USCPAはアメリカの公認会計士資格で、日本国内でも受験できる資格です。

日本でUSCPA資格を取得した場合に、どんな仕事に就職・転職できるのか分からないからと、資格取得をためらっている人もいるでしょう。

日本でも、USCPA資格を活かせる就職・転職先はいくつもあります。本記事では、USCPA資格を転職・就職に活かすコツや、資格を活かせる転職先について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
USCPA資格を取得しても就職できないは間違い
USCPAを取得しても就職・転職に活かせない人の特徴
USCPAを就職・転職に活かすコツ
USCPAは転職・就職に役立つ資格

「USCPAはアメリカの公認会計士資格なので日本で取得しても就職できない」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、USCPAを取得しても就職できないということはありません。

USCPAは全て英語で行われる試験です。資格取得により、アメリカの会計基準に従って会計処理ができることの証明に加え、一定の英語力があることを示せます。

そのため、日本国内でもUSCPA取得者は、特定の業種や会社で採用されやすい傾向にあります。

代表的なものは次の通りです。

採用先例	説明
監査法人	BIG4など、クライアントに外資系企業や海外進出している日本企業を抱えている監査法人
会計事務所・税理士法人	国際税務を取り扱う部門を持つ、会計事務所や税理士法人
コンサルティング会社	海外にかかわるクライアントに対するコンサルティング業務を取り扱っている会社
金融機関	金融機関海外関連業務を取り扱う金融機関
海外事業会社	アメリカに本社や子会社のある会社・今後アメリカ進出を検討している会社など

これらの会社に就職・転職を希望している場合、USCPAの資格は有利に働くといえるでしょう。

先述したように、USCPAは資格取得の難易度も高くなく、日本においても就職・転職に活かせる資格といえます。

一方、せっかく資格を取得しても就職や転職に活かすことができない人もいます。

就職・転職に活かせない人の特徴は次の通りです。

• USCPAを活かせるキャリアを希望していない
• 現職での経験・実績が少ない
• 転職準備ができていない

それぞれについて詳しく解説します。

USCPAは「外資系企業・コンサルティング分野・会計分野」をはじめとした企業・分野では重宝される資格です。

一方で、希望するキャリアによっては、USCPAを活かすことは難しいでしょう。

たとえば、海外企業とはあまり関わりのない日本企業で経理業務を行いたい場合は、USCPAよりも、日商簿記等のほうが適しています。

まずはじめに、自分が希望するキャリアと照らし合わせて、USCPAがそれに適した資格かどうかを検討しましょう。

経理・会計・財務・コンサルティングなどの経験が全くなく、USCPA資格を取って新たな分野への転職を検討している30代以上の方は注意が必要です。

たとえば、転職希望者の中でUSCPA資格を所持していて、かつ、必要業務の経験者がいた場合は、そちらの人のほうが優先されると考えられるためです。

未経験の分野で資格を活かした転職を検討している人は、これまでの実績や経験とUSCPAの資格をどう関連付けて転職先で活かしていくのか、説得力のあるストーリーを作った上で、転職活動を行うなどの工夫が必要になります。

また、会計業界においては、30代後半以降になると、部下を束ねるマネージャー業務を期待されることが増えてきます。

そのため、USCPA資格があっても、経理・財務などの経験やマネジメントの経験が全くないと、転職は困難となる場合があるため注意が必要です。

面接の場では、「経理・財務の経験はないがマネージャー業の経験はあるので、人をまとめることが得意である」、「今までの体験をこのような形で活かすことができる」といった、具体的なアピールが必要になるでしょう。

USCPAを取得した就職・転職だけに限った話ではありませんが、しっかりした転職準備ができていないと、転職が難しいと感じることがあります。

希望する業界に転職するには、資格取得だけでなく、業界の研究、履歴書の作成方法、面接対策などさまざまな転職準備が欠かせません。

他の転職者も、資格取得だけでなく十分な準備をして転職に臨むと考えられます。

自分1人では十分な準備が困難だと感じる場合は、転職エージェントなどの利用を検討してみましょう。

USCPAを就職・転職に活かすコツは主に下記の2つです。

• USCPA資格を活かせる転職先を選ぶ
• USCPA資格の他にも経験を積む

この章ではそれぞれのコツを詳しく解説していきます。また、USCPA資格の活かし方や、取得後のキャリア形成について詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。

関連記事：アビタス「USCPAの活かし方とは？ USCPA取得後のキャリア形成について」

USCPA資格を就職・転職に活かすには、監査法人や会計事務所・外資系企業など、資格が活かせる転職先を選ぶことが大切です。

日本国内でUSCPA資格者が資格を活かすことができ、採用されやすい傾向にある業界は次の通りです。

• 監査法人
• 会計事務所・税理士法人
• コンサルティング会社
• 金融機関

加えて、日系企業であっても、海外事業部門や海外子会社を持つ会社、総合商社、外資系企業などからも高いニーズがあります。

それぞれについて、詳しく解説します。

また、USCPA資格の転職市場の価値について詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。

関連記事：アビタス「転職市場のUSCPA（米国公認会計士）の価値は？主な就職・転職先」

クライアントに外資系企業や海外進出している日本企業を抱えている監査法人では、USCPA資格取得者が求められることが多いです。

日本とアメリカとでは会計基準が異なるため、アメリカ系企業の会計監査を行えるUSCPAの資格取得者は、重宝される傾向があります。

企業間取引がグローバル化している現在、英語で財務諸表を読むことができ、監査できるUSCPA資格取得者は、さまざまな場面での活躍が期待されています。

先述したように、アメリカと日本では会計基準が異なります。そのため、国際税務・国際事業などの部門を持つ税理士法人などでは、USCPA資格取得者を採用しているケースが見受けられます。

アメリカに子会社を持つクライアントや、外資系企業をクライアントとする会計事務所・税理士法人でも、資格を活かした業務を行うことが可能です。

さらに、海外企業と取引を始めるクライアントから依頼があれば、取引先の財務諸表を読むことができるため、幅広く資格を活かすことができるでしょう。

コンサルティング会社の中でも、財務会計に特化した会社では、USCPA取得者が求められる傾向にあります。

海外に事業を展開している企業をクライアントに持つ、コンサルティング会社などがその例です。近年、国境を越えたM&A（企業の合併・買収）が増加してるため、M&Aトランザクションサービスにおいて、USCPA資格取得で得た知識を活かすことができるでしょう。

なお、コンサルティング会社では30代後半以降は、マネージャー業務を任される傾向にあります。そのため、未経験者よりは経験者が優遇される点に留意しておきましょう。

海外関連業務を取り扱う金融機関においても、USCPA資格が有利に働きます。

英文経理業務、M&A、コーポレートファイナンスなど、多くの場面でUSCPA資格を活かした仕事ができるでしょう。

なお、日本の金融機関に就職する場合は、米国会計基準だけでなく、日本会計基準についても熟知していることが求められます。

日系金融機関だけでなく、外資系金融機関への転職にも有利に働く資格です。

ただし、30代以降であれば資格だけでなく、それまでの経験が求められることも少なくありません。

アメリカに本社や子会社のある会社・今後アメリカ進出を検討している会社などの海外事業会社でも、USCPA資格取得者が求められています。

USCPA資格を取得していることは、経理・会計・財務の知識だけでなく、ビジネス英語を習得している証明にもなります。

なお、アメリカ以外の海外に本社や子会社がある場合は、国際財務報告基準（IFRS）を採用していることも少なくありません。そのため、USCPA資格だけでなく、IFRSの知識があると、より転職に有利になるでしょう。

関連記事：アビタスについてはこちら

USCPA資格が転職に有利に働く業界に転職を希望する人の中には、当然ですが、USCPA資格を取得している人が多く見られます。

同じ資格取得者同士を比較すると、未経験者よりも経験者が優遇されることも少なくありません。

転職を成功させるには、他の応募者との差別化が必要になります。

これまでの自分のキャリアとUSCPA資格をあわせ、会社にどのような価値を提供できるのかを考えて、履歴書や面接できちんとアピールできるように準備を整えておきましょう。

USCPAは特に特定の業界において、転職・就職に役立つ資格といえます。

特定の業界とは、監査法人・会計事務所・税理士法人・コンサルティング会社・金融機関・海外事業会社などを指します。

ただし、これら業界に転職を志す人の中には、USCPAの資格取得者が一定程度いると考えられます。他の応募者との差別化を図るためには、転職先の業界研究やしっかりした転職準備が欠かせません。

これからUSCPAの資格取得を検討している人の場合は、これから先に希望するキャリアでUSCPA資格を活かせるかどうかよく吟味してみましょう。

USCPAの資格を取得するには、英語力と会計の知識が必要になります。

アビタスでは日本のビジネスパーソンの短期合格を目的とした、オリジナル教材で学習できます。テキストが日本語で作成されているため、英語がそれほど得意ではない方でも安心して学習に取り組めます。

英語で行われる本試験に備えて、英語の専門用語に日本語での説明を付記しており、分かりやすく学習しやすいテキストです。

転職に精通したキャリアコンサルタントによる転職サポートも行っており、USCPA資格を活かせる求人情報も提供しています。

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※記事に記載の内容は2023年3月時点のものを参照しています。