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  • 2024/08/26公開

ISO9001の内部監査って?5つのステップと4つのポイント

ISO9001の内部監査って?5つのステップと4つのポイント

ISO9001の内部監査は、組織が定めた品質マネジメントシステムが、国際規格ISO9001の要求事項に適合し、有効に機能しているかを定期的に確認するための活動です。いわば、組織の品質に関する健康診断のようなものです。

本記事では、ISO9001の内部監査の重要性と特徴を実施ステップとポイントと共に解説をします。

目次
ISO9001と内部監査の重要性
内部監査の5つのステップ
内部監査を成功させるポイント
まとめ

ISO9001と内部監査の重要性

ISO9001とは?

ISO9001とは、国際標準化機構(ISO)が定める品質マネジメントシステム規格です。この規格は製品やサービスの品質を担保するものとなり、取得することで顧客満足度向上、品質向上、コスト削減、ブランドイメージ向上などの効果が期待されます。実際に取得している企業は、食品卸会社から建設業まで業界業種を問わず、幅広く取得されている認証となります。

内部監査の重要性

ISO9001は国際規格であるため、品質監査、つまりPDCAサイクルで最も重要なCにあたるチェックを果たすことで、その品質の維持と要求事項に対する適合性が求められています。以下が要求事項に記載されている定義になります。

定義

ISO9001における内部監査については、要求事項において以下の様に定義されています。

9.2 内部監査

9.2.1 組織は、品質マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために、あらかじめ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。

a) 次の事項に適合している。

1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項

2) この規格の要求事項

b) 有効に実施され,維持されている。

9.2.2 組織は,次に示す事項を行わなければならない。

a) 頻度、方法、責任、計画要求事項及び報告を含む、監査プログラムの計画、確立、実施及び維持。監査プログラムは関連するプロセスの重要性、組織に影響を及ぼす変更、及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。

b) 各監査について、監査基準及び監査範囲を定める。

c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために、監査員を選定し監査を実施する。

d) 監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。

e) 遅滞なく、適切な修正を行い是正処置をとる。

f) 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として、文書化した情報を保持する。

参照:JISQ9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項 (kikakurui.com)

以上のようにISO9001における内部監査では、マネジメントシステムの有効性を検証し、品質マネジメントシステムの継続的な改善を支援することが求められることになります。 内部監査を通してなされた適合性の評価により、企業にとっては品質基準や法規制遵守の徹底が担保され、経営層のコミットメントとリーダーシップの証になり、組織の競争力強化へと繋がる事になります。

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内部監査の5つのステップ

監査計画の作成

監査対象

ISO9001の内部監査も、その他の内部監査と同様の流れを取ります。まず監査計画を策定するため、対象部門、業務プロセス、文書などを明確にし、対象を決定します。

特徴的な点として、業務のプロセスに焦点を当てるため、財務、会計、ITなどバックオフィス業務より、開発・生産・販売などといった会社の主要事業の業務プロセスを対象とする点が挙げられます。

監査スケジュール

監査実施時期、監査時間などを決定します。この際、繁忙期などは避けるといった業務状況に配慮する事も重要です。要求事項において、「あらかじめ定めた間隔で」実施することが要求されていますが、一般的に年に1回以上の実施が推奨されています。

監査員

監査対象に精通した適切な監査員を選定します。この際、客観性と独立性に注意が必要となります。

監査方法

1つの手法だけでなく、面談、文書レビュー、観察、記録分析などを組み合わせて実施することを計画します。

監査基準

ISO9001規格、社内規定、手順書などを監査基準として監査を行います。またその他の関連法令に準拠しているかなども重要なポイントになります。例えば食品関連業者であればHACCPへの準拠性もISO9001の内部監査においては対象となるため、事業の特性に紐づく法令への知見も必要となります。

監査資料の準備

監査対象ごとにチェックリスト、監査対象者への面談質問表を作成し、質問項目を洗い出します。この際、監査の実施手順を文書化し、監査員に共有することで、スムーズに監査業務を勧める事ができます。

監査の実施

監査実施にあたり、まず監査対象部門に監査の目的、範囲、スケジュールなどを説明し、しっかり理解を得た上で監査証拠の収集を始めましょう。作成したチェックリストや面談質問表、文書レビュー、観察、記録分析などを実施し、質・量ともに十分な情報を手に入れるようにします。業務プロセスに焦点を当てることから、ISO9001の内部監査は、多くの場合、質問や観察を主要な監査手続にすることが多い点が特徴的です。

監査基準との適合性を評価し、不適合事項を発見した場合は記録し、監査の最後に監査結果を監査対象者に伝え、次回監査の日程などを説明します。

監査結果の報告

監査結果をまとめた報告書として、内部監査報告書を作成します。不適合事項があった場合、発見した不適合事項とその原因などを具体的に記載し、必要な是正措置勧告を行います。なお、報告先に関しては品質マニュアルに定義されることが多く、経営層はもちろん、品質マネジメント代表や監査対象部門の責任者が対象となる事が多いです。そのため現場にも分かりやすい是正措置を記述するよう心がけます。

是正措置の実施

監査結果の報告後は是正勧告に従い、監査対象者によって是正措置計画が作成・実行されているかを確かめます。適切な期間を設定しフォローアップ監査を行う事で、是正措置の実施状況を確認する事が重要です。

内部監査を成功させるポイント

経営層への説明と理解

経営層には、内部監査活動に対するコミットメントを明確に示してもらえるよう、しっかり説明し、理解を得る事が必要です。

中小企業では代表取締役が品質マネジメント代表となる場合が多く認知度が高いですが、企業規模が大きくなるにつれ、品質マネジメント代表の役割が事業部長などに移譲されるという特徴もあります。その場合においても、全社活動としてのISO維持のための内部監査であることを理解してもらい、その上で監査に必要なリソースを確保と是正措置の実施状況が監督できるような環境を構築しましょう。

従業員の理解と協力

従業員に対して、内部監査の目的、重要性を理解してもらう事が重要です。また監査に積極的に協力してもらうために、前述のしたように繁忙期を避けるなど、監査前に環境づくりを行う事も効果的です。

監査にあたり、監査対象者と積極的にコミュニケーションを図り、意見や質問に丁寧に耳を傾けましょう。また現場担当者は新しい関連法令に疎いことも多いです。例えば食品業界であれば、今まで適用外であった加工を行わない食品卸売業においても、新たにHACCPの対象になるなど、年々法令の適応範囲、内容は変化します。更新された法令を現場に伝えるのも重要仕事です。

内部監査システムの定期的な見直しと柔軟な対応

監査計画、監査方法、監査基準などを必要に応じて、適宜改訂を行いましょう。関係者からのフィードバックを収集し、改善に活かす事も有効です。また現場による業務フローの見直しも起こります。それに合わせて今までと同様、或いはそれ以上の品質が担保されているか、業務プロセスは適切かをその都度見極める事も重要です。場合によっては現状の規程に囚われず、監査の段階で柔軟に判断することも、時には必要になります。

適切な学習とトレーニング

監査を行うのは機械ではなく人間です。そのため継続的な学習が重要となります。内部監査の監査員は、関連する最新情報を常に把握できるように努める事が重要です。

また内部監査やリスク管理の知識をより深めるために、公認内部監査人(CIA)、公認リスク管理監査人(CRMA)、公認不正検査士(CFE)といった資格を取得することも有効です。

まとめ

ISO9001の内部監査は、組織の品質マネジメントシステムが有効に機能しているかを確認し、改善に繋げるための重要な活動です。特に品質にフォーカスを当てる、品質監査に該当する内部監査であるため、監査の実施において、質問や観察を主要な監査手続とすることが多いという特徴を持っています。

監査員は、そのような特徴的な監査活動に対応するために、継続的な学習や資格取得を通して内部監査に必要な知識・スキルを身に付けることで、優秀な監査員として活躍できるようになるでしょう。

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