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経理の仕事について調べていく中で、FP&Aという職種に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。FP&Aはつまらないという声も一部からは聞こえてきますが、本当につまらないのか、実際にFP&Aの仕事の経験者の意見を聞いてみたいという方もいらっしゃると思います。
本記事では、経理職の中でもFP&Aをターゲットの1つとして考えている方向けに、「そもそもFP&Aとはどんな仕事なのか?将来性はあるのか?どんなキャリアパスが考えられるか?」といった疑問に答える形で、事業会社でFP&A経験の豊富なUSCPAホルダーが解説いたします。筆者は現役のBig 4コンサルタントでもありますので、将来的なコンサルティングファームへのキャリアアップという観点も含めて説明させていただきたいと思います。
目次
FP&Aの仕事とは?
FP&Aがつまらないと感じる理由
これからの時代、FP&Aの仕事はもっと面白くなる
FP&Aでのキャリアアップを狙うならUSCPAの資格取得が有効
まとめ
日本ではまだFP&Aという仕事の認知度が低く、そもそもFP&Aという言葉を聞いたことがある方も少ないのが実情です。そのため、最初にFP&Aの仕事について簡単に説明します。
FP&AとはFinancial Planning & Analysisの略です。日本語でいえば「管理会計」が近いと思います。将来の定量的な事業予測等を行い、経営者の適切な意思決定を支援することで事業のドライブに寄与することが使命です。
FP&Aは経理職の1つでありながら、その定義にはAccountingという言葉が出てきません。 一般に、Accountingは過去を対象として扱うのに対し、Financeは未来を対象として扱うという比較対比がなされることがあります。
もう少し具体的にいうと、Accountingは「起こった事象について正しく仕訳を切り、適正な財務諸表を作成する」ことです。一般的な経理の仕事として連想されるのはこちらでしょう。これに対してFinanceは、過去の実績をベースとして活用はしますが、あくまでも視点は未来にあります。この事業はどうやっていけばもっと業績を伸ばせるのか、逆に低迷している事業はどのように立て直していけばいいのかといったことを経営者視点で考えていきます。
もちろんAccountingもFinanceもどちらも重要ではありますが、環境変化が激しくビジネスが過去の延長線上で行われることは少ない昨今のトレンドを考えれば、FP&Aの仕事はより重要になっていくことが予想されます。明確な答えは誰も持ち合わせていない未来に対して、データの分析等を通じて答えを出して事業を動かしていく現場に立ち会えるFP&Aの仕事は、とてもエキサイティングなものであると思います。
上述の通りFP&Aは会社経営の中で重要な役割を担う魅力的な仕事ですが、何らかの理由でそのような役割を果たせていない場合、つまらないと感じることになります。その理由は様々ですが、私見としては以下のようなものがあります。
前提として、社内の各所にあるデータが正確でいつでも入手可能であることが必要になりますが、いわゆるDXが進んでいない企業では、このプロセスだけでも一苦労です。入手できたとしても、部署ごとにデータの集計方法が異なる、言葉の定義が一致しておらず単純比較できない、フォーマットが違うのでどのように読み解けばよいか分からないなど、課題は無数にあります。
結果的にレポート作成やデータ集計がゴールになってしまい、最も大事なSo what?という質問に答えられない仕事になってしまうと、確かにつまらないかもしれません。
これは特に日系企業で当てはまりやすいと思いますが、FP&Aの重要性がまだ認知されていない場合、せっかく有効な示唆を含むレポートを作成できたとしても、それを蔑ろに扱われ、建設的な提案が通らないこともあります。世の中のトレンドとしてFP&Aが重要になってきているからということで部署は新設されたものの、運用が追い付いていない、有名無実に陥っている…というケースがこれに該当します。
この場合、つまらないと感じる理由が組織にありますので、FP&Aがきちんと機能している企業に身を置くことで解決できるかもしれません。
財務会計や税務などと比べると、専門知識が付きにくい面は確かにあります。特定の知識をベースに狭い領域を深く掘っていくというよりは、経営者の右腕として広い守備範囲をカバーしていくような仕事の進め方になりますので、ともすれば自分の専門性は何なのか、FP&Aの仕事をしていることで何が身に付いたのかがわからなくなってしまい、それがつまらないと感じる理由になっているかもしれません。
FP&Aの仕事がつまらないと言われる理由について説明してきましたが、私見としては、今後そのようなことは全体的に減っていくのではないかと考えています。その理由は大きく下記の3つです。
一般論として、海外の企業と比べて日系企業が遅れていると言われるデータの活用基盤整備については、DXでデータの可視化が進んでいます。筆者は現在Big 4のコンサルティング部門に所属していますが、実質的に全てのプロジェクトがシステム導入案件なのではないかと錯覚しそうになるほど、どのクライアント企業もDXに力を入れています。このトレンドは暫く変わることはないでしょう。
いずれ、現在のようなデータ集計作業の負荷は減り、分析作業や新たな示唆出しに時間を使えるようになることは確実だと思います。
これも昨今のトレンドとして、IRの重要性が高まっていることが挙げられます。すなわち、上場企業はステークホルダーに対して財務状況や経営方針を分かりやすく説明する責任があり、その中には将来の事業拡大に向けた戦略と業績予測、その実現にあたってのリスク要因とリカバリー策なども含まれます。
これはまさにFP&Aの主戦場であり、企業内部の文化に関わらず、株式市場で資金調達をしている企業ならばそのような分野に力を入れることが必須になってきています。
筆者は事業会社でFP&Aの仕事に長年従事したあとにコンサルティングファームに転職し、システム導入支援のプロジェクトを複数経験してきました。その立場から私見を述べると、企業内に散らばっているデータをERP等の活用により一元化・可視化することに現在は軸足が置かれすぎています。
本来、それはあくまでも最初のステップに過ぎず、そのようにして可視化されたデータを分析して企業価値向上に資するNext Actionを策定することに本質的な価値があるはずです。そして、この業務を担う仕事こそ、まさにFP&Aです。
このフィールドについては、まだまだ知見者が少なくブルーオーシャンであると感じますので、先んじてFP&Aの領域で業務経験を蓄積するのは将来的にも有利ではないかと思います。FP&Aの仕事は経営者視点が不可欠ですので、自ずとそのような知見も得られ、CFOなどへのキャリアアップも十分に望むことができるはずです。
FP&Aの仕事はもしかしたら面白いかもしれないと思ってくださっている方向けに、FP&Aの仕事をするために何をすべきか、そこで高い成果を出すに何ができるかという観点から、USCPAの有効性について説明します。
上述の通り、FP&Aは守備範囲が広い仕事です。どちらかといえば、特定分野の深い知識というよりも、さまざまな視点を幅広く持っておくことが重要です。その意味で、広い分野を少しずつ学ぶUSCPAはFP&Aの仕事と親和性が高い資格であり、USCPAの取得は有効であるといえます。以下、USCPAの各科目で学ぶ内容がFP&Aの実務にどのように活きるかの一例を示します。
FARでは、財務諸表を作成する企業の経営者の立場で、米国会計基準に基づく企業会計の重要な概念、企業結合や税効果会計といった専門的な論点を学習します。また、州・地方政府、非営利組織団体に適用される公会計について学びます。
FP&Aの専門領域ではありませんが、財務会計とFP&Aは明確に区分できるものではなく不可分であり、活用するデータは似通っていますので、FARの内容を一通り正しく理解できること、財務会計のルールに従って作成されたデータを読み解けることは必要になります。
AUDでは、企業の経営者が作成した財務諸表を監査する監査人の立場で学習します。監査計画や監査手続、監査報告等の監査プロセスについて理解し、米国基準と国際監査基準(ISA)との違いも学びます。
FP&Aの実務には監査は含まれませんが、監査プロセスを理解することで企業内部の各部署の業務プロセスを理解することができます。どの部門がどのような役割を担い、いつどんなデータを作成しているか、それは誰に提出されるのか。こういった勘所がわかっていることは、FP&Aの仕事をするうえでも役に立ちます。
REGでは、米国におけるビジネス法の体系と規定、個人や法人が納める所得税やその申告手続き、それらに直結するUSCPAの責任について学びます。
税務は専門性の高い業務であり、より深い議論になればなるほど税務の専門部署の協力を仰ぐことになる場合が多いとは思いますが、FP&Aとしては今後の自社の戦略立案にあたって税務面からの戦略を立てるケースは往々にしてあるはずです。基本的な知識を学んだうえで勘所を掴んでおくことは役に立ちます。
本記事では、FP&Aの仕事は本当につまらないのか、今後FP&Aの仕事はどうなっていくのか、FP&Aの仕事をするためにUSCPAの資格取得が有効になり得る理由について一通り説明してきました。
FP&Aは一般的な経理の仕事とは異なる面があるとは思いますが、これから認知度も重要性も高まっていくことが十分に期待できます。興味があればぜひチャレンジしてみてください。その際、USCPAのライセンスがあれば鬼に金棒ですので、こちらも是非ご検討ください。
国際資格の専門校であるアビタスでは、6,700人以上のUSCPA合格者を輩出しています。日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生です。
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