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ケースメソッドとは、企業で実際に起きた事例を取り上げ、グループでディスカッションを行いながら、問題解決の思考プロセスを身につける教育手法です。
ケースメソッドは、1920年代にハーバード大学で開発されました。
今では、課題解決プロセスを能動的に疑似体験できる手法として、多くのビジネススクールが取り入れています。
本記事では、ケースメソッドの学習モデルや進め方について解説します。メリット、デメリットにも触れますので参考にしてください。
目次
ケースメソッドとは
ケースメソッドとケーススタディの違い
ケースメソッドを学ぶ3つのメリット
ケースメソッドのデメリット
ケースメソッドの進め方
MBAで取り入れられているケースメソッド
ケースメソッドの教育法を正しく理解しよう
ケースメソッドとは、企業が実際に直面した課題や問題を事例(ケース)として取り上げ、解決策を議論する教育手法です。
受講生は、ケースメソッドを繰り返すことで、多くの企業の課題解決プロセスを疑似体験できます。
グループディスカッションが中心となるため、問題解決能力やリーダーシップ、コミュニケーション力の向上などが期待できます。
ケースメソッドは経営方法を身につける研修手法として、多くのビジネススクールで導入されています。
企業の課題を取り上げ、グループを作りディスカッションを行いながら、皆の考えをまとめることで実践能力を育成する手法です。
受動的に講義を聴く学習スタイルとは異なり、受講生は主体的にディスカッションに参加することが求められます。
ケースメソッドでは、当事者になりきって問題解決方法を導き出さなければなりません。
受講生は与えられた事例(ケース)について、メンバーと建設的な議論を行い、様々な視点から分析を重ねて解決策を導きます。そのため、実践で役立つ問題解決能力が身につきます。
ケースメソッドで身につけた問題解決能力やリーダーシップは、実際のビジネス現場で大きな力を発揮することになるでしょう。
ケースメソッドは、1920年代にアメリカのハーバード大学ロースクールで、実際の判例をもとに討議して学ぶ講義スタイルとして始められました。
この講義スタイルの「判例」を「経営事例」に置き換えて取り入れたのが、ハーバードビジネススクールです。その後、多くのビジネススクールで導入されています。
日本では、1960年代に慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)が最初に導入しました。今では、日本においても多くのビジネススクールがケースメソッドを取り入れています。
ケースメソッドとよく似た用語として、ケーススタディがあります。
ケーススタディは個別の事例を調査・分析する手法で「事例研究」と訳されます。ケースメソッドとは異なり、答えや結論が用意されていることが特徴です。
与えられた事例を分析し、事実関係を理解することが目的で、分析力や論理的思考力の習得に重点が置かれています。
一方、ケースメソッドでは問題解決プロセス自体が重視されています。正解や確定した答えはなく、受講生自身がグループディスカッションを通じて多角的な視点から解決策を導き出すことが必要です。
ケーススタディについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:Abitus UMass MBA「ケーススタディとは? ケーススタディの目的・メリット・進め方を解説!」
ケースメソッドは、実践的な問題解決能力と判断力の養成に役立つ教育手法として、多くのビジネススクールで導入されています。
これは、多数の企業の実例から学ぶことで経営ノウハウが、グループディスカッションを通してリーダーシップなどが身につくためです。
ここでは、ケースメソッドを学ぶことで得られる3つのメリットやその理由について、解説します。
ケースメソッドでは、実際の企業が直面した様々な経営課題を取り扱います。そのため、実際に直面する可能性のある課題に対し、多角的な視点で分析する力が身につきます。
正解のない課題に対し、問題の発見・分析・解決策立案・検証までの一連のプロセスを体験します。
このプロセスを何度も繰り返すことで、実際のビジネス現場で役立つレベルまで問題解決能力向上が見込める点がメリットです。
一般的に、ケースメソッドでは架空の事例ではなく実際の企業に起きた具体的な事例を取り扱います。そのため、企業概要、業界の状況、財務データをはじめとしたリアルな情報を蓄積できるのが特徴です。
また、講義によっては、製造業、サービス業、小売業など幅広い業界や業種の企業事例を取り扱います。幅広い業界の課題を自分事として考えることで、業界ごとの特性や課題が把握できるのもメリットです。
多くの事例を知り知識を深めることで、経営に関する深い理解が得られるでしょう。
ケースメソッドでは、少人数グループでディスカッションし課題解決を図ります。そのため、グループメンバーをまとめる力や合意形成力、説得力などのリーダーシップの養成につながる点がメリットです。
一般的にビジネススクールには、異なる価値観を持つ多様な人が在籍しています。
建設的な議論を重ね、多様な意見を取り入れながらまとめていく対応力も必要です。時には、まとまらない意見に対し自発的に意思決定を下す場面もあるでしょう。
グループ内のディスカッションをまとめ上げ、課題解決に導いていく中で、リーダーシップが育成されます。
ケースメソッドには、いくつかのデメリットもあります。
1つ目は、ケースメソッドで議論される企業事例は過去のものが多い点です。ビジネス環境は常に変化しているため、実際に活用できる事例ばかりとは限らない点は、デメリットといえます。
2つ目は、ケースメソッドの効果は指導者の力量に左右される点です。受講生任せにするのではなく、必要に応じて、指導者によるディスカッションの促進やアドバイスが求められます。
優れた指導者でなければケースメソッドの効果を最大限に引き出せない場合もあり、その点はデメリットといえるでしょう。
3つ目は、はっきりとした答えが用意されていない点です。場合によっては、正解や最適解などが提示されないまま、複数の解決策が出てくることもあります。
どの方針が最適解か判断できないため、受講生が混乱することもあるでしょう。講義という限られた時間の中で、疑問が解消されないまま終わってしまったということも起こりうることです。
このように、いくつかのデメリットはあるものの、ケースメソッドは、ビジネスの課題に対する実践力を養う有効な教育手段であることは間違いありません。
ケースメソッドは、グループを作ってディスカッションを行いながら進めていく教育手法です。
しかし、具体的にケースメソッドはどのように進められているのか、気になる人もいるでしょう。ここでは、以下の5つのステップでケースメソッドの進め方について解説します。
それぞれ見ていきましょう。
最初に、ケースメソッドに利用する事例(ケース)を選定しましょう。ケース選定はとても重要です。
ビジネス現場の進化は速く、古い事例では実際の現場で役に立たないことも少なくありません。
また、ケースメソッドはビジネススクールだけでなく企業などでも取り入れられている手法です。著名な事例を取り上げると、既に分析事例が公開されていることがあるため注意が必要です。
過去5年以内に起きた、あまりメジャーではないケースを選定すると有意義なディスカッションにつながるでしょう。
とはいえ、古いからといって使えないケースというわけではなく、扱う内容によっても異なってきます。
グループディスカッションの前に、受講生一人ひとりがケースを理解しておく必要があります。ケースの資料を入念に読み込み、企業概要、課題の背景、財務データなど必要な情報を把握します。
資料に書かれていない、業界の動向や競合状況、経営手法の知識など、事例分析に必要な背景知識についても調べておきましょう。疑問点を事前に洗い出しておくことも重要です。
有意義なディスカッションを行うために、十分な下準備をしておきましょう。
次に、クラス内でいくつかの少人数グループを作り、ディスカッションを行います。
メンバー間で自由に意見交換ができる人数が適しています。皆が自由に意見を言い合える雰囲気づくりを意識しましょう。
多角的な視点を共有することが大切です。異なる意見にもしっかり耳を傾け、相互理解を深めながら建設的な議論を重ねることで、新たな気づきを得ることができるでしょう。
グループ内にリーダーを設けることで、リーダーシップの育成にもつながります。
少人数のグループごとにディスカッションを通じて意見をまとめた後、それぞれのグループの意見をクラス全体で共有し、討論を行います。大勢の前で発表するため、プレゼンテーションスキルが身につきます。
異なる意見を頭ごなしに否定せず、耳を傾けることが大切です。多様な意見に耳を傾けることで、傾聴力や多角的な視点が養われます。多くの意見から最善の解決策を導き出すことができるでしょう。
ケースメソッドを何度も積み重ねることで、問題解決のための幅広い知識や考え方が身につきます。
解決策の検証を行う際には、受講生が討論を重ねた後、指導者が実際の企業の対応策を開示するのが一般的です。
受講生が導き出した解決策と、実際にその企業が選択した対応策との比較を行い、解決策妥当性について検証していきます。
実際に企業が選んだ方法は、教科書的な解答とは異なることもあるでしょう。
指導者からのフィードバックと解説を受けることが、実践で役立つ深い学びにつながります。
多くのMBAプログラムでケースメソッドが取り入れられています。ここでは、2校の例を紹介します。
ハーバードビジネススクールでは、2年間で500ケースのケースメソッドを実施しています。膨大な数のケースメソッドに取り組むことで、リーダーシップや問題解決能力の向上を目指しています。
慶應義塾大学経営管理研究科(KBS)においても、ケースメソッドを通じて実践的なビジネススキルを養うことを目指しています。海外のビジネススクールが作成したケースの翻訳版が充実しているだけでなく、独自に年間50本の新作ケースを開発しており、常に新鮮な課題に取り組むことが可能です。
参考:Harvard Business School「MBA|Academic Experience|The HBS Case Method」
参考:Keio Business School「KBSについて|慶應型ケースメソッド」
ケースメソッドとは、企業が実際に直面した課題や問題を取り上げ、解決策を議論する教育手法です。実践的な問題解決能力が身につく手法として、多くのビジネススクールで採用されています。
受動的学習になることの多い講義形式と比べ、ケースメソッドは能動的に取り組むことができます。それによって、コミュニケーション力やリーダーシップなど、多くの能力が身につくのが特徴です。
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