本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

AbitusUSCPA合格者数7,135名
(2025年2月末時点)

03-3299-3330
  • 2022/10/11公開
  • 2023/05/29更新

簿記1級は独学できるのか? 受験者・合格者の声と心得を紹介

簿記1級は独学できるのか? 受験者・合格者の声と心得を紹介

簿記1級の資格取得にあたり、「独学にするか、スクールに行くか、どちらがいいのか」「独学で合格可能かどうか知りたい」と悩んでいる人はいるのではないでしょうか。

本記事では、簿記1級が独学で合格可能かどうか、実際の受験者や合格者の声をもとに解説します。

独学で合格するかどうかの判断基準についても紹介しますので、これから簿記1級の学習を始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

目次
簿記1級獲得を独学で行うのが厳しい3つの理由
簿記1級に独学で挑戦した実際の受験者・合格者にアンケート調査
簿記1級を独学で行うかの判断基準
簿記1級を独学で挑む上でのコツと心得
簿記1級の独学を決意する前に見ておきたい他の資格
簿記1級以外の選択肢も考えてみよう

簿記1級獲得を独学で行うのが厳しい3つの理由

簿記1級は合格率が10%前後と、難易度の高い資格として知られています。

独学での資格取得に取り組んでみたものの困難と感じた人も少なくないでしょう。

主な理由を3つ見ていきましょう。

理由1:1級から出題範囲が大幅に広くなる

簿記3級は商業簿記、簿記2級は商業簿記と工業簿記が出題範囲です。

簿記1級は商業簿記・工業簿記に加え、会計学・原価計算が追加され、出題範囲が大幅に広がります。

独学の場合、重要な分野がどこか把握できず、どの分野にどれくらい時間をかけるべきかわからないと悩むことも少なくありません。

1級の出題範囲全てを満遍なく学習するには多くの時間が必要です。その点、スクールなどを利用すると、よく出題される分野に重点を置いて解説されるため、効率の良い学習が可能となります。

参照:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「工業簿記・原価計算の出題区分表」

理由2:合格基準がシビアになる

簿記2級までの合格基準は全体の70%以上です。しかし、簿記1級はそれに加えて、1科目ごと40%以上の得点が必須となっています。

簿記1級は4科目あり、それぞれ25点ずつの配点となります。

そのため、全ての科目で10点以上取らなければ合格できません。合格基準が付け加えられたことにより、2級までと比較して、1級は合格基準が厳しくなっています。

参照:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験|簿記1級│試験科目・注意事項」

理由3:自身に適した教材・学習スタイルを見つけるのが大変

簿記1級に関するテキストは様々な出版社から販売されています。さらに、無料の学習サイトや動画、アプリなども存在します。

どれを選べばいいか分からず、購入するまでに時間がかかる人は少なくありません。また、自分にはどんな教材を使った学習スタイルが合っているのか、分からないという人もいるでしょう。

テキストで学習すると決めた場合でも、参考書・過去問題集・予想問題集など多くの種類があり、どこから手を付けたらよいのか戸惑うこともあるでしょう。

簿記1級の取得には、一般的に500~1,000時間の学習時間が必要といわれています。

学習スタイルや教材を決めるまでに、余計な時間がかかる可能性があることは、独学が厳しくなる要因の一つといえるでしょう。

簿記1級に独学で挑戦した実際の受験者・合格者にアンケート調査

実際に、簿記1級に独学で挑戦した受験者や合格者に対して独自アンケートを実施しました。

【アンケート概要】
調査時期:2022年8月26日~8月31日
回答数:74件
調査手法:インターネット調査

なぜ独学を選択したか

独学を選択した理由は次の通りです(複数回答可)。

独学の理由 割合
費用を抑えたかった 78%
資格スクールの時間調整が難しかった 31%
資格スクールの必要性を感じなかった 14%
資格スクール探しが面倒だった 7%
その他 4%

最も多い78%の人が理由として挙げたのが「費用を抑えたかった」からです。次いで「資格スクールの時間調整が難しかった」人が31%でした。

独学の一番のメリットは費用の削減といえるでしょう。

ただし、先述したように学習方法が分からない場合は、費用は抑えられても時間がかかってしまう、ということもあります。

特に、短期間で簿記1級を取得したい人が独学を選択する場合は、資格スクール等を活用する場合より時間がかかる可能性があることは留意しておきましょう。

何と比較検討して独学を選んだか

独学と比較したものの回答は、次の通りです。

独学と比較した手段 割合
資格スクール(オフライン) 28%
オンライン講座(Webサービス・アプリ) 24%
通信講座 23%
その他 25%

「その他」の中には特に比較検討しなかった人も含まれています。

資格スクールと独学を比較検討した人の中には、「資格スクールの時間が合わなかったので独学を選択した」という人もいます。

資格スクールの講義時間がネックになる場合は、オンライン講座や通信講座も選択肢として検討するとよいでしょう。

何を使って学習したか

独学の人が利用した教材等は次の通りです(複数回答)。

利用した教材 割合
テキスト 78%
YouTube 38%
無料のWebサイト 27%
アプリ 11%

78%の人がテキストを利用して学習しています。次いで38%の人がYouTubeを利用しています。テキストとYouTubeを併用している人も少なくありません。

今回のアンケート対象者の中には、無料のWebサイトだけを利用したという人はいませんでした。テキストやYouTubeの併用として、無料のWebサイトを利用しています。

アウトプット・インプット、どちらを優先したか

独学をした人が、テキストの読み込みや動画の視聴などのインプット、問題演習などのアウトプット、どちらを優先したか確認してみましょう。

重視した学習方法 割合
アウトプット 68%
インプット 32%

68%の人がアウトプットを中心に学習していることが分かります。独学の場合、テキストを読むだけではどこが重要な場所か分かりづらい場合があります。

そのため、ある程度インプットした後は問題演習に重きを置き、分からないところが出てきたらテキストなどに戻ってインプットを再度行う、という学習方法を行っている人が多いと考えられます。

簿記1級を独学で行うかの判断基準

自分が簿記1級の独学に向いているかそうでないのか、分からない人も多いでしょう。独学するかどうか迷った場合の判断基準を4つ見ていきます。

毎日まとまった学習時間を確保できるか

一般的に簿記1級の取得には500~1,000時間の学習時間が必要といわれています。

そのため、毎日まとまった学習時間を確保できるかどうかが重要です。

例えば、500時間で合格する場合、1日2時間の学習時間を確保できた場合でも8カ月以上必要となります。

これだけの長期間、毎日学習時間を確保し続けられるかどうか、検討してみましょう。

簿記2級までの知識を完璧に習得しているか

簿記1級の問題は簿記2級までの知識をベースとしているので、簿記2級までの知識を完璧に習得できているか確認する必要があります。

簿記1級に独学で合格するには、簿記2級の内容をある程度理解しているかが一つの判断ポイントになります。

また簿記1級は出題範囲が広いため、本番で問題を解く時間を短く感じる人は少なくありません。そのため、短時間で正確に問題を解く力が求められます。

簿記2級までの知識が完璧に身についていないと、時間内に解答するのは困難です。

モチベーションを保っていられるか

先述したように、1日2時間学習して累計500時間で簿記1級に合格した場合、8カ月以上の学習期間が必要となります。そのため、長期間モチベーションを保ち続けなければなりません。

相談できる人や同じ目標を目指す人が身近にいないとモチベーションが保てない人は、独学には向いていないといえるでしょう。

簿記1級を取得したいという気持ちが強いか、その先の目的・未来像が明確にイメージできていているかどうか、などからモチベーションが保てそうか判断しましょう。

自分で疑問点を解決できるか

独学の場合、必ず途中で不明点が出てきます。その不明点を、ネットで調べたり考えたりして、きちんと解決できるかどうかは学習する上で鍵となります。

また、簿記1級の問題文は専門用語が数多く使われているため、問題文の理解が難しいと感じる人もいるでしょう。これらの文章が自力で理解できるかどうか、確認しておきましょう。

簿記1級を独学で挑む上でのコツと心得

ここまで見てきたように、簿記1級に独学で挑む場合のハードルは高めですが、絶対に無理というわけではありません。

ここでは、独学で挑む上でのコツや心得について解説します。

問題を繰り返し解く

テキストを読むだけでは知識の定着は困難です。独学の場合、知識の定着や弱点の発見のために問題を解くなどのアウトプットが欠かせません。

また、問題を多く解くことで、出題されやすい分野や優先度の高い論点が見えてきます。

様々な問題を繰り返し解き、決められた時間で正解までたどり着けるよう訓練しましょう。

苦手科目をなくす

簿記1級は、次の4科目の出題があります。

  • 商業簿記
  • 工業簿記
  • 会計学
  • 原価計算

合格の条件として、全ての科目で40%以上を得点しなければなりません。そのため、それぞれ25点満点中10点以上の得点が求められます。

1つでも苦手科目があると合格できないため、注意が必要です。

苦手分野を作らないように、出題の全範囲を網羅し満遍なく学習を進めるよう、意識して取り組みましょう。

科目ごとの学習法を確立する

科目ごとに、問題の出題形式は異なります。人によって得意分野・苦手分野も異なるでしょう。

苦手科目もあるなかで、科目ごとの学習法を確立していくことが重要です。

過去問題集や予想問題集を使い、苦手分野を見つけ積極的に取り組むのがおすすめしです。科目ごとに必要な学習方法は異なるため、それぞれの学習法を確立しておきましょう。

暗記だけに頼らない

簿記2級までの場合、仕訳方法などを暗記して乗り切った人も中にはいるかも知れません。しかし、簿記1級では「なぜこの仕訳をするのか」といった、より深い理解が求められます。

そのため、解答パターンを暗記するだけでは資格取得は困難です。さらに、出題範囲が広いため、全てを暗記するのは難しいといえるでしょう。

暗記に頼らず、理解を深めることを目標として学習に取り組んでいきましょう。

時期に合ったスケジュールを立てる

本番の試験の日を見据えて、時期に合ったスケジュールを立てて学習を計画的に進めていきましょう。

まずはテキストに出ている基本的な例題を自分の力で解けるよう、学習を進めます。

試験本番の2カ月程度前からは過去問題の演習を行いましょう。出題の傾向や出題パターンが見えてきます。

本番2週間前からは予想問題集に取り組むとよいでしょう。最新の試験傾向を踏まえているため、効率よく学習できます。

簿記1級の独学を決意する前に見ておきたい他の資格

簿記1級は出題範囲が広く、難易度の高い資格試験の1つです。そのため、独学での取り組みは難易度が高いといえるでしょう。

金融・会計関係の資格で役立つのは簿記だけではありません。ここからは、簿記1級と併せて検討したい他の資格について見ていきましょう。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

2級ファイナンシャル・プランニング技能士は、金融・税制・不動産・年金などの幅広い知識を身につけ、アドバイスできるお金の専門家です。

簿記2級の資格取得者は会社の経理についての詳しい知識を身につけています。

この上に、FPとして個人の資産運用の知識を身につけることで、お金に対する幅広い知識を得ることができます。

低金利が続き人生100年時代といわれる今、資産について不安を覚えている人は少なくありません。

そのような人々のアドバイザーとなりたい場合、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士の必要な学習時間は150~300時間といわれており、簿記1級の500〜1,000時間と比較した場合、かなり短時間で取得できる資格です。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士の2022年5月の合格率は、学科試験49.20%、実技試験62.11%です。約10%の合格率である簿記1級と比較すると、高い合格率となっています。

参照:日本FP協会「FP技能士|FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
参照:日本FP協会「FPについて|FP資格について」

USCPA(米国公認会計士)

USCPA(米国公認会計士)は、アメリカの各州が認定する公認会計士資格です。

日本でも受験することが可能なため、外資系をはじめとしてグローバルな場で働くことを検討している人に選ばれています。

簿記1級の評価は国内に限定されますが、USCPAを取得すれば日本国外でも通用します。外資系や海外の監査法人等で働きたい人に適した資格です。

USCPAの合格率は2020年時点で57.7%、日本在住者は2019年時点で41.2%の合格率です。約10%の合格率である簿記1級と比較した場合、高い合格率となっています。

関連記事:USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説

関連記事:USCPA(米国公認会計士)の前に簿記は必要?求められる会計知識とは

簿記1級以外の選択肢も考えてみよう

簿記2級を取得後に、1級の取得を検討する人は少なくありません。しかし、簿記1級は出題範囲が広く、難易度の高い資格です。

一般的には必要な学習時間は500~1,000時間といわれています。そのため、独学で取得するには高いモチベーションや、徹底した時間管理が欠かせません。

簿記1級は価値のある資格ですが、独学を始める前に、簿記1級が本当に自分に必要な資格かどうか、再度検討してみましょう。簿記以外にも、会計に携わる資格には2級ファイナンシャル・プランニング技能士やUSCPAなどがあります。

幅広い知識を身につけたい人や、グローバルに活躍したい人は、この機会に簿記1級以外の資格に目を向けてみてもよいでしょう。

USCPA(米国公認会計士)合格を目指すならアビタスで!

USCPA(米国公認会計士)を取得するには1,200〜1,500時間の学習が必要です。これは資格専門校を利用した場合の時間です。英語の能力も問われます。

簿記1級同様、独学でUSCPA(米国公認会計士)資格を取得するには多くの時間がかかり大変困難です。

USCPA専門校アビタスなら、会計知識がなくても英文会計入門などを日本語のオリジナル教材で学ぶことができます。

USCPA取得を目指すなら、日本のUSCPA合格者の3人に2人が利用しているアビタスをぜひご検討ください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

※記事に記載の内容は2022年10月時点のものを参照しています。

合わせてお読みください

最近のエントリー

カテゴリから探す