩出しています。

オリジナルの日本語教材で学習できるほか、サポート期間はUSCPAの標準学習期間の3倍以上の5年間あり、多くの方に安心して学んでいただいています。通学またはeラーニングをフレキシブルに選択でき、スキマ時間での学習も簡単に行えます。

合格後もエージェント機能を社内に持っているため、転職やキャリアアップをサポートしてくれます。 USCPA取得を目指すなら、日本のUSCPA合格者の3人に2人が利用しているアビタスをぜひご検討ください。

アビタスでは、オンラインでUSCPAの概要や活かし方がつかめる「USCPA説明会」を行っています。USCPAに興味がある方は、まずは無料説明会にお申し込みください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

※記事に記載の内容は2022年10月時点のものを参照しています。

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