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全ての内部監査人は、専門職としての責務を果たすため、内部監査業務に対しては、熟達した専門的能力を持って取り組む必要があります。しかし、この能力というのは広義に解釈できるため、具体的にどのような能力が必要なのか明確にならないことがあります。このような時にお勧めなのが、IIA 内部監査の国際的能力フレームワークです。
本記事では、IIA 国際的能力フレームワークで示す10コア・コンピタンスについて具体的に解説しながら、どうすれば10コア・コンピタンスを養うことができるかについても触れていきます。
IIA 内部監査の国際的能力フレームワークについて理解を深めたい方は是非とも参考にしてください。
目次
IIA 内部監査の国際的能力フレームワークとは?
そもそもコア・コンピタンスとは?
10コア・コンピタンスについて
コア・コンピタンスを養う方法
強みとなるコア・コンピタンスを見つけよう
IIA 内部監査の国際的能力フレームワークとは、内部監査の専門職として成功するために、専門職的実施の国際フレームワーク(IPPF)で求められる能力を定義したものです。
このフレームワークの特徴は、内部監査スタッフ、内部監査マネージャー、内部監査部門長(CAE)の各職位に推奨される10コア・コンピタンス(中核的能力)を示しているということです。これらは相互に関連しており、全ての内部監査人に必要不可欠な能力といえます。
また、10コア・コンピタンスという指標を活用することで、内部監査人として何が足りていて何が足りていないかなどの自己分析だけでなく、マネジメントのツールとして、部下に対しても10コアコンピタンスを当てはめながら内部監査のフィードバックや目標設定などを行うこともできますので、汎用性が高い点もメリットといえます。
参照:『IIA内部監査の国際的能力 フレームワーク』について
一言で表すと、「他の人では真似できない中核となる強み」のことです。他の人では真似ができない中核となる強みですので、言い換えると、自身にしか持っていない強みということになります。これに関しては、差別化をイメージすると良いでしょう。
なお、本来コア・コンピタンスは、一般的に企業に対して使用される言葉であり、「模倣可能性(Imitability)」「移動可能性(Transferability)」「代替可能性(Substitutability)」「希少性(Scarcity)」「耐久性(Durability)」の5つの視点で考える必要があるというものですが、IIA 内部監査の国際的能力フレームワークでは、10コア・コンピタンスを監査人個人に当てはめたものとなっていますので、混同しないようご留意ください。
参照:コア・コンピタンス|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA
10コア・コンピタンスという名前の通り、IIA 内部監査の国際的能力フレームワークの基準を満たすためのコア・コンピタンスは10個あります。
10コア・コンピタンスの内容は主に知識や能力に関することが記載されており、何が足りていて何が足りていないのかを判断することができますのでめ、是非ともご活用ください。
1点目は、専門職的倫理観です。専門職的倫理観では、主に専門職に携わる上での倫理観をしっかり持ち合わせているかなどを確認します。
例えば、IIAの倫理綱要を守り推進されているか。倫理的問題を調査し、解決策を提案できているか。専門職としての正当な注意を払っているか。などが該当します。
2点目は、内部監査の管理です。内部監査の管理では、内部監査部門を構築し、そこに属する内部監査人をマネジメントする能力があるかなどを確認します。
例えば、チームメンバーのために高い業績を示し、模範的行動をとることができているか。業務目標を明確に示し、組織の戦略と結びつけることができているか。組織体の中で内部監査部門としての価値を見出しているか。などが該当します。
3点目は、IPPFを適用する能力です。IPPFを適用する能力では、主にIPPFに関連する内容が業務に適用されているかなどを確認します。
例えば、IPPFの最新知識を保持できているか。IPPFの要件を遵守できているか。内部監査部門の独立性を担保できているか。などが該当します。
4点目は、ガバナンス、リスク、コントロールを理解し、適用する能力です。ガバナンス、リスク、コントロールを理解し、適用する能力では、業務に生かすことができるレベルで理解し、適用できているかなどを確認します。
例えば、ガバナンス、リスク、コントロールの適切性を評価できているか。ITガバナンスを評価できているかなどが該当します。
5点目は、ビジネス感覚です。コア・コンピタンスで求められるビジネス感覚とは、ビジネス環境や組織に特有の要素の専門知識を保つ能力などのことで、この能力を持ち合わせているかを確認します。
例えば、組織に当てはまる業界特有の知識を保持しているか。組織の文化的側面に注意を払っているか。などが該当します。
6点目は、コミュニケーションです。コア・コンピタンスで求められるコミュニケーションとは、監査対象部門などの関係者が納得できるような適切なコミュニケーションレベルであり、この能力を持ち合わせているかを確認します。
例えば、積極的なコミュニケーションを通して他社の信頼を確保できているか。他者を敬う態度を示し、聴き手に合わせたメッセージを発信できているか。などが該当します。
7点目は、説得と強調です。コア・コンピタンスで求められる説得と強調とは、協調や連携などで他社を動かす能力です。コミュニケーションとは少し意味が異なりますので、ご留意ください。
例えば、利害関係者のニーズと期待を見極めることができているか。交渉によって対立を管理し、意見の相違を解決できているか。などが該当します。
8点目は、批判的思考です。コア・コンピタンスで求められる批判的思考とは、プロセス分析、ビジネスインテリジェンス、問題解決法などを適用することで、他者を動機付ける能力です。
例えば、好奇心を持って職業的懐疑心を働かせているか。ビジネスプロセスの有効性と効率性を分析し、評価できているか。などが該当します。
9点目は、内部監査業務を実施する能力です。コア・コンピタンスで求められる内部監査業務を実施する能力は、主に個人に対するものが多いです。
例えば、個別監査業務の計画及び実施の品質を確保できているか。個別監査業務の期間中を通して客観性を維持できているか。などが該当します。
10点目は、変化を受け入れ改善と革新を推進する能力です。
この項目では、凝り固まった考えをせずに変化を受け入れ、改善と革新を繰り返し、成長することができているかなどを確認します。
例えば、改善と革新のために見識と提案を示すことができているか。組織内の変化の理由を分析し調査できているか。などが該当します。
ここまでご覧頂いた通り、10コア・コンピタンスで求められる能力というのは多岐にわたり、一度に全ての項目を達成させることは困難ですが、少しずつクリアしていければ、全ての項目を達成させることは可能です。
監査に関する様々な本を読んだり、業務監査以外のテーマ監査などを率先的に行って経験を積むなどの手法もコア・コンピタンスを養う方法ですが、お勧めなのは、内部監査系の資格取得です。何故なら、資格取得に励むことにより、知識を得るだけでなく、そこで学んだ内容を実務で発揮することによる経験も積むことができますので、一石二鳥となります。
10コア・コンピタンスを養うことができる内部監査系の資格の中で、特に一番お勧めなのが公認内部監査人です。何故なら、公認内部監査人で学ぶ内容というのは、10コア・コンピタンス全てが関係した内容ですので、インプットとアウトプットを効率良く行い、10コア・コンピタンスを早期に養うことができます。
10コア・コンピタンスを養うためには、まず自己分析を行うところから始めることをお勧めします。自己分析では、強みや課題などを明確にすることが最も大切です。必要であれば、上司や同僚などに相談するのも良いでしょう。
コア・コンピタンスを養うことは、間違いなく自身の強みとなります。内部監査人として成長するためにも、10コア・コンピタンスへの挑戦を是非ともご検討ください。ここまでお読みいただきありがとうございました。
アビタスでは2005年にCIAプログラムを開講して以来、圧倒的な合格実績を挙げ続けています。合格率を上げるために、オリジナル教材と講師の質の良さにこだわっています。
講師は対法人向けの内部監査の実務研修も行っており、専門分野の知識だけでなく、ティーチングスキルにも優れているのが魅力です。
また通学・通信を併用できるコースや、スキマ時間で学習できるコンテンツなども揃えており、忙しい社会人でも効率よく学習できる環境が整っています。
CIAをはじめとする内部監査に関する資格取得を目指している方は、ぜひアビタスの利用を検討してみてください。最近のエントリー