「経理は大変だからやめておけ！」就職・転職活動中の方や、経理に配属されたばかりの方の中には、経理に関してこのような否定的な意見を聞かれた方もいるかもしれません。確かに経理は大変な点もあるのですが、同時に経理には利点・やりがいもあります。

本記事では、まず経理が大変だとなぜ言われるのかを解説するとともに、経理の利点・やりがいについて解説したいと思います。その後、経理の大変さを解消する方法について解説します。

目次
経理の仕事の概要
経理が大変である理由
経理の利点・やりがい
大変さを解消する方法
経理に必要知識を得るには
まとめ

まず簡単に経理の仕事の概要を説明します。

経理の仕事は、日々の金銭の流れを記録し管理することです。毎日発生する金銭取引を記録し、月・四半期・年といった決まった期間で記録を整理し、社内外の関係機関へ報告します。社内外の関係者がこの報告をもとに意思決定を行うため、間違いは許されません。

また、営業や研究といった職種とは違い、定型的な仕事が多い職種です。

経理の仕事内容を見ていただきましたが、ここから分かるように経理は正確性が求められ、またルーチンワークが多い職種です。まさにこの点が経理が大変である理由になります。

経理が扱う数値や資料は社内外へ大きな影響を及ぼします。そのためミスは許されません。 些細なミスであっても、誤った数値が社外発表資料に記載されることで、その情報を信じて行動した人に損失を与える可能性があります。常に正確性・緻密さが求められ、責任が大きく気の抜けない仕事です。

経理は日・月・年といった期間でのルーチンワークが主となります。作業量はそれなりに多く、最初は処理をすることで手一杯になると思います。ただ数年経験し慣れてくると業務がつまらなく感じることもあります。同時に慣れることで緊張感がなくなりミスも起こりやすくなります。

ほかにも、経理が大変だと思う点は、繁忙期と閑散期の業務量の差が激しい点や、定量的な業務の評価が出来ないため人事評価が難しく営業や研究に比べ年収が上がらないと感じることがあるという点等が挙げられます。

以上の大変な点から、経理部はやめておこう、経理部から早く逃げよう、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。ただ、少し待ってください。経理は同時に利点・やりがいがあるのです。

組織の上層部が組織の戦略を決める際、経理が発信する数値・報告が元になります。このため会社の全体に影響を及ぼすことが出来る職種だと言えます。経理が大変な点の説明の中で責任が大きくミスが許されないと述べましたが、その分だけやりがいを得られる仕事だと思います。

また経理として働く中で、経営層の近くで会社全体の経営戦略策定自体に関わるチャンスや、専門性を高めてCFO・データサイエンティストを目指す道が生まれてきます。

経理は、先に説明した通り定型的な仕事が多いため、予定を管理しやすい職種です。また、顧客訪問や大規模設備の利用の必要がないため、リモートワークに適していると言えます。コロナ禍を経て従来の働き方が変化する中、ワークライフバランスをとりやすい職種だと思います。

他にも、どの企業にも必要な業務であるから転職しやすい、会社の様々な部署と関わることが出来る等といった利点・やりがいがあります。

このように経理は大変さもありますが、利点・やりがいもあります。ここからに少しでも興味を持たれた方にはぜひ経理を選んで、経理で頑張っていただきたいと思います。

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最近では、先ほど挙げた経理の大変だという点がITによって解消することが出来るようになっています。

計算の間違いや数値の異常を見つけることは人間の眼では限界があります。そこでITの力を借ります。例えばエクセル上の計算では異常値があった場合にセルの色を変える条件書式を設定したり、Chat GPTを利用して報告書のおかしな点を発見したりすることが出来ます。

ルーチンワークについては、ITで自動化することで効率化を図ることが出来ます。エクセルのマクロ計算やRPA等を利用することで業務量を少なくしミスを防ぐことが出来ます。効率化により業務が減ってしまうことは、経理という職種の消滅につながるという意見もありますが、経理業務のIT利用の設定は経理しか出来ないことだと思います。したがって、経理が無くなることはないと言えます。

このように、現在ではITにより経理の大変さを解消することが出来る環境になりつつあります。そもそも経理業務では会計ソフトを使用するため、ITは経理と密接な関係にありますが、会計ソフト以外にもITを有効活用することで業務の質を向上させることが出来ます。

大変ではないかという不安が解消されたのであれば、経理への興味だけが残っていることだと思います。経理に興味を感じた方のために経理に必要な知識をお伝えしたいと思います。

経理として働く際、まず何よりも必要な知識は会計知識です。また、先に挙げたように現在はITと会計は切り離せない関係になりつつあります。ITの知識は必須と言えます。その他、経済の知識や分析・統計学の知識があると経理のの仕事の質を深めることが出来ます。会計だけでなく幅広い知識が必要になります。幅広い知識を身に着けようとする際、効率的な勉強が望ましいと思います。

そこでお勧めしたいのがUSCPAの資格取得を通じた勉強です。

米国公認会計士 (USCPA)はアメリカ各州で公認された会計士資格です。

資格取得には、会計知識やIT・経済知識など幅広い知識が必要になります。この資格取得の勉強を通じて、知識を身に着けることが出来ます。また、試験は英語で行われますので、必要な知識を英語で学ぶことで、グローバル化が進むビジネス環境において役立ちます。また、日本国内だけでなく国外においてもキャリアを積むことが出来ます。

経理は大変だからやめておこうと思われた方も、経理に興味を持っていただけたかと思います。経理には大変な点もありますが、利点もその分あります。経理の大変な点だけを見て、経理はやめておこう、と最初から除外するのはもったいないと思います。キャリアプランを考える中で、経理もその選択肢の一つに加えてみてください。

最後に余談ではありますが、私の話をさせてください。私は事業会社の経理業務に約15年携わってきました。その間に多くの失敗をしたのですが、その中の失敗の１つに、外部発表資料を作成した際、年数を「20XX」とするべきところを「10XX」と誤入力したことがあります。この外部発表資料作成作業は数回経験しており、慣れがこのミスを生んだのだと思っていますが、「平安時代の予算を作成するわけがない」と上司に叱責されたことは今でも覚えています。

ただ、外部発表資料の作成においては、経営陣の意見聴取や数値分析等、組織の戦略に深くかかわることが出来、会社に貢献しているのだという実感を得ることが出来ました。

先述した大変だと思う点は私の経験から来るものです。失敗の都度、経理をやめようと思いますが、それでもUSCPAを取得し経理を続けているのは、先に挙げた利点・やりがいのおかげです。ぜひ経理を選び、続けてみてください。

国際資格の専門校であるアビタスでは、6,700人以上のUSCPA合格者を輩出しています。日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生です。

さらに会計初学者や英語力に不安な方でも学習できるように、オリジナルの日本語教材を使用しています。

また、オンラインでUSCPAの概要や活かし方を学べる「USCPA説明会」を実施しています。いきなり対面の説明会への参加が不安な方のためにも、オンラインにて無料で参加できる無料説明会です。

USCPAに興味があるけれどどうしようか悩んでいる方は、ぜひ一度アビタスの無料説明会への参加を検討してみてください。

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小林真司

2008年4月 旅行会社入社。法人営業に従事／2010年5月鉄道会社の経理シェアードサービスを行う子会社に転職。鉄道グループ内の複数子会社の経理シェアードサービス に従事。途中１年間、グループ会社が買収したホテルに出向。経理に従事／2013年5月化学系事業会社へ転職。予算作成・管理業務に従事。2019年10月よりアメリカ子会社に出向。経理・総務GM。 2006年11月日商簿記2級合格／2024年3月USCPA（ワシントン州）取得