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  • 2024/08/23公開

内部監査士(QIA)とは?現役CIAが解説

内部監査士(QIA)とは?現役CIAが解説

内部監査に関する資格は多種多様ありますが、その中でも特徴的な資格として内部監査士(QIA)資格があります。

内部監査士(QIA)は、様々な内部監査に関連する知識を体系的に学ぶことができます。特に、内部監査士は他の内部監査系の資格と比較して、研究開発や経理業務などにおける監査のポイントも学ぶことができますので、どの業界でも通用する監査知識を学ぶことができる点が大きな特徴です。

本記事では、内部監査士資格について具体的に解説します。内部監査士資格について理解を深めたい方や内部監査士資格の取得をご検討されている方は、是非とも参考にしてください。

目次
内部監査士(QIA)とは?
内部監査士に合格するメリット
内部監査士認定講習会について
CPE単位について
内部監査士と公認内部監査人のシナジー
内部監査士(QIA)でさらなるキャリアアップを目指そう

内部監査士(QIA)とは?

内部監査士を一言で表すと、日本内部監査協会が主催している内部監査士認定講習会を修了した方に与えられる称号です。内部監査士は、昭和32年以来開催され続けているものですので、非常に歴史がある資格といえます。

内部監査士になるためには、内部監査士認定講習会の受講後、論文を提出して合格認定を受けなくてはなりません。

まず、内部監査士認定講習会では、内部監査に関する様々な知識や理論、実務内容について幅広く講習で学びます。具体的には、内部監査のフロー、リスク管理、内部統制の評価などの監査知識から様々な業界に役立つ監査知識など、様々です。内部監査士認定講習会にはテストのような試験はなく、講習の出席状況と論文で評価される点が特徴です。内部監査士認定講習会の受講については、動画視聴による受講も可能ですので、隙間時間を見つけて受講することができます。

なお、本資格は国内資格となり、英文名称は設定されていません。つまり、内部監査士資格は、日本の企業において評価される事が多いということです。

参照:内部監査士認定講習会|一般社団法人日本内部監査協会

内部監査士に合格するメリット

内部監査士のメリットは様々ありますが、特にメリットといえるものが2点あります。

1点目は、「内部監査に関する様々な知識があることを証明できること」です。 内部監査士も立派な内部監査の資格ですので、転職などで役に立ちます。

2点目は、「他の内部監査資格よりも受講条件が緩いということ」です。他の内部監査資格と比較して考えてみると、例えば公認内部監査人の場合、受験条件や資格認定条件などが細かく設定されており、それらをすべて満たすだけでも多くの時間がかかります。

一方、内部監査士の場合ですと、内部監査業務に携わっているか、大学などにおいて会計学などを学んだことがあれば受講資格を満たすことができるため、この手軽性はメリットであるといえます。

参照:受験条件と資格認定条件 | CIA(公認内部監査人)合格実績ならアビタス/Abitus

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内部監査士認定講習会について

内部監査士のメリットについてご理解いただいたところで、次は内部監査士認定講習会の内容について具体的に解説します。

内部監査士認定講習会については、細かい内容が多いため、今回は「基本情報」「合格認定審査と論文」「カリキュラム」の3つに分けて解説します。

基本情報

開講期間は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)で、合計6回開講されます。他の内部監査資格と比較すると、受講できる機会が多い部類です。

講習会場は、オンデマンド配信。つまり動画による視聴となります。なお、指定期間中には合計24科目(48時間)の受講と修了論文提出後に開催される1日2時間のフォローアップ研修を受ける必要があります。

受講費は、正会員と個人会員については、¥165,000(1名につき 消費税込)で、非会員については、¥236,500(1名につき 消費税込)と高額です。非会員との金額差は¥71,500ですので、正会員か個人会員になって受講することが望ましいといえます。

受講資格は、メリットのところでも記載した通り、内部監査業務に携わっている方が対象となります。もし、内部監査業務に携わっていない場合、大学などにおいて、会計学・商学・経営学・経済学・法学・情報学などのいずれかを学んだ方、及びこれと同等の資格・能力の方であれば、受講することができます。

他の内部監査資格と比較すると、やはり受講資格が緩く、どなたでも受講できるチャンスがあることが分かります。

合格認定審査と論文と審査結果

まず、合格認定審査については、所定の課程を修め、修了論文を提出することが必要となります。その後、論文審査と講習出席状況を考慮の上、合格者が決定します。そして、合格者には認定証書と共に「内部監査士」の称号が授与されます。つまり、合格するためには講座の出席と論文の提出が求められるということです。形式的には、大学のゼミと似ているかと思います。

次に、論文提出方法については、講習期間中に受講者宛に文書で依頼され、講習終了後1ヶ月以内に論文を提出します。なお、論文については2つの条件がございます。

1つ目の条件は、論文の文字数が8,000~10,000字であることです。かなりの量の文字を記載しなければなりません。

2つ目の条件は、論文テーマか指定テーマより1テーマを選択し、論文内容と内部監査の理論もしくは実務に関するもので執筆しなければならないことです。

文字数も考慮すると、論文については、選択したテーマについて深く理解し、細かい内容も含めて記載しなければならないことが分かります。内部監査士を受講する方にとって、論文が一番の山場であるといえます。

最後に、審査結果の発表方法についてですが、合格者へのフォローアップ研修の際に認定証書が授与されますので、そのタイミングで分かります。なお、オンライン開催の場合は、フォローアップ研修終了後に認定証書が郵送されます。合格者には特典として、協会機関誌『月刊監査研究』を自宅あてに1年間贈呈されます。また、優秀論文については、協会機関誌『月刊監査研究』にて掲載されます。

不合格者については、事前に本人宛に連絡が入ります。つまり、合格でも不合格でも何かしら連絡が来るということです。

なお、合格率については公表されていません。ただ、内部監査士試験は評価対象が出席と論文ですので、他の内部監査資格と比較すると、難易度は低いといえます。

以上の内容をまとめますと、内部監査士になるためには、①講座に出席する ②論文を提出する ③フォローアップ研修を受ける という流れとなります。

カリキュラム

最後はカリキュラムについて説明します。どれも内部監査を行う者として必要不可欠な内容ばかりです。

①内部監査の本質と現代経営における役割

②内部監査の基本知識

③内部監査の監査技術

④内部監査の実施手順

⑤内部統制の理解と評価・監査の方法

⑥内部統制システムの構築と運用

⑦リスクマネジメントと内部監査

⑧品質管理監査のポイント

⑨環境監査のポイント

⑩広告宣伝業務監査のポイント

⑪研究開発管理監査のポイント

⑫営業業務監査のポイント

⑬製造業務監査のポイント

⑭経理業務監査のポイント

⑮購買業務監査のポイント

⑯子会社・関連会社監査のポイント

⑰情報システム監査のポイント

⑱不正調査と内部監査の役割 内部監査と監査役監査・公認会計士監査の関わり

⑲新しい業務改善手法と内部監査

⑳内部監査報告書の作成と運用

これら20コマの講座について見ていくと、内部監査や内部統制だけでなく、品質管理監査や環境監査などのテーマ監査になりうるものや業務改善手法や内部報告書などの監査手続まで、網羅的に講座が存在することがわかります。公認内部監査人試験のカリキュラムと比較すると、被っている内容のものが多いことがわかります。

CPE単位について

CPE単位とは、公認内部監査人、内部統制評価指導士、公認金融監査人などを取得している方が資格の維持・更新をするために必要な継続的専門能力開発制度における認定制度です。なんと、内部監査士認定講習会のCPE単位は60であるため、費用は掛かるものの、約1か月かけてCPE60単位を取ることができます。これは資格の更新までに時間がない方からすれば有益といえます。

なお、内部監査士認定講習会でCPEの報告を行う場合、当日受付にお持ちいただく提出用の「登録受付票」とは別に、受講の証明としてそのハードコピーもしくはデータの最低3年間の保管が必要ですので、ご注意ください。

内部監査士と公認内部監査人のシナジー

内部監査士認定講習会がCPE単位の対象となっている要因の1つとして、近年、内部監査士と公認内部監査人の両方を取得している監査人が増えていることが関係しています。何故なら、内部監査士と公認内部監査人の両方を取得することで、内部監査人としてさらなるスキルアップを形成できるからです。

その理由として、内部監査に関することを学ぶ点については共通しているものの、その具体的な内容は異なっているからです。例えば、公認内部監査人では、「内部監査の基礎」「内部監査の実務」「内部監査に関連する知識」などを学びますが、内部監査士では、内部監査の基礎知識に加えて、テーマ監査になりうるような特定の監査に関する項目を学びます。

つまり、公認内部監査人では内部監査の全般的な内容について体系的に学ぶのに対し、内部監査士はより実務に特化した内容について深く学ぶため、内部監査人として両方の資格を取得することによる恩恵は大きいといえます。

内部監査士(QIA)でさらなるキャリアアップを目指そう

内部監査士資格を取得することは、内部監査人としてのキャリアアップに繋がります。公認内部監査人や公認情報システム監査人などの監査資格と違い、テスト形式ではなく講座の出席と論文形式となっていますので、テスト形式に苦手意識がある方でも安心して挑戦することができます。

また、いきなり公認内部監査人や公認情報システム監査人などの上級資格の挑戦に抵抗がある方でも、まずは内部監査士資格から初めて、勉強することに慣れるところから始めるのも良いキャリア形成といえます。

是非、無理のない範囲で、自身に合ったキャリアアップを目指してください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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アビタスでは2005年にCIAプログラムを開講して以来、圧倒的な合格実績を挙げ続けています。合格率を上げるために、オリジナル教材と講師の質の良さにこだわっています。

講師は対法人向けの内部監査の実務研修も行っており、専門分野の知識だけでなく、ティーチングスキルにも優れているのが魅力です。また通学・通信を併用できるコースや、スキマ時間で学習できるコンテンツなども揃えており、忙しい社会人でも効率よく学習できる環境が整っています。

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