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  • 2024/10/03公開

CISO(最高情報セキュリティ責任者)とは?CIOとの違いや業務内容

CISO(最高情報セキュリティ責任者)とは?CIOとの違いや業務内容

CISOとは、企業や組織における「最高情報セキュリティ責任者」を意味します。サイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクから企業を守る、極めて重要なポジションです。

現代では、多くの企業が日常業務にIT技術を組み込んでおり、システムにトラブルが生じた場合に事業に支障をきたすことも少なくありません。

サイバーセキュリティの脅威が一層身近なものとなった今、CISOが大きな注目を集めています。

本記事では、CISOの業務内容や重要性について分かりやすく解説します。

目次
CISO(最高情報セキュリティ責任者)とは
CISO(最高情報セキュリティ責任者)の業務内容
CISO(最高情報セキュリティ責任者)の重要性
組織の情報セキュリティの強化方法
CISO(最高情報セキュリティ責任者)は会社の情報資産を守る要

CISO(最高情報セキュリティ責任者)とは

CISOは「Chief Information Security Officer」の略称で、「最高情報セキュリティ責任者」を意味します。企業や組織の情報セキュリティを統括する重要なポジションです。

IT化が進む現代において、サイバー攻撃の脅威は年々増加しています。企業がサイバー攻撃を受けると、事業の中断や個人情報流出といった深刻な問題が生じ、信頼度の低下や売上減少、事業停止など重大なダメージを負うことも珍しくありません。

これらのリスクを未然に防ぐため、CISOはシステムの脆弱性の特定やリスク評価、セキュリティ対策の実施、従業員のセキュリティ意識の向上などに取り組み、組織全体のセキュリティ強化を図ります。

CISO(最高情報セキュリティ責任者)とCIO(最高情報責任者)の違い

CISO(最高情報セキュリティ責任者)とCIO(最高情報責任者)は、どちらも企業のIT戦略において重要な役割を担いますが、責務や業務内容は異なります。

CIOは「Chief Information Officer」の略称で、「最高情報責任者」を意味します。企業が成長するためのIT活用やDX推進など、情報技術戦略の統括が主な業務です。ビジネスの成長をサポートするために、IT基盤を整えデジタル化を推進します。

一方、CISOはデジタル化された環境下において、情報セキュリティの管理と保護を担います。

CIOは企業の成長とイノベーションに焦点を当てているのに対し、CISOはシステムやデータの安全性に重点を置いている点が大きな違いです。

CISO(最高情報セキュリティ責任者)の業務内容

CISOは社内の情報セキュリティ全般に関する最高責任者です。情報漏えいなどの内部問題の防止策を講じるだけでなく、サイバー攻撃など外部から発生するリスクにも対応します。

ここでは、CISOの主な業務内容を5つ紹介します。

  • 情報セキュリティ方針の策定
  • 情報資産の管理体制の構築
  • システムへの情報セキュリティ対策と強化
  • 情報セキュリティ監査の実施
  • セキュリティインシデントへの対応

業務内容について、1つずつ掘り下げてみていきましょう。

情報セキュリティ方針の策定

CISOの業務の1つが、情報セキュリティ方針の策定です。

情報セキュリティ方針とは、組織全体の情報セキュリティに関する行動指針を定めたもので、組織全体の情報資産の安全性を確保するための基盤となります。

方針策定にあたり、必要な人材を確保しチーム体制を整備します。情報セキュリティに関する業務の洗い出しも重要です。

情報セキュリティ方針には、組織のセキュリティ基準の確立、従業員の行動規範の明確化、セキュリティリスクに対する組織の姿勢の明示が求められます。

組織が抱える課題を明確にした上で、方針の策定に向けた意思決定を行います。

情報資産の管理体制の構築

機密情報を含む情報資産の管理体制の構築も、CISOの重要な業務です。

情報資産の管理体制構築は、企業の重要な情報を保護し、適切に利用するための基盤となります。

管理体制を構築するには、組織の情報資産の特定と分類を行い、リスク評価と適切な保護措置を講じて、情報資産の適切な利用と管理を確保することが必要です。

これには、バックアップ先の選定や頻度の決定、破棄条件の設定といった情報資産管理ポリシーの策定、従業員に対して適切な教育を実施することも含まれます。

関連記事:アビタス CISA®「情報資産とは? 重要性や取り扱いリスク、管理方法やセキュリティ対策を解説」

システムへの情報セキュリティ対策と強化

CISOは、企業のITシステムを保護し、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクを最小限に抑えるために、システムへの情報セキュリティ対策と強化を担います。

具体的な対策としては以下が挙げられます。

  • アクセス制御の実装
  • ネットワークセキュリティの強化
  • エンドポイントセキュリティの確保
  • データ保護対策
  • 脆弱性管理、セキュリティ監視・分析

実施した対策の有効性を定期的に評価し、必要に応じた改善を行うことも業務の1つです。

クラウドサービスを利用している場合は、セキュリティ設定の最適化も必要です。また、セキュリティ対策についての従業員教育も欠かせません。

なお、リスクへの対策を講じだけでなく、短期・中期・長期と期間ごとに目標を設計するなど情報セキュリティを高める取り組みも進める必要もあるでしょう。

情報セキュリティ監査の実施

情報セキュリティ対策の有効性を評価し、改善点を特定するためには、情報セキュリティ監査が欠かせません。

監査では、セキュリティポリシーの遵守状況、システムの脆弱性や潜在的リスクの特定、セキュリティ対策の有効性評価、法令や規制への対応状況などを確認します。

具体的プロセスとしては、監査計画を策定し、事前調査をした後で監査を実施します。監査後は、結果の分析と報告を行い、必要に応じて改善計画を策定し、進捗状況のフォローアップを行います。

関連記事:アビタス CISA®「情報セキュリティ監査とは?必要性や監査基準、関連資格も紹介」

セキュリティインシデントへの対応

CISOは、セキュリティインシデントへの対応も行います。

セキュリティインシデントを未然に防ぐための対策を実施するだけでなく、万が一インシデントが発生した場合には、迅速かつ適切な対応が求められます。

セキュリティインシデントの被害を最小限に抑えるためには、初動の速さが重要です。また、日常的にインシデントの検出を行い、何か起きた場合は即座に対応できるよう、体制の整備が必要です。

有事を想定した訓練を定期的に実施し対応力を向上させることも、CISOの重要な役割の1つです。

経営陣との連携

企業の情報セキュリティ戦略の効果を高め、全社的なリスク管理を行うためには、CISOは経営陣と密接に連携する必要があります。

情報セキュリティ戦略には専門知識が必要ですが、経営陣が必ずしもその知識を持っているとは限りません。そのため、CISOはセキュリティ戦略に関連する情報を、経営陣が理解しやすい形で伝える役割も担っています。

情報セキュリティに取り組むメリットや潜在的リスクを明確に伝え、経営陣の理解と支持を得ることで、情報セキュリティの運営をスムーズに進めることが可能になります。

CISO(最高情報セキュリティ責任者)の重要性

IT化やデジタル化が急速に進む現代社会において、CISOの重要性は高まりを見せています。

特に、サイバー攻撃の手法は高度化・複雑化しており、企業に対するサイバーセキュリティの脅威は増大しています。

データ漏えいなどのセキュリティインシデントが発生した場合、企業は多大な損失を受けることになるでしょう。また、業務中断による機会損失や復旧コストなどの直接的な金銭的喪失だけでなく、顧客の信頼失墜やブランドイメージの低下などの間接的な損失も起こり得ます。

CISOはこのような潜在的な損失を未然に防ぎ、コンプライアンスの遵守を進めるという重要な役割を担っています。

デジタル化の進展に伴い、サイバーセキュリティの重要性が高まる現代において、CISOは企業にとって欠かせない存在といえるでしょう。

組織の情報セキュリティの強化方法

CISOの採用は、情報セキュリティに対する重要な取り組みの1つです。しかし、CISOの採用以外にも、企業の情報セキュリティを強化する方法は数多くあります。

例えば、技術的対策としてアクセス権限の制限、ウイルス対策ソフトの導入を行うことや、物理的対策として監視カメラの設置や、入室時の指紋認証・パスワード認証の導入を進めることも方法の1つです。

社員に対する定期的な情報セキュリティ教育の実施も、人的対策として有効だといえるでしょう。

ここでは、実践的な以下の対策について紹介します。

  • 情報セキュリティ対策ガイドラインの活用
  • 情報システム監査の実施

詳しく見ていきましょう。

情報セキュリティ対策ガイドラインの活用

情報セキュリティ対策を強化するためには、情報処理推進機構(IPA)が公開している『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン』の活用が非常に効果的です。

ガイドラインは、経営者編と実践編に分かれており、情報漏えいや改ざんなどの重大な被害を防止するための具体的な取り組み方法が記載されています。

このガイドラインを参考にすれば、スムーズに対策を進めることができるでしょう。

関連記事:アビタス CISA®「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインとは?改訂ポイントを解説」
参照:独立行政法人情報処理機構セキュリティセンター「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版」

情報システム監査の実施

情報システム監査は、組織の情報システムやIT関連プロセスを評価し、その有効性、効率性、信頼性、およびセキュリティを確認することを目的としています。

具体的には、情報システムの適切な運用と管理確認、リスクの特定や対策の有効性評価、法令やポリシー遵守の状況の確認、システムの効率性や有効性を向上するための改善点の特定などを行います。

情報システム監査を実施するには、高度な専門知識が欠かせません。そこで、国際的に認められたCISA®などの資格取得が有効になります。

関連ページ:アビタス CISA®「公認情報システム監査人(CISA®) とは?資格の概要や魅力を解説」

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CISO(最高情報セキュリティ責任者)は会社の情報資産を守る要

デジタル化が進んだ現代社会において、情報資産はサイバー攻撃や情報漏えいなど、多くのリスクにさらされています。

サイバー攻撃による被害は企業にとって甚大で、そのリスクは軽視できません。

このような状況下で、情報セキュリティ方針を策定し情報資産の管理体制を構築するCISOは、企業の情報資産を守る上で極めて重要な役割を担っています。

情報セキュリティを強化するには、CISOの設置に加え、情報セキュリティ対策ガイドラインの活用や情報システム監査の実施も有効です。

情報システム監査を効果的に行うためには、CISA®の取得も検討してみましょう。

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