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公認会計士とは、監査・会計の専門家として「会計」「コンサルティング」の業務を行う職業です。 そんな公認会計士の試験は「難易度が高い」と言われています。
この記事では、公認会計士試験の難易度はどのくらいなのか、難易度が高いと考えられている理由や合格率、必要な勉強時間などを解説します。
また、税理士や近年注目される米国公認会計士(USCPA)との比較も行いますので参考にしてください。
目次
公認会計士の難易度
公認会計士が難易度が高いと言われる理由
公認会計士の合格率と合格基準
公認会計士の合格者の年齢や職業
公認会計士と税理士の比較
公認会計士と米国公認会計士の比較
公認会計士の難易度は高いが、チャレンジしやすい資格
幅広いフィールドで活躍したい人は、米国公認会計士(USCPA)がおすすめ
公認会計士は「三大国家資格」といわれており、弁護士、医師と並ぶ、難易度の高い資格になっています。
公認会計士試験の難易度を合格率から見ていきましょう。 公認会計士の合格率は、公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について」によると、令和3年試験が9.6%、令和2年試験が10.1%です。
令和3年試験の合格率は10%を下回っているため、公認会計士試験の難易度は高いといえます。
参照:公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について」
公認会計士の難易度が高いと言われる理由は主に以下の2つが挙げられます。
それぞれの理由について具体的に見ていきましょう。
公認会計士の難易度を高くしている要因の1つが学習範囲の広さです。 公認会計士は、短答式試験と論文式試験の2段階試験です。そして短答式試験の合格者だけが論文式試験を受験できます。
短答式試験と論文式試験では試験方式が異なり、論文式試験では選択科目も追加されるため、学習範囲がおのずと広くなります。
短答式試験は12月と5月の年2回行われ、マークシート方式(択一式試験)です。 試験科目は財務会計論(120分 200点)、管理会計論(60分 100点)、監査論(60分 100点)、企業法(60分 100点)の4科目です。
4科目の総点数の70%が合否基準の目安になります。 財務会計論の配点が高く、学習範囲が多岐にわたることが分かります。
論文式試験は8月に行われる論述式の筆記試験です。 試験科目は短答式試験科目に、租税法と選択科目の2科目が追加されます。
他の受験者との相対評価で合格者が決まり、偏差値52程度が合格ラインです。
公認会計士試験を突破するためにはどのくらいの勉強時間が必要でしょうか。 公認会計士試験の勉強時間は、2,500〜3,500時間が目安といわれています。
1日に平均5時間勉強した場合、少なくとも500日かかります。ですから、受験の準備期間の設定は1年半〜2年が一般的です。 独学で取得する場合は勉強時間がもっと必要になるため、資格専門学校に通うのがよいでしょう。
公認会計士試験に1回の試験で合格すれば勉強時間は2,500〜3,500時間でおさまるでしょう。 ですが2回目、3回目で合格する人が多いのが現状です。
複数回の受験で合格する場合は勉強時間が増えるため、5,000時間を超える可能性もあります。
次に公認会計士の合格率と合格基準を見ていきましょう。 令和3年試験と令和2年試験の合格率は以下の通りです。
区分 | 令和3年試験 | 令和2年試験 |
願書提出者数(a) |
14,192人 |
13,231人 |
短答式試験受験者数 | 12,260人 | 11,598人 |
短答式試験合格者数 | 2,060人 | 1,861人 |
論文式試験受験者数 | 3,992人 | 3,719人 |
最終合格者数(b) | 1,360人 | 1,335人 |
合格率(b/a) | 9.6% | 10.1% |
※令和3年試験の短答式試験免除者は1,932人
※令和2年試験の願書提出者は、第Ⅰ回短答式試験、第Ⅱ回短答式試験のいずれにも願書を提出した受験者を名寄せして集計したもの
令和3年試験における願書提出者数は14,192人で、合格者数は1,360人、合格率は9.6%となり、合格率は極めて低く、公認会計士試験の難易度は高いことが分かります。
また、公認会計士試験の合格基準は、「総点数の70%を基準として、審査会が適切と認めた得点比率を取得した方」です。 ただし、下記の場合は不合格になります。
上記から各科目において、バランスよく点数を取る必要があることが分かります。
参照:公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について」
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験に関するQ&A Q34」
公認会計士は幅広い年代の方や、さまざまな職業の方が挑戦しています。 次に公認会計士の合格者の年齢や職業について詳しく見ていきます。
令和3年試験の「年齢別合格者」は以下のとおりです。
区分 | 合格者数 |
20歳未満 | 12人 |
20歳以上25歳未満 | 873人 |
25歳以上30歳未満 | 297人 |
30歳以上35歳未満 | 110人 |
35歳以上40歳未満 | 44人 |
40歳以上45歳未満 | 15人 |
45歳以上50歳未満 | 6人 |
50歳以上55歳未満 | 2人 |
55歳以上60歳未満 | 0人 |
60歳以上65歳未満 | 1人 |
65歳以上 | 0人 |
合計 | 1,360人 |
合格者の最も多い年齢区分は20歳以上25歳未満で、873人です。
また、公認会計士・監査審査会の「令和3年公認会計士試験|年齢別合格者調」によると、合格者の平均年齢は24.5歳と比較的若く、大学在学中もしくは卒業後すぐ学習を始めて資格を取得するケースが多いようです。 最高年齢は60歳、最低年齢は19歳です。
参照:公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験|年齢別合格者調」
令和3年試験の「職業別合格者」は以下の通りです。
区分 | 合格者数 |
会計士補 | 2人 |
会計事務所員 | 43人 |
税理士 | 1人 |
会社員 | 111人 |
公務員 |
19人 |
教員 |
2人 |
教育・学習支援者 |
3人 |
学生 |
808人 |
専修学校・各種学校受講生 |
116人 |
無職 |
228人 |
その他 |
27人 |
合計 |
1,360人 |
「学生」および「専修学校・各種学校受講生」を合わせると 924人となり、全体の67.9%を占めています。
参照:公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験|職業別合格者調」
公認会計士とよく比較されるのが税理士です。 税理士は、税の専門家として納税者が自らの所得を計算し、納税額を算出する申告納税制度の推進の役割を担います。
合格率、勉強時間、試験科目の観点から、公認会計士と税理士を比較してみましょう。
令和3年の合格率は公認会計士が9.6%、税理士は18.8%と税理士試験のほうが合格率は高くなっています。
参照:公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について」
勉強時間においては、一般的に公認会計士が2,500〜3,500時間、税理士は4,000時間といわれています。 目安にはなりますが、税理士の方が勉強時間が多くなる傾向にあります。
公認会計士の短答式試験の試験科目は、財務会計論、管理会計論、監査論および企業法の4科目です。
さらに論文式試験では、会計学、監査論、租税法、企業法および選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち、受験者があらかじめ選択する1科目)の5科目、短答式試験と合わせると合計9科目となり、科目数が多いのが特徴です。
公認会計士試験には科目合格制度はありますが、全科目を一度に受験するのが一般的です。 一方の税理士は、会計学に属する科目(簿記論、財務諸表論)の2科目と、税法に属する科目から選択する3科目の合計5科目です。
税理士試験は1科目ずつ受験できるため、ビジネスパーソンや時間に余裕がない人との相性が良い試験といえます。
次にアメリカの公認会計士である米国公認会計士(USCPA)と比較してみましょう。 米国公認会計士は米国各州が認定する公認会計士資格で、国際ビジネス資格の最高峰に位置づけられる会計の専門資格として近年注目されています。
米国公認会計士と日本の公認会計士にはどのような違いがあるのでしょうか。
米国公認会計士と公認会計士の大きな違いは活動地域の違いです。
公認会計士が日本で活動するのに対して、米国公認会計士はアメリカを中心として、世界各地が活動地域です。 日本の公認会計士試験合格者のほとんどは、日本の監査法人に入所します。
米国公認会計士資格取得者は、約4割が監査法人、約6割は、一般企業での社内キャリアアップや一般企業の経理・財務・企画・管理や外資系、コンサルティングファームへの転職・就職の道を選んでいます。活躍フィールドは監査法人に限定されません。
米国公認会計士の受験者層は主に社会人が中心で、平均年齢も約36歳と高めです。 一方、公認会計士受験者の平均年齢は約25歳と、学生が中心であることが分かります。
米国公認会計士の合格者は全世界で年間1万人です。 公認会計士試験は年間1,000〜1,300人が合格しており、米国公認会計士の10分の1程度です。
日本在住者の米国公認会計士の平均科目合格率は41.2%(2019年)と、約3人に1人以上が合格しています。 公認会計士の合格率は9.6%(2021年)とかなり難関で、米国公認会計士の難易度は公認会計士よりも低いことが分かります。
また、米国公認会計士は上位何人までが合格という方式ではなく、一定の基準をクリアした場合合格になります。 この方式は「実務能力を高める」という理念に基づいています。
米国公認会計士と公認会計士試験では勉強時間にも違いがあります。 米国公認会計士の勉強時間は約1,200〜1,500時間というのが一般的です。
公認会計士試験は前述したように、2,500〜3,500時間が必要です。多忙な社会人が取得しやすいのは明らかに米国公認会計士でしょう。
公認会計士は「三大国家資格」と呼ばれ難易度の高い資格ですが、以下の理由からチャレンジしやすい資格ともいえます。
公認会計士は年齢・性別・学歴・国籍を問わず、誰でも試験を受験することが可能です。 高卒者や大学在学中に合格する方も多く、誰でもチャレンジできる「間口の広い試験」といえます。
また、同じ三大国家資格である医師や弁護士に比べて低コストで取得することができます。 医師の場合には医科大学や大学の医学部に長期間通う必要があり、弁護士の場合も4年制の大学およびロースクールに通うのが一般的で、学費は数千万円に及ぶこともあり高額になります。
公認会計士は資格要件がないため、試験費用19,500円と公認会計士登録費用60,000円、資格専門校の費用、協会入会金及び施設負担金80,000〜90,000円が主な費用です。 他の資格と比較すると低コストで、資格専門校を利用せず独学の場合にはさらに費用を抑えてチャレンジできるでしょう。
公認会計士試験の難易度や勉強時間、合格率、税理士や米国公認会計士(USCPA)との違いを解説しました。 公認会計士と比較される米国公認会計士は、活躍するフィールドに違いがあることが分かります。
米国公認会計士の試験は英語で出題されるので、その試験に合格し資格を取得したということは「英語での監査業務ができる」ということの証明になります。 「英語+ビジネス知識」が身につくため、グローバルな活躍も期待できるでしょう。
また、米国公認会計士を取得することで、監査法人やコンサルティングファームへのキャリアアップや年収アップを狙える可能性も広がります。 国内外問わず活躍していきたいなら米国公認会計士、日本で公認会計士を目指すなら公認会計士試験を選択しましょう。
関連記事:USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説
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※記事に記載の内容は2022年10月時点のものを参照しています。
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