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  • 2023/01/17公開
  • 2023/05/29更新

国際会計士とは? 海外で公認会計士として働くために取るべき資格

国際会計士とは? 海外で公認会計士として働くために取るべき資格

国際会計士に明確な定義はありませんが、海外で会計士として働くビジネスパーソンを国際会計士と呼ぶことがあります。

国際会計士になるための資格として、USCPAやACCAなどを耳にしますが、国際会計士とはどのような職業なのでしょうか。

この記事では、国際会計士とはそもそも何か、また、国際会計士として働くために必要な資格について解説します。

目次
国際会計士とは
日本と海外の会計士の比較
国際会計士になるには
国際会計士の就職先
目標や就職先に合わせてどの国際会計士資格を取得するか検討しよう

国際会計士とは

改めてになりますが、そもそも国際会計士とは造語であり、明確な定義はありません。

日本においては、日本の国家資格に基づいて業務を行う日本の公認会計士と区別して、海外の会計士資格を有する人を「国際会計士」と呼ぶことが多いようです。中には、日本の会計士と海外の会計士資格の両方を所持しているダブルライセンスの人もいます。

海外の会計士資格において日本でも人気が高いのは「USCPA(米国公認会計士)」や「ACCA(英国勅許公認会計士)」などがあります。

日本と海外の会計士の比較

日本と海外での会計士の主な違いは以下の通りです。

項目 日本の公認会計士 海外の公認会計士
会計士として業務ができるフィールド 日本国内のみ 自国、またはその国以外でも活用できる(相互承認協定のある国)
仕事内容 監査、税務、コンサルティング、組織内会計 監査・会計系業務、税務申告、コンサルティング
平均年収 約624万円

アメリカ:500万円程度

イギリス:600~700万円程度

オーストラリア:500万円程度

中国:300万〜400万円程度 ※

※各国の平均年収はあくまで参考値です。

日本と海外の会計士は、働くフィールドの違いだけでなく、仕事内容や年収面においても違いがあります。

日本の公認会計士

日本の公認会計士は、日本国内における財務情報の信頼性を保証する監査・会計のスペシャリストです。

日本の公認会計士にしかできない独占業務に「監査業務」がありますが、日本の公認会計士資格では海外で会計士としての登録はできません。

日本の公認会計士の仕事内容と年収を詳しく見ていきましょう。

仕事内容

公認会計士の主な仕事内容は、独占業務である「監査」のほか、「税務」「コンサルティング」「組織内会計」などです。

独占業務である監査では、経営に関する専門的知識と豊かな経験を活かして、企業が作成した財務諸表の監査を行い、独立した立場から情報の信頼性を保証します。

また、税務(税理士登録が必要)、コンサルティング、組織内会計に関する業務により、健全な経済社会の維持と発展に寄与します。

仕事 内容
監査

独立した第三者として企業等の財務情報について監査を行い、財務情報の適正性を利害関係者に対して保証する。

監査業務には「法定監査」と「法定監査以外の監査」がある。

税務

公認会計士は税理士登録により、税務業務を行うことができる。

税務代理・各種税務書類の作成・企業再編に伴う税務処理および財務調査・移転価格税制、タックスヘイブン税制についての相談・助言・海外現地法人、合弁会社設立を含む国際税務支援・その他税務相談・助言の助言を行う。

コンサルティング 経営戦略の立案から組織再編やシステムコンサルティング等の経営全般にわたる相談・助言を行う。
組織内会計 一般企業の経理業務、財務業務、IR業務、プロジェクト業務を行う。

年収

厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」から公認会計士の平均年収を見ていきましょう。

企業規模計(10人以上)の公認会計士の平均年収は、およそ624万円になります。

ただし、この調査結果には公認会計士だけでなく税理士も含まれているため、公認会計士単体の平均年収の場合は、多少異なることが予想されます。

参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

海外の公認会計士

海外においてもそれぞれの国ごとに公認会計士の資格があり、アメリカはUSCPA(米国公認会計士)、イギリスはACCA(英国勅許公認会計士)など、さまざまなものがあります。

日本の公認会計士のように自国のみで有効な公認会計士資格もあれば、USCPAやACCAのようにその国以外でも活用できる(相互承認協定)資格もあります。

例えば日本で取得できる資格であるUSCPAでは、相互承認協定(MRA)の下、米国以外にオーストラリアや南アフリカ、カナダなどの国において、公認会計士として働くことが可能です。

海外の公認会計士の仕事内容と年収を詳しく見ていきましょう。

関連記事:USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説

仕事内容

海外の会計士は、日本と同様に監査・会計業務を行います。

例えば、USCPAの主な仕事内容は、グローバルな会計系業務、アメリカの法律に基づいた税務申告、英文財務諸表を利用する業務、会計・経営に関するコンサルティングなどです。

国際会計等日本会計基準と異なる会計の知識や英語力が必要となります。また海外では公認会計士が税務の業務を担うケースも多いといわれます。

ただし、USCPAには、日本の公認会計士のような日本での独占業務権限はありません。

年収

海外の会計士の国別平均年収は一般的には以下の通りです。

  • アメリカ:500万円程度
  • イギリス:600~700万円程度
  • オーストラリア:500万円程度
  • 中国:300万〜400万円程度

※各国の平均年収はあくまで参考値です。

アメリカの公認会計士の年収は約500万円程度といわれますが、日本で活躍するUSCPA取得者は、Big4や中堅クラスの監査法人、コンサルティング企業、一般企業など、就職・転職先によっても異なります。

監査法人系の企業のシニアスタッフクラスになると、1,000万円以上の年収を手にするケースも少なくありません。 USCPA取得者の年収について気になる方は下記の記事をお読みください。

関連記事:USCPA(米国公認会計士)の費用対効果は高い?コスパはいかに

国際会計士になるには

国際会計士になるためにはどうすればよいのか、具体的に見ていきましょう。

国際会計士に必要な資格や検定を解説します。

BATICは必要?

「BATIC(国際会計検定)はグローバルなビジネスシーンで活躍するための英語力と、国際的な会計スキルを測るための検定試験です。グローバル化に伴い社内教育に採用する会社もありました。

しかし、2022年11月をもって検定が終了したため、現在は受けることができなくなっています。そのため、今後グローバルで会計士として働きたいと考えた場合、続く章で解説するUSCPAやACCAの取得を検討するとよいでしょう。

海外で会計士として働くことができる資格

海外で会計士として働くためには、当該国の会計士資格の取得をまず検討するとよいでしょう。

また、USCPAのように相互承認協定が結ばれている会計士資格であれば、自国だけでなく協定国でも会計士として働くことができます。

海外で会計士として働くための会計資格として比較されやすい、USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)の2つを詳しく見ていきましょう。

国際会計資格|USCPA(米国公認会計士)

USCPA(米国公認会計士)はアメリカの公認会計士で、アメリカ以外の国や地域で活躍できる国際公認会計資格です。

世界では財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)、アメリカでは米国会計基準(US-GAAP)に基づいて作成されており、日本基準(J-GAAP)の会計方針で作られた財務諸表とは異なります。

そしてUSCPA取得者は、相互承認協定を結んでいるカナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、スコットランド、南アフリカでも公認会計士の業務ができます。(※記事公開日時点の情報です。)

全米州政府会計委員会が発表した統計によると、日本でのUSCPA資格試験の受験者数は堅調な推移を示しています。

2016年から2017年の統一CPA試験を受験した日本人は、前年同期比2.5%増の2,041人に達し、アメリカ以外の調査対象104カ国の中で最多です。

関連記事:USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説

またUSCPA資格取得の難易度は高すぎないのも注目される理由の一つです。

参照:JCN NEWS WIRE「日本における米国公認会計士(U.S. CPA)資格の受験者数が引き続き増加」

国際会計資格|ACCA(英国勅許公認会計士)

ACCA(英国勅許公認会計士)はイギリスの公認会計士資格で、国際財務報告基準(IFRS)に準拠した国際資格です。

ACCAは、UAE、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、香港、マレーシア、スリランカと相互承認協定を結んでいます。

ACCAの日本での知名度はまだ低く、国内ではUSCPAほどは普及していません。

参照:ACCA Think Ahead「Member recognition agreements for ACCA members」

国際会計士の就職先

国際会計士の主な就職先は「監査法人」「税理士法人」「コンサルティング会社」「企業の経理財務・内部監査・経営企画」が主です。

それぞれの就職先の特徴を見ていきましょう。

監査法人

監査法人のアシュアランス(保証)部門では、会計監査業務が主です。

米国会計基準であるUS-GAAPや、国際財務報告基準であるIFRSなどを適用している会社の監査を行います。

国際会計士の場合には、多言語でコミュニケーションを求められることもあります。

また、監査法人のアドバイザリー(コンサルティング)部門では、企業価値評価、リスク管理、内部統制などの業務に携わります。

税理士法人

税理士法人では、国際税務の部門や移転価格アドバイザリー部門で国際会計士の資格は高く評価されています。

日本の大手税理士法人内の米国税務を行うチームや、クロスボーダー案件を扱う中堅税理士法人などで働いているケースもあります。

コンサルティング会社

大手・中小規模のコンサルティング会社からのニーズがあり、特に全科目合格のUSCPA取得者は、海外とのやりとりが必要な事業再生などで特に需要が高くなっています。

ただし、就職にはUSCPA資格取得だけでなく、経理や財務、監査の経験が必要な場合が多い業界でもあります。

企業の経理財務・内部監査・経営企画

外資系企業や、海外展開している日系企業などの経理財務・内部監査・経営企画もニーズの高い就職先です。

採用には、経験を重視する部門ではありますが、国際会計士の資格を取得することで内定をもらいやすくなる可能性があります。

目標や就職先に合わせてどの国際会計士資格を取得するか検討しよう

国際会計士とは何か、また海外で公認会計士として働くために取るべき資格について解説しました。

国際会計士には厳密な定義はありませんが、一般的にUSCPAやACCAなど、国際財務報告基準に基づいた会計業務を行う公認会計士のことを指します。

日本の公認会計士のような日本国内における独占業務はありませんが、監査法人やコンサルティング会社など、グローバルな就職・転職の道が開かれます。

どの国の公認会計士の資格を選ぶかは、「働きたい国や会社の税法」に合わせて判断することが大切です。

USCPA(米国公認会計士)を目指すなら

USCPAの資格取得には1,200〜1,500時間の学習が必要です。自分一人でUSCPAの学習をするのが大変な場合は、資格スクールの利用を検討しましょう。

国際資格の専門校であるアビタスでは、5,500人以上のUSCPA合格者を輩出しています。日本在住合格者の3人に2人はアビタス卒業生です。 オリジナルの日本語教材で学習できるだけでなく、サポート期間がUSCPAの標準学習期間の3倍以上の5年間あるため、多くの方に安心して学習いただいています。

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※記事に記載の内容は2023年1月時点のものを参照しています。

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