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IFRS(国際会計基準)検定は、IFRSに関する知識の熟達度を測るための試験です。
IFRSについての包括的な知識を身につけられる上、合格すればIFRSに対応できることの証明にもなるため、企業の経理・財務担当者が取得したい検定の1つです。
これからIFRS検定を受ける方にとって、合格率はどのくらいか、また、合格に必要な勉強時間の目安はどのくらいかなど、気になることはたくさんあるでしょう。
本記事では、IFRS検定の概要や合格率、出題内容、IFRS検定がおすすめな方などについて解説していきます。
目次
IFRS検定とは
IFRS検定の難易度を合格率や出題内容・勉強時間から検証
IFRS検定の難易度を関連資格と比較して検証
IFRS検定合格者の感想やアドバイス
IFRS検定の受験がおすすめの人
IFRS検定の難易度を把握した上で受験に臨もう
IFRS検定は、IFRSに関する深い知識と理解度を評価することを目的としたICAEW(The Institute of Chartered Accountants in England and Wales/イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が運営している資格制度です。
ICAEWは、1880年に設立された欧州で最大規模の会計士協会で、ロンドンに本拠地を置いています。高い知名度を持ち、現在13万人もの会員数を有しています 。
試験は英語で行われていましたが、2009年12月より日本語による試験が開始されました。
英語以外での言語による同検定の実施は世界でも初であり、日本語での受験が可能になったことで言語の壁が取り払われ、知識や資格の取得がしやすくなっています。
参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「IFRSとは|IFRS検定試験とは?」
IFRS検定の難易度はどのくらいなのか、次の3つの項目から検証していきましょう。
IFRS検定の合格率は、試験実施回によってばらつきがあり、高いときは80%にもなる一方、40%近くまで低くなるときもありました。しかし、第47回にオンライン開催となってからは、70〜80%で推移しています。
下表は、2023~2024年の試験4回分の合格率と合格者平均点をまとめたものです。
合格率 | 合格者平均点 | |
---|---|---|
第50回(2023年11月実施) | 71.7% | 72.1 |
第51回(2024年2月実施) | 68.4% | 74.7 |
第52回(2024年6月実施) | 80.0% | 73.6 |
第53回(2024年10月実施) | 70.7% | 72.2 |
IFRS検定は、正答率が60%で合格とされています。合格するためには、会計に関する基礎的な理解だけでなく、IFRSに関する幅広い知識を身につけることが大切です。
参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「受験結果・受験者データ|受験者データ」
IFRS検定は、試験時間が2時間で、選択式問題が60問出題されます。
出題範囲は40項目と広範囲にわたるため、IFRSについて包括的に理解しておく必要があります。ただし、日本語で受験できるためハードルは高くないといえるでしょう。
テスト形式は、客観形式問題と呼ばれる機械的に採点できる形式となっています。
項目 | 詳細 |
---|---|
試験時間 | 2時間 |
出題形式 | 選択式問題60問 |
受験言語 | 日本語 |
出題範囲 | 財務報告に関する概念フレームワーク IAS1:財務諸表の表示 IAS2:棚卸資産 IAS7:キャッシュ・フロー計算書 IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬 IAS10:後発事象 IAS12:法人所得税 IAS16:有形固定資産 IAS19:従業員給付 IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示 IAS21:外国為替レート変動の影響 IAS23:借入コスト IAS24:関連当事者についての開示 IAS26:退職給付制度の会計及び報告 IAS27:個別財務諸表 IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資 IAS29:超インフレ経済下における財務報告 IAS32:金融商品 IAS33:1株当たり利益 IAS34:期中財務報告 IAS36:資産の減損 IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産 IAS38:無形資産 IAS40:投資不動産 IAS41:農業 IFRS1:国際財務報告基準の初度適用 IFRS2:株式に基づく報酬 IFRS3:企業結合 IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業 IFRS6:鉱物資源の探査及び評価 IFRS7:金融商品 IFRS8:事業セグメント IFRS9:金融商品 IFRS10:連結財務諸表 IFRS11:共同支配の取決め IFRS12:他の企業への関与の開示 IFRS13:公正価値測定 IFRS15:顧客との契約から生じる収益 IFRS16:リース IFRS17:保険契約 |
なお、受験の際にはメモ用紙・筆記用具・関数機能のない電卓が利用可能です。
参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「IFRSとは|試験概要」
IFRS検定の勉強時間は個人により異なりますが、一般的には日商簿記検定2級を持っている場合、約150〜200時間とされています。
会計の実務経験がない人でも合格は目指せますが、その場合の勉強時間は300時間程度を想定するとよいでしょう。
会計に関する資格の中には、IFRS検定以外にもいくつかあります。IFRS検定の難易度を見ていくために、次の3つの関連資格と比較していきます。
BATIC(国際会計検定)は、グローバル企業で活躍するための英語力や会計スキルを証明する資格ですが、2022年度の第44回試験をもって終了しています。
IFRS | BATIC | |
---|---|---|
合格基準 | 正答率60% | スコア制 ・初級レベル(50%) ・中級レベル(80%) ・上級レベル(90%) |
受験言語 | 日本語 | 英語 |
勉強時間 | 150~200時間 (日商簿記検定2級合格者の場合) |
40〜60時間 (日商簿記検定3級合格者の場合) |
IFRS検定は正答率60%が合格基準であるのに対し、BATICはスコア制を取っており、初級レベル・中級レベル・上級レベルによって称号が異なります。
IFRS検定は日本語での受験が可能ですが、BATICでは英語です。その分、ハードルが高くなります。
しかし、勉強時間から見るとIFRS検定が150〜200時間必要なのに対し、BATICは40〜60時間とされていることから、難易度はIFRS検定のほうが高いといえるでしょう。
日商簿記2級は、企業の経営状況を分析し、適切な経営判断を行うために必要な知識を習得するための資格です。経理や財務の専門職に就いている人であれば、取得したい資格の1つです。
IFRS | 日商簿記検定2級 | |
---|---|---|
合格基準 | 正答率60% | 正答率70% |
受験言語 | 日本語 | 日本語 |
勉強時間 | 150~200時間 (日商簿記検定2級合格者の場合) |
250~350時間程度 (日商簿記検定3級合格者の場合) |
合格基準はIFRS検定が正答率60%であるのに対し、日商簿記検定2級は70%とされています。受験言語はともに日本語で、言語によるハンデはありません。
難易度は同等程度と考えられるため、すでに日商簿記検定2級を取得している場合、IFRS検定合格も十分に目指せるといえます。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験|簿記2級」
ビジネス会計検定は、財務諸表を分析するスキルが問われるもので、貸借対照表や損益計算書を読み解く力をビジネスに役立てることを目的とする検定試験です。
IFRS | ビジネス会計検定 | |
---|---|---|
合格基準 | 正答率60% | 2級・3級:100点満点で70点以上 1級:200点満点で論述式50点以上かつ全体で140点以上 |
受験言語 | 日本語 | 日本語 |
勉強時間 | 150~200時間 (日商簿記検定2級合格者の場合) |
3級:50~100時間 2級:100~200時間 1級:300~500時間 |
日商簿記検定では、主に財務諸表を作成する知識を習得しますが、ビジネス会計検定では、すでに完成された財務諸表を読み解く能力を習得します。
ビジネス会計検定には1級・2級・3級があり、IFRSと勉強時間や合格基準を比較すると、IFRS検定のほうがビジネス会計検定2級・3級よりも難易度が高いと考えられます。
参照:ビジネス会計検定試験「試験のご紹介|級別内容・出題範囲」
これからIFRS検定を受ける人の中には、合格者の感想やアドバイスを知りたいという人もいるでしょう。
ここでは、アビタスのIFRS Certificateプログラムを受講し、実際に合格した人の感想やアドバイスの一部をご紹介します。IFRS検定の合格を目指す上でもぜひ参考にしてみてください。
参照:アビタス IFRS「選ばれる理由|修了生・合格者の声」
IFRS検定に合格した人の感想を、一部ピックアップしてご紹介します。
IFRS導入における実務ではもちろんのこと、監査役や内部監査責任者といった立場においても、IFRS検定受験による学びが実務に活用されていることが分かります。
次に、IFRS検定に合格した人からのアドバイスを、一部ピックアップしてご紹介していきます。
合格者からは、会計の基礎知識を身につけた上で試験勉強に取り組むことや、日米欧の動向を押さえること、実際のケースを踏まえることなどがアドバイスとして挙げられています。
IFRS検定には受験資格がないため、どなたでも受験可能です。
ここでは、第8回IFRS検定試験のアンケート結果を参考に、どのような人におすすめなのかを見ていきます。
参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「受験結果・受験者データ|受験者データ」
IFRS検定のアンケートによると、受験者の50%は経理・財務の実務担当者となっています。
経理や財務担当者がIFRS検定に合格するメリットとして、IFRSの基礎を包括的に身につけられることや、国際的な会計基準であるIFRSに対応可能なことを証明できることなどがあります。
近年、IFRSへ移行を進める企業も増加傾向にあり、日本会計基準との違いの理解を体系的に理解する上でも役立ちます。
IFRS検定のアンケートでは、受験者の17%が情報システム担当者となっています。
業務にIFRSを導入する際には、会計システムの改修や新システムの開発が必要です。情報システム担当者もIFRSについての知識を得ることで、自社にとって最適なシステムのスムーズな導入が可能となります。
IFRS検定のアンケートによると、受験者の5%が内部監査・内部統制の担当者です。
IFRSが導入されると、財務諸表においてこれまでと異なる会計基準が適用されることになり、従来の会計基準と比較して、異なる部分を識別し会計処理を変更する必要が生じます。
内部監査・内部統制の担当者には、内部統制を新しく整備し直すことが求められるため、IFRSの知識を習得するためにIFRS検定が活用されるケースがあります。
IFRS検定は決して難易度の低い試験ではなく、日本語での受験が可能なため、言語によるハンデなしでチャレンジできます。
今後、IFRSを導入する企業が増えると見込まれることから、経理・財務担当者をはじめ、情報システム、内部監査や内部統制担当者などもIFRSの知識が不可欠になると考えられます。
今のうちからIFRSについての知識を深めるため、IFRS検定の受験を検討してみてはいかがでしょうか。現在の業務に活かしたい人はもちろん、外資系企業や海外で働きたい人などにもおすすめです。
IFRS検定試験の合格を目指すならアビタスを検討してみましょう。
アビタスのIFRS Certificateプログラムは2008年の開講以来、多くの合格者を輩出し続けています。最新の試験傾向をふまえた重要項目を分かりやすく解説したオリジナル教材を提供しており、日本基準との差異も理解できるため実務にも役立ちます。
効率よく学習できるよう、充実した学習ツールを準備しており、最短3カ月での合格が可能です。
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