本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

  • 2024/12/19公開
  • 2026/09/17更新

IFRS検定の難易度は?合格率と勉強時間の目安を解説

IFRS検定の難易度は?合格率と勉強時間の目安を解説

IFRS(国際会計基準)検定は、IFRSに関する知識の熟達度を測るための試験です。

IFRSについての包括的な知識が身につき、合格すればIFRSへの対応力を示せるため、企業の経理・財務担当者が取得したい検定の1つに挙げられます。

受験を考えるときに気になるのは、合格率や必要な勉強時間の目安。

試験の概要と出題内容に加え、どのような業務の担当者に受験が向いているかも確認できます。

IFRS検定とは

IFRS検定は、IFRSに関する深い知識と理解度を評価することを目的として、ICAEW(The Institute of Chartered Accountants in England and Wales/イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が運営している資格制度です。

1880年に設立されたICAEWは、ロンドンに本拠地を置く欧州最大規模の会計士協会。高い知名度を持ち、現在13万人もの会員数を有しています。

試験は英語で行われていましたが、2009年12月より日本語による試験が開始されました。

英語以外の言語で同検定が実施されたのは世界初です。日本語で受験できるようになり、言語の壁が取り払われ、知識や資格を取得しやすくなっています。

参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「IFRSとは|IFRS検定試験とは?」

合格率や出題内容と勉強時間から見るIFRS検定の難易度

IFRS検定の難易度を考える際は、合格率・出題範囲・勉強時間の3つを確認しましょう。合格率だけでは、自分に必要な準備の量までは分かりません。

難易度を確認する3つの視点:合格率、出題範囲、勉強時間
本文の内容をもとにアビタス作成(画像をタップして拡大)

IFRS検定の合格率

下表の2023〜2025年の合格率は64.9〜80.4%と、実施回によって差があります。受験者の経験や準備状況も異なるため、この数値をそのまま個人の合格可能性と捉えることはできません。

下表は、2023~2025年の試験の合格率と合格者平均点をまとめたものです。

合格率 合格者平均点
第50回(2023年11月実施) 71.7% 72.1
第51回(2024年2月実施) 68.4% 74.7
第52回(2024年6月実施) 80.0% 73.6
第53回(2024年10月実施) 70.7% 72.2
第54回(2025年2月実施) 64.9% 83
第55回(2025年6月実施) 80.4% 90
第56回(2025年10月実施) 76.32% 90

IFRS検定は、正答率が60%で合格とされています。合格するためには、会計に関する基礎的な理解だけでなく、IFRSに関する幅広い知識を身につけることが大切です。

参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「受験結果・受験者データ|受験者データ」

出題内容と試験概要

IFRS検定の試験時間は2時間で、選択式問題が60問出題される形式です。

出題範囲は40項目。普段の業務で扱わない分野も学ぶ必要があります。日本語で受験できる点と、会計知識の習得に必要な準備は分けて考えましょう。

客観形式問題と呼ばれる、機械的に採点できる形式が採用されています。

項目 詳細
試験時間 2時間
出題形式 選択式問題60問
受験言語 日本語
出題範囲 財務報告に関する概念フレームワーク
IAS1:財務諸表の表示
IAS2:棚卸資産
IAS7:キャッシュ・フロー計算書
IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬
IAS10:後発事象
IAS12:法人所得税
IAS16:有形固定資産
IAS19:従業員給付
IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
IAS21:外国為替レート変動の影響
IAS23:借入コスト
IAS24:関連当事者についての開示
IAS26:退職給付制度の会計及び報告
IAS27:個別財務諸表
IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資
IAS29:超インフレ経済下における財務報告
IAS32:金融商品
IAS33:1株当たり利益
IAS34:期中財務報告
IAS36:資産の減損
IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産
IAS38:無形資産
IAS40:投資不動産
IAS41:農業
IFRS1:国際財務報告基準の初度適用
IFRS2:株式に基づく報酬
IFRS3:企業結合
IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
IFRS6:鉱物資源の探査及び評価
IFRS7:金融商品
IFRS8:事業セグメント
IFRS9:金融商品
IFRS10:連結財務諸表
IFRS11:共同支配の取決め
IFRS12:他の企業への関与の開示
IFRS13:公正価値測定
IFRS15:顧客との契約から生じる収益
IFRS16:リース
IFRS17:保険契約

なお、受験の際にはメモ用紙・筆記用具・関数機能のない電卓が利用可能です。

参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「IFRSとは|試験概要」

合格者の経験と勉強時間をセットで確認する

学習計画の参考になるのが、アビタスで学んだ合格者の事例。経理経験や保有資格とあわせて見ると、時間や期間だけでは分からない違いが見えてきます。

合格者の学習時間・期間と学習前の経験
合格者学習前の経験・資格本人が語る時間・期間
林 勝久さんのインタビュー経理・財務などの実務経験
日商簿記2級
3〜4カ月
朝・夜に毎日約3時間
試験前の土日にも学習
中村 純さんのインタビュー公認会計士
監査法人での実務経験
200〜300時間
関 愛允さんのインタビュー日商簿記1級
税理士試験3科目合格
税理士法人での実務経験
約5カ月

いずれもインタビュー当時の個人の経験で、受講生全体の平均や標準学習時間ではありません。学習期間と総学習時間も別の指標です。月数から時間へ換算したり、自分にも同じ期間で合格できると当てはめたりせず、現在の知識と確保できる時間を照らし合わせてください。

例えば、簿記2級を持つ林さんにも、経理などの実務経験がありました。資格名が同じでも、業務で扱ってきた論点や復習に必要な量は異なります。まずは出題範囲を確認し、未経験の分野にどれだけ時間を充てられるかを検討しましょう。

学習方法は、独学・スクールの比較と合格者の復習方法で詳しく紹介しています。

関連資格との難易度比較

関連資格を比べるときは、試験が扱う内容と自分の学習経験を確認してください。ここではBATIC・日商簿記2級・ビジネス会計検定の3つを取り上げます。

関連資格の比較ポイント:BATICは英語と会計、日商簿記2級は記帳と決算、ビジネス会計検定は財務諸表の分析。BATICの試験は終了
本文の内容をもとにアビタス作成(画像をタップして拡大)

BATIC

BATIC(国際会計検定)は、グローバル企業で活躍するための英語力や会計スキルを証明する資格ですが、2022年度の第44回試験をもって終了しています。

IFRS BATIC
合格基準 正答率60% スコア制
・初級レベル(50%)
・中級レベル(80%)
・上級レベル(90%)
受験言語 日本語 英語

IFRS検定が正答率60%を合格基準とするのに対し、BATICはスコア制を取り、初級・中級・上級レベルで称号が分かれる仕組みです。

IFRS検定は日本語で受験できます。BATICは英語で出題されていた試験です。比較する際には、会計知識に加えて英語力の違いも考慮する必要があります。

現在はBATICを受験できないため、上表は過去の試験制度との比較です。出題範囲や受験者の経験が異なり、学習時間だけで難易度の上下は判断できません。

日商簿記検定2級との比較

日商簿記2級は、企業の経営状況を分析し、適切な経営判断を行うために必要な知識を習得する資格です。経理や財務の専門職に就く人が取得したい資格の1つに挙げられます。

IFRS 日商簿記検定2級
合格基準 正答率60% 正答率70%
受験言語 日本語 日本語

合格基準はIFRS検定が正答率60%であるのに対し、日商簿記検定2級は70%の設定です。受験言語はともに日本語のため、言語によるハンデの心配はありません。

簿記2級で身につけた知識はIFRSの学習にも役立ちます。ただし、合格基準の割合が近いからといって、難易度が同じとは限りません。IFRS特有の考え方や未学習の範囲について、別途準備が必要です。

参照:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験|簿記2級」

ビジネス会計検定との比較

ビジネス会計検定は、財務諸表を分析するスキルを測るもので、貸借対照表や損益計算書を読み解く力をビジネスに役立てることを目的としています。

IFRS ビジネス会計検定
合格基準 正答率60% 2級・3級:100点満点で70点以上
1級:200点満点で論述式50点以上かつ全体で140点以上
受験言語 日本語 日本語

日商簿記検定が主に財務諸表を作成する知識を養うのに対し、ビジネス会計検定は完成された財務諸表を読み解く力を身につける試験です。

ビジネス会計検定には1級・2級・3級があります。財務諸表を分析する力を深めたいのか、IFRSの会計処理を学びたいのか。目的が異なるため、合格点だけで難易度の順番を決めず、身につけたい知識に合わせて検討しましょう。

参照:ビジネス会計検定試験「試験のご紹介|級別内容・出題範囲」

  IFRSをもっと深く学びたい方は
  アビタスの「無料説明会」に参加してみませんか?

合格者の声から分かる学習の工夫と実務での活用

学習時間だけでなく、合格者が何につまずき、どう復習したかも参考になります。次に紹介するのは、アビタスの公開インタビューにある学習の工夫と実務での活用例です。

自分の業務と結び付けて会計処理を理解する

IFRSで連結会計を行う上場企業に勤務する中山 翔太さんは、実際の業務と照らし合わせながら講義を受けたと話しています。基準の適用理由を学ぶことで、普段の処理への理解が深まった事例です。

出典:中山 翔太さんのインタビュー。記載内容はインタビュー当時の経験に基づきます。

正解できた問題も誤りの理由まで確認する

日商簿記1級を持つそろ娘さんも、IFRSの試験には幅広い知識が必要だと感じたといいます。問題を繰り返す際は、正解だけでなく、不正解の選択肢についても理由を確かめていました。

出典:そろ娘さんのインタビュー。保有資格があっても、IFRSの出題範囲に合わせた学習が必要だと分かる例です。

復習の進め方は、合格者の工夫を取り入れた学習手順も参考にしてください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

IFRS検定の受験はどのような担当者に向いているか

IFRS検定には受験資格が定められておらず、どなたでも受験可能です。

第8回IFRS検定試験のアンケートに挙がっている職種のうち、次の3つを例に活用方法を確認します。以下の割合は当時の調査結果であり、現在の受験者の職種別割合を示すものではありません。

IFRSを業務に活かせる担当者の例:経理・財務、情報システム、内部監査・内部統制
本文の内容をもとにアビタス作成(画像をタップして拡大)

参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「受験結果・受験者データ|受験者データ」

経理や財務の実務担当者

IFRS検定のアンケートによると、受験者の50%を経理・財務の実務担当者が占めています。

経理や財務担当者がIFRS検定に合格するメリットは、IFRSの基礎を包括的に習得できる点や、国際的な会計基準への対応力を客観的に証明できる点です。

近年、IFRSへの移行を進める企業も増加傾向にあり、日本会計基準との違いを体系的に理解する上でも役立ちます。

情報システムの担当者

IFRS検定のアンケートでは、受験者の17%が情報システム担当者という結果でした。

業務にIFRSを導入する際には、会計システムの改修や新システムの開発が必要です。情報システム担当者もIFRSについての知識を得ることで、自社にとって最適なシステムのスムーズな導入につながります。

内部監査や内部統制の担当者

IFRS検定のアンケートによると、受験者の5%が内部監査・内部統制の担当者です。

IFRSの導入に伴い、財務諸表にはこれまでと異なる会計基準を適用します。従来の基準との差を識別し、会計処理を変更することが必要です。

内部監査・内部統制の担当者には、内部統制を新しく整備し直すことが求められます。その際にIFRSの知識を習得する方法として、IFRS検定が活用されるケースもあるのです。

IFRS検定の難易度を踏まえて受験を検討しよう

IFRS検定は決して難易度の低い試験ではありません。日本語で受験できるため、言語によるハンデなしで挑戦できる点は利点です。

今後、IFRSを導入する企業が増えると見込まれることから、経理・財務担当者をはじめ、情報システム、内部監査や内部統制担当者などもIFRSの知識が不可欠になると考えられます。

現在の業務に活かしたい人や、外資系企業や海外で働きたい人にも、IFRS検定はおすすめです。知識を深める機会として、受験を検討してみてください。

アビタスのIFRS試験対策講座で学べる内容

IFRS検定試験の合格を目指すなら、専門講座を提供するアビタスの活用を検討してみましょう。

アビタスのIFRS Certificateプログラムは2008年の開講以来、多くの合格者を輩出し続けています。最新の試験傾向をふまえた重要項目を分かりやすく解説し、日本基準との差異も理解できるオリジナル教材は、実務にも役立つ内容です。

効率よく学習できるよう充実した学習ツールを準備しており、最短3カ月での合格を目指せます。

アビタスではオンラインによる無料説明会を開催。興味のある方はお気軽にご参加ください。

学習方法に合わせて講座を検討する

講座の学習内容や受講方法を直接確認したい方は、無料説明会への参加がおすすめです。先に資料を読んで検討したい方には、Webパンフレットをご案内しています。

合わせてお読みください

最近のエントリー