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  • 2024/12/19公開

内部不正とは?情報漏えいの3事例や不正対策の方法、役立つ資格を紹介

内部不正とは?情報漏えいの3事例や不正対策の方法、役立つ資格を紹介

内部不正とは、組織の従業員や関係者が行う不正行為です。

機密情報の無断持ち出しやデータの改ざん、権限のない情報への不正アクセスなど悪意のあるものだけでなく、うっかりミスなども該当します。

内部不正が発生すると、企業の信頼は失墜します。場合によっては、売上低下や倒産など大きな悪影響を与えるケースもあるため、内部不正対策は欠かせません。

本記事では内部不正が起こる原因や対策、内部不正防止に役立つ資格について解説します。

目次
内部不正とは
内部不正となる情報漏えいの3事例
内部不正が起こる原因
内部不正対策に有効な5つのポイント
不正リスクを未然に防ぐ体制構築にはCFEの存在も重要
内部不正を未然に防ぐ組織運営を目指そう

内部不正とは

内部不正とは、従業員や役員など組織の関係者が行う不正行為です。

情報漏えいやデータ改ざんなど悪意のある行為に加え、誤操作や誤送信といったヒューマンエラーによる意図しないミスも含まれます。

具体的には、機密情報や情報資産の外部持ち出し、情報の盗用、情報の消去や破壊、金銭の横領、置き忘れによるデータ流出などが挙げられます。

内部不正は組織に多大なリスクをもたらし、信頼性低下や法的な問題に発展する可能性があります。

企業の業績やブランドイメージに深刻な打撃を与え、場合によっては顧客離れや倒産など深刻な事態につながるため、適切な対策が欠かせません。

内部関係者の範囲

内部不正対策を適切に行うためには、内部関係者の人的管理の強化が必要です。

内部関係者の範囲は幅広く、現職の従業員だけではありません。業務委託先・取引先・外注先の担当者、さらには企業の退職者も含まれます。

IPAが2020年に実施した調査によると、営業秘密の漏えい経路のうち、36.3%が中途退職者によるものと判明しました。また、委託先社員による情報漏えい事件も過去に何度も発生しています。

そのため、現場の役員や従業員だけでなく、退職者や外注先に対しても十分な不正対策が求められます。

関連記事:アビタス CFE「組織における内部不正防止ガイドラインとは?第5版の改訂ポイントを解説」

参照:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「組織における内部不正防止ガイドライン」

内部不正となる情報漏えいの3事例

内部不正の内容は多岐にわたりますが、特に多いのは情報漏えいです。

情報漏えいが発生すると、顧客や取引先の信頼を損ね、場合によっては企業の存続に深刻な影響を与えるリスクが生じます。事例を知ることで、内部不正対策に役立てましょう。

ここでは、国内で実際に起きた内部不正の事例を3つ見ていきます。

大手通信会社の個人情報流出(2023年)

2023年、大手通信会社の子会社が、顧客の個人情報約900万件が外部に流出したと発表しました。

流出の原因は、元派遣社員が約10年間にわたり不正にデータを持ち出したことにあります。

流出した情報には住所、氏名、電話番号のほか、クレジットカード情報も含まれており、一部は名簿業者に渡った可能性も指摘されています。

不正発覚後、同社は委託先管理の強化や情報セキュリティ体制の見直しを行いました。再発防止に向けてアクセス権限の見直しや不正アクセスの監視体制強化、外部記録媒体の使用制限などの対策に力を入れています。

パスポートセンターでの個人情報の持ち出し(2023年)

2023年、パスポートセンターで委託業者の従業員が1,900人を超える申請者の個人情報を不正に持ち出していたことが明らかになりました。

窓口業務を担当していた従業員が、付箋へのメモや資料のコピー、申請者とのやりとりの録音などの方法で個人情報を不正に持ち出しています。

不正発覚後、パスポートセンターは委託業者に対し、個人情報の取り扱いや業務管理を徹底するよう求めています。また、再発防止策として、情報管理のさらなる強化に取り組んでいます。

通信教育企業の個人情報流出(2014年)

2014年、ある通信教育企業が約2,900万人分の顧客個人情報を外部に流出させ、大規模な情報漏えい事件として大きな注目を集めました。

委託先のシステムエンジニアが業務で得たアクセス権を悪用し、顧客情報を不正に持ち出したのが流出要因です。

不正発覚後、当該企業だけでなく通信教育業界全体のイメージが低下し、社会的信頼を損ないました。再発防止策としてセキュリティ教育の強化や外部専門家による監査、アクセス管理の見直しを実施しています。

内部不正が起こる原因

内部不正の主な原因は、大きく3つに分類できます。

  • 不正のトライアングル
  • 人為的なミス
  • 委託先・関連会社が行うセキュリティ対策の把握不足

内部不正の原因を把握することで、具体的な防止策が明確になり、社員教育やマニュアル作成の際にも役立ちます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

不正のトライアングル

不正のトライアングルとは、個人が不正行為に手を染める際の心理的要因を以下の3つの観点からモデル化したものです。

項目
機会 ● 監視が甘い
● アクセス権限が適切でない
● チェック体制が不十分 など
動機 ● 経済的困窮
● 目標達成のプレッシャー
● 人間関係のストレス など
正当化 ● 「企業の利益になるから構わない」という考え方
● 「他のひともやっているから問題ない」という意識 など

「機会」「動機」「正当化」の3要素が全てそろうと、不正の発生率が高まります。

内部不正を防ぐには「機会」や「動機」など、企業側で対策を講じられる部分から積極的に取り組み、リスクを最小限に抑えることが重要です。

関連記事:アビタス CFE「不正のトライアングルとは?基本理論や事例、防止策について解説」

人為的なミス

悪意のある行為だけでなく、誤操作や置き忘れに起因した情報漏えいなどの人為的なミスも内部不正に含まれます。故意か過失か不明な場合もあるでしょう。

人為的ミスや過失による内部不正を防ぐには、ミスが起きにくいルールづくりや環境整備が欠かせません。

さらに、従業員の疲労やストレスの蓄積はヒューマンエラーの発生率を高めるため、注意しましょう。長時間労働を避け、定期的なストレスチェックやメンタルケアに取り組むことも重要です。

委託先・関連会社が行うセキュリティ対策の把握不足

社内や子会社のセキュリティ対策を万全にしている企業でも、委託先や関連会社のセキュリティ対策については把握できていないケースが少なくありません。

実際に大企業の情報漏えいの多くに、外部の委託企業や関連企業が絡んでいることが多く見られます。

事業に関わる企業が増えるほど、内部不正リスクも高まります。委託先や関連会社のセキュリティリスクを減らすためには、それぞれのセキュリティ対策を把握して不足のある箇所を指摘することが重要です。

内部不正対策に有効な5つのポイント

内部不正は、企業の信頼と存続に大きな影響を与えるため、万全の対策が必要です。

内部不正対策には次の5つのポイントが効果的です。

  • 重要情報管理の徹底
  • アクセス権限管理の徹底
  • 情報の持ち出しの防止
  • ルール策定と従業員の教育
  • 職場環境の整備

ポイントを押さえて適切な対策を取ることで、リスクを最小限に抑えられます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

重要情報管理の徹底

内部不正対策には、重要な情報を管理する体制の確立が欠かせません。

まず、顧客情報や機密情報をはじめとした各情報の重要度を明確に定義し、保管場所を定めます。

次に、責任者や管理者を任命し、利用者のアクセス管理を行うなど、徹底した管理体制を整えることが重要です。

また、重要な情報を含むPCやデバイスについては、社外への持ち出しを制限することで、情報漏えいリスクを大幅に減少できます。

アクセス権限管理の徹底

従業員には適切なアクセス権限を付与し、定期的に利用状況を確認するなどの管理も必要です。業務に応じて、必要な情報にのみアクセスできる体制を整えることが重要でしょう。

IDやパスワードは個別に発行し、他人に知らせないよう徹底します。万が一、不正行為が発生した際に追跡が難しくなるため、IDなどは複数人での使い回しを禁じます。

また、退職者のアクセス権限は速やかに削除する仕組みを整えましょう。

情報の持ち出しの防止

内部情報の不正な持ち出しを防ぐためには、情報の保管場所を制限し、入退室管理を徹底することが重要です。

情報の重要度や業務内容に応じてアクセス範囲をコントロールすることで、不正アクセスや情報漏えいリスクを軽減できます。

さらに、USBメモリや外付けハードディスクなどの記録媒体を使う場合は、登録制、暗号化、持ち出し禁止などのルールを設定し、情報の持ち出しを防ぎましょう。

ルール策定と従業員の教育

社内では、情報管理の明確な方針やルールを定め、従業員に周知徹底することが必要です。定期的にセキュリティ教育を実施し、従業員の情報管理意識を高めます。

また、社内だけでなく委託先や関連会社にも同様のルールと責任を共有しましょう。

業務委託契約者や派遣労働者と秘密保持契約を締結し、情報の取り扱いに関するルールを明確化することで、社内外で一貫したセキュリティ意識を保つことが重要です。

職場環境の整備

健全な職場環境への整備や、従業員のメンタルケアも重要です。長時間労働や単独作業を制限し、職場環境を改善すると、誤操作や不正行為のリスクが低減され、業務の透明性も向上します。

また、人事評価に偏りがあると、従業員の不満が生じ不正行為や情報漏えいのリスクが高まります。人事評価を公平かつ客観的に行うことで、職場全体のモラルが維持され不正防止につながります。

不正リスクを未然に防ぐ体制構築にはCFEの存在も重要

不正リスクの発生を未然に防ぐには、組織全体で取り組み、体制を構築することが不可欠です。

体制構築の際に役立つのがCFE(Certified Fraud Examiners:公認不正検査士)です。CFEは不正対策の分野で高い専門知識を持つエキスパートであることを示す国際的な資格であり、資格取得を通して不正に関する横断的な知識を習得できます。

組織にCFEの資格取得者がいることで、不正リスク軽減に向けた体制の構築と強化が期待できるでしょう。

関連ページ:アビタス CFE「CFE(公認不正検査士)とは? 資格の概要や魅力について解説」

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内部不正を未然に防ぐ組織運営を目指そう

内部不正は組織の従業員や関係者が行う不正行為で、悪意のある行為だけでなく、過失やうっかりミスなどの人為的なミスも含まれます。

特に大企業の場合は、関連会社や委託会社のスタッフが不正行為を働くケースも多く見られます。

内部不正を未然に防ぐには、組織体制の見直しと明確なルールの整備が不可欠です。定期的な従業員教育も欠かせません。

あわせて、委託先や派遣先などの関連会社とも秘密保持契約を締結し、社内外問わず内部不正が発生しない体制を整えることが重要です。そのためには、CFEの取得も有効な方法の1つといえるでしょう。

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