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公認会計士の試験は、短答式試験と論文式試験の2段階に分かれています。
公認会計士試験に合格するためには、まず短答式試験に合格しなければなりません。短答式試験は、第I回と第II回の年2回実施されます。
公認会計士を目指しているものの、短答式試験の試験内容や勉強法が分からないという人もいるでしょう。
そこで本記事では、公認会計士の短答式試験について詳しく解説します。
目次
公認会計士 短答式試験で知っておくべきポイント
公認会計士 短答式試験内容と勉強時間の目安・勉強
公認会計士以外の会計資格3選
公認会計士 短答式試験の合格のため、勉強時間をしっかり確保しよう
公認会計士の短答式試験は財務会計論や管理会計論など、基本的な専門知識を理解しているかを確認する試験です。マークシート式で解答する試験で、年に2回実施しています。
年齢や学歴、国籍の制限がなく、誰でも受験できるため、難易度の高い国家試験の中ではチャレンジしやすい試験といえます。
ここからは、短答式試験の合格条件や合格率、2023年の試験日程などを見ていきましょう。
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|公認会計士試験に関するQ&A」
短答式試験の受験科目は次の4科目です。
4科目の総点数の70%であることが合格条件となります。ただし、40%に満たない科目がある場合、不合格になるケースもあるので注意しましょう。
なお、短答式試験は全ての科目を一度に合格しなければなりません。
また、短答式試験に一度合格すると2年間試験が免除されるため、合格後の1年を論文式試験の勉強時間に充てる人もいます。
なお、試験免除が認められている2年以内に論文式試験に合格できなければ、再度短答式試験からスタートすることになります。
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|公認会計士試験に関するQ&A」
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|合格基準について」
短答式試験のここ10年の平均合格率は、第I回16.1%、第II回12.1%です。一方、論文式試験の合格率は35%前後です。論文式試験と比較すると、合格基準点が高いため合格率が低くなります。
まず、第I回の過去10年間の合格率を見ていきましょう。
実施年 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
令和5年 | 11,401 | 1,182 | 10.4 |
令和4年 | 9,949 | 1,199 | 12.0 |
令和3年 | 9,524 | 2,060 | 21.6 |
令和2年 | 7,245 | 1,139 | 15.7 |
平成31年 | 6,610 | 1,097 | 16.6 |
平成30年 | 6,569 | 1,090 | 16.6 |
平成29年 | 6,045 | 1,194 | 19.8 |
平成28年 | 5,479 | 863 | 15.8 |
平成27年 | 5,548 | 883 | 15.9 |
平成26年 | 5,971 | 1,003 | 16.8 |
※令和5年短答式試験の結果は2023年1月20日に公開されたデータを基に算出
次に、第II回の試験結果を見ていきましょう。
実施年 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
令和4年 | 9.870 | 780 | 7.9 |
令和3年 | ー | ー | ー |
令和2年 | 5,616 | 722 | 12.9 |
平成31年 | 5,604 | 709 | 12.7 |
平成30年 | 5,346 | 975 | 18.2 |
平成29年 | 4,916 | 475 | 9.7 |
平成28年 | 4,740 | 638 | 13.5 |
平成27年 | 4,503 | 624 | 13.9 |
平成26年 | 4,927 | 402 | 8.2 |
平成25年 | 6,000 | 695 | 11.6 |
10年間の合格率を比較すると、全体的に第II回のほうが合格率が低いことが分かります。
参照:公認会計士・監査審査会「過去の試験結果等」
参照:公認会計士・監査審査会「試験結果の概要(令和5年公認会計士試験第I回短答式試験)」
短答式試験は5月と12月に年2回実施されます。12月に行われる試験が第I回試験、翌年5月に行われる試験が第II回試験です。第II回よりも第I回試験の合格率が高い傾向にあります。
2023年のスケジュール(令和5年試験)は次の通りです。
項目 | 試験日程 | 合格発表 |
---|---|---|
第I回 | 令和4年12月11日(日) | 令和5年1月20日(金) |
第II回 | 令和5年5月28日(日) | 令和5年6月23日(金)(予定) |
参照:公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験受験案内〈第I回短答式試験用〉」
試験時間は各科目60分で、財務会計論のみ120分です。
公認会計士の短答式試験は、経験や保有資格によって、試験が免除される場合があります。
科目免除を受けるためには申請が必要です。出願時に免除通知書の写しなどを添付しなければならないため、事前に該当要件と提出書類を確認しておきましょう。
該当要件は次の通りです。
科目 | 該当要件 |
---|---|
全科目免除 | ・大学等で商学・法律学関連の教授または准教授歴3年 ・商学・法律学関連における博士の学位 ・高等試験(司法科・行政科)合格者 ・司法試験または旧司法試験第2次試験合格者 |
一部科目免除 ※( )内は免除科目 |
・税理士資格の保有(財務会計論) ・税理士試験の簿記論および財務諸表論2科目で60%以上取得(財務会計論) ・会計専門職大学院における特定以上の科目数および修士の学位(学位取得科目による) ・条件を満たす法人での会計または監査関連業務経験7年(財務会計論) |
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|公認会計士試験に関するQ&A」
該当要件を確認し、当てはまる場合は早めに申請しましょう。
ここからは、短答式試験の試験内容と合格するために、以下の4科目ごとに必要な勉強時間の目安を見ていきます。
なお、試験時間や内容は公認会計士・監査審査会が提示している「令和5年公認会計士試験受験案内〈第I回短答式試験用〉」と「令和5年公認会計士試験の出題範囲の要旨について」を参照しています。
参照:公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験受験案内〈第I回短答式試験用〉」
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|令和5年公認会計士試験の出題範囲の要旨について」
財務諸表論の勉強時間の目安と試験時間、出題範囲などは次の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
勉強時間の目安 | 600時間 |
試験時間 | 120分 |
出題範囲と試験内容 | ・簿記 ・財務諸表論 |
財務会計論の試験内容は簿記と財務諸表論の2つに大きく分かれます。勉強時間の目安は、簿記2級までの勉強時間が200時間、残りの400時間が財務会計論で合計600時間です。
簿記の試験範囲では、企業の簿記手続きに関する理解に必要な基本原理をはじめ、仕訳や勘定記入、帳簿組織、決算および決算諸表の作成などに関する問題が出題されます。
また、財務諸表論の試験範囲では、企業の財務諸表の作成および理解に必要な会計理論、会計諸規則および諸基準、会計処理の手続きなどが出題されます。
財務会計論の試験では、企業の経営成績や財政状況を明確にし、投資家や債権者、その他のステークホルダーに対し意思決定に値する情報を提供できるかを試されます。他の科目と比較すると、出題範囲が広いため、学習には多くの時間を費やす必要があるでしょう。
次に管理会計論について見ていきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
勉強時間の目安 | 300時間 (簿記が100時間、管理会計論が200時間) |
試験時間 | 60分 |
出題範囲と試験内容 | 【原価計算】 ・材料や仕掛品および製品などの棚卸資産評価ならびに製品に関する売上原価の計算 【管理会計】 ・利益管理や資産管理、戦略的マネジメントなどの問題 ・会計情報などを利用して行う意思決定及び業績管理に関連する内容 |
管理会計論では、企業における会計のデータを経営者などの内部の利害関係者に提供し、経営判断や業績管理をサポートできる能力があるのかが試されます。
試験内容には原価計算と管理会計が含まれるため、簿記の知識も求められます。そのため、簿記の勉強時間に100時間程度を費やす必要があるケースも想定しておかなければなりません。
管理会計論の試験には計算問題と理論問題が出題されます。計算問題は原価計算で、理論問題は主に原価計算基準の問題となっています。原価計算基準の問題はそれほどボリュームがなく、頻繁に出題される範囲が決まっているため、対策を取りやすい科目と言えるでしょう。
また、管理会計論での計算問題は原価計算からの出題が中心です。そのため、原価計算基準を覚えれば、計算問題も点が取りやすくなるでしょう。
企業法の勉強法や勉強時間は次の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
勉強時間の目安 | 400時間 |
試験時間 | 60分 |
出題範囲と試験内容 | ・会社法 ・商法(海商ならびに手形および小切手に関する部分を除く) ・金融商品取引法(企業内容などの開示に関する部分に限る) ・監査を受けるべきとされている組合その他の組織に関する法 |
公認会計士試験の科目になっている企業法では、企業の会計実務に深く関わっている複数の法律の知識を身につけることが目的とされています。会社法や金融商品取引法、商法の一部についての理論問題が出題されます。
出題される法律は限られているため、試験対策がしやすい科目といえます。理論問題集や模試・答練を繰り返し解き、分からない問題をテキストで調べ、勉強する分野を絞ることがポイントです。
問題集や過去問題を活用し勉強を進め、試験に出やすい問題や苦手な分野を見極めましょう。
監査論の勉強法や勉強時間を見ていきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
勉強時間の目安 | 200時間 |
試験時間 | 60分 |
出題範囲と試験内容 | ・公認会計士または監査法人による財務諸表の監査を中心とした理論や制度および実務 ・財務諸表監査 ・中間監査 ・四半期レビュー ・内部統制監査の理論、制度、実務 |
監査は公認会計士の独占業務で、会計の結果を独立した第三者の立場からチェックする業務です。監査論では公認会計士の独占業務に関連した問題が中心に出題されます。
基本的に計算問題はなく、理論問題のみ出題されます。そのため、理論問題集や練習問題を繰り返し解き、監査の理論がどのように問題に落とし込まれているのかを把握しましょう。
比較的ボリュームが少ないため、効率的に勉強を進め、他の科目に勉強時間を費やせるように心掛けることが大切です。
公認会計士の短答式試験でつまづいてしまっている方、まだほかの資格を検討している段階の方に向けて、公認会計士以外の下記の会計資格を3つ紹介します。
税理士とは国が認めた税務の専門家です。独占業務には税務代理・税務書類の作成・税務相談があります。
税理士資格の試験には科目合格制度が設けられており、有効期限はありません。そのため、働きながら合格までのスケジュールを調整しやすい資格といえます。
日商簿記検定は、資格を取得することで決算書を作成するスキルがあることを証明できます。難易度は簿記初級、3級、2級、1級に分かれています。
2級以上であれば経営管理に役立つ知識を有していると判断され、企業から求められるケースも多い資格です。
USCPA(U.S. Certified Public Accountant;米国公認会計士)とは、アメリカの各州が認定する公認会計士の資格です。アメリカの資格でありながら、日本をはじめ世界中の人が就職や転職、キャリアアップなどのさまざまな目的でUSCPA試験にチャレンジしています。
会計の知識だけでなく、英語力の証明にもつながるため、様々なアピールができる資格といえるでしょう。
関連記事:アビタス「USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説」
公認会計士の短答式試験は総点数の70%が合格の基準点になります。また、ここ10年の平均合格率は第I回16%、第II回12%と低い水準です。
加えて、短答式試験では4科目を一度に受験し、全て合格しなければなりません。
4科目全てに合格するためには1,500時間程度の勉強時間が必要です。そのため、勉強時間を確保し、各科目の試験内容を把握した上で、効率的に学習を進めましょう。
公認会計士ではなく、USCPAの資格取得を目指すのも1つの手です。会計の知識だけでなく、英語力の証明にもつながる役に立つ資格です。
USCPAの合格を目指したい人には、専門予備校であるアビタスをおすすめします。
国際資格の専門校であるアビタスでは、6,000人以上のUSCPA合格者を輩出しており、日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生です。
アビタスではオリジナルの日本語教材を使用しているため、英語での学習が心配という人でも安心して受講できます。
また、受講者の学習ペースや合格目標の時期に合わせて受講のプランを作成できます。そのため、忙しい人でも無理なく学習を進められる点が魅力です。
USCPAに興味がある人は、お気軽にアビタスまでお問い合わせください。
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