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企業は、自社の財務状況を示すために財務諸表を作成しますが、作成においては「会計基準」に則る必要があります。
現在、日本では4つの会計基準が認められており、一般的に採用されているのは日本会計基準です。しかし、企業のグローバル化が進み、海外でも認められる会計基準を採用する必要性が高まっています。
本記事では、会計基準の種類とその内容や、国際会計基準を導入する際の方法などについて解説していきます。
目次
会計基準とは
日本で認められている会計基準の種類
会計基準が複数ある理由
国際会計基準(IFRS)をめぐる国内の動き
国際会計基準(IFRS)の導入方法
国際会計基準(IFRS)の導入には知識・学習が不可欠
会計基準は違いを理解したうえで適切なものを選択しよう
会計基準とは、財務諸表を作成する際に必要な決まりのことです。会社法第431条では、会計の原則について以下のように定められています。
”株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。”
企業は、毎年決算期になると、1年間の経営成績や財政状態を利害関係者に報告するために財務諸表を作成します。しかし、各企業がそれぞれの書式で財務諸表を作成すると、他社やこれまでの業績との比較がしづらく、信頼性や一貫性を確保できません。
そのため、財務諸表の作成においては企業の規模を問わず「会計基準」に則る必要があります。
日本で承認されている会計基準には、以下の4種類があります。
企業は、上記の4つの中から適したものを選択します。それぞれの会計基準について確認していきましょう。
「日本会計基準」は日本独自の会計基準で、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行を基準としています。多くの日本の企業にとって親和性のある会計基準であり、ほとんどの企業が採用している状況です。
日本会計基準は、1949年に大蔵省(当時)企業会計審議会が公表した「企業会計原則」が基礎になっています。2001年からは社会状況の変化を考慮して、企業会計基準委員会が設定した会計基準を合わせたものが取り入れられています。
企業会計原則は、「一般原則」「損益計算書原則」「貸借対照表原則」の3つの原則から成り立つものです。損益計算書は損益計算書原則に、貸借対照表は貸借対照表原則に基づいて作成されます。
なお、日本会計基準の国際的な影響力は低いとされており、日本会計基準で作成された財務諸表を認めていない国も存在します。
米国会計基準(US-GAAP)とは、アメリカの企業で一般的に採用されている会計基準で、アメリカの財務会計に使用されるルールが示されています。次に解説する「国際会計基準」と並び、世界を代表する会計基準とされています。
米国会計基準は、米国財務会計基準審議会(FASB)から発行される「財務会計基準書(SFAS)」「FASB解釈指針(FIN)」「APB意見書」など、多くの関連文書から成り立っています。
アメリカの市場に上場している日本企業は、米国会計基準に則った財務諸表を作成しなければなりません。しかしながら、日本の会計基準と類似点が見られるともいわれています。
IFRS(International Financial Reporting Standards)とは、国際会計基準審議会(IASB)が世界共通の会計基準とすることを目標として作成した会計基準です。
2005年からEU域内の全ての上場企業は導入を義務付けられており、ほかにもオーストラリアや香港といった140以上の国と地域が、自国の上場企業・金融機関のほとんどに導入を強く求めています。現在、世界的に広く普及している会計基準といえるでしょう。
日本では、2010年3月期から「指定国際会計基準」を任意で適用することが認められています。
金融庁や東京証券取引所も、企業のグローバル化という状況を鑑み、IFRSの任意適用を促進しており、近年、適用する企業が増加しています。
修正国際基準(J-IFRS/JMIS)とは、国際会計基準を日本の実情に合わせて 、一部を修正または削除して作成された会計基準のことです。
日本会計基準と国際会計基準の間に位置付けられるものとされ、2016年3月期末より適用されています。
たとえば、「のれんの償却」は、国際会計基準では非償却である一方、日本では償却資産とされています。このように解釈の異なるのれんについても、国際会計基準を日本会計基準に寄せて、差を解消することが可能です。
ただし、修正国際基準を採用すると、海外からの資金調達が期待できるといった国際会計基準を採用することで得られるメリットが少なくなる可能性があります 。
日本において会計基準が複数認められている理由の1つとして、時代とともに米国会計基準や国際会計基準を採用する必要性が生じてきたことが挙げられます。
そもそも会計基準は、それぞれの国が自国の経済事情や歴史にかなった独自の基準を定めてきたものです。日本でも国独自の会計基準を定めていますが、国際市場においては大きな影響力がないのが実情です。
日本会計基準が国際会計基準と乖離していると、海外投資家の日本市場への参入障壁となる可能性も考えられます。このような状況から、日本国内では米国会計基準や国際会計基準を採用する必要性が生じてきました。
こうした背景を受け、2010年3月31日以降に終了する連結会計年度から、任意で国際会計基準を選択適用できるようになりました。
参照:金融庁「IFRS(国際会計基準)の任意適用及び初度適用について」
2005年にEU圏内の上場企業に対して国際会計基準の導入が義務付けられて以降、日本国内では上場企業に対して、国際会計基準の導入促進が積極的に進められています。
2009年には、将来的な国際会計基準の強制適用を念頭において、任意適用が開始されました。2014年から2016年にかけては、国際会計基準の任意適用企業が拡大され、2021年には上場企業や上場準備企業に対して、「収益認識に関する会計基準」IFRS-15の強制適用が開始されました。
東京証券取引所によると、2024年8月31日時点で、IFRS適用済企業、IFRS適用決定企業、IFRS適用予定企業の合計は279社となっています。
参照:金融庁「企業会計審議会 第10回会計部会 資料IFRS任意適用の状況」
参照:JPX 日本取引所グループ「IFRS(国際財務報告基準)への対応」
国際会計基準を導入する際は、以下の手順で進めていくのが一般的です。
1つずつ見ていきましょう。
国際会計基準の開始時期をいつにするのかを決めた上で、導入に必要な準備をします。
国際会計基準を導入すると、従来の会計基準が大幅に変更になります。そのため、人材育成やシステムの改良、ビジネスプロセスの効率化などの取り組みが求められます。
導入に伴う課題を明らかにし、具体的な計画書を作成しましょう。
計画書に従って国際会計基準を適用した財務諸表を試作します。それだけでなく、会計方針のルールを策定したうえで文書化もしておきましょう。
財務諸表を作成する上では、注記情報に必要なデータを滞りなく集めることが大切です。子会社や関連会社などがある場合は、連結会計業務に必要な決算情報などを見直すことも重要です。
国際会計基準の導入が完了した後は、新システムで会計処理をスタートさせます。運用の結果、問題が発生していないかを細かく確認し、状況に応じて修正します。
国際会計基準を導入するためには、専門的な知識や学習が欠かせません。国際会計基準を体系的かつ網羅的に学習することで、関連業務を滞りなく進めることが可能です。
学習には、日本会計基準とは異なる「原理主義」への理解なども重要です。国際会計基準は、世界各国で採用されることを前提として作られているため、法制度が違っても支障なく機能させられるよう、原則的なルールのみを設定しています。
国際会計基準への知識を深めるには、IFRS検定試験の合格を目指すのも1つの方法です。
2009年12月より、ICAEW主催の国際会計基準検定(IFRS Certificate)の日本語試験が開始されました。これがIFRS検定試験です。
語学力の壁が解消されたことで、受験しやすくなっています。
ICAEW(The Institute of Chartered Accountants in England and Wales/イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)は、欧州で最大規模の会計士協会で、会員数は約13万人です。
国際会計基準の広範な知識と理解力を測ることを目的として、IFRS Certificate「IFRS検定(国際会計基準検定)試験」を運営しています。
オンライン受験が可能で、年3回試験が実施されています。受験には学歴条件や実務条件は特になく、国際会計基準の知識や理解力アップを図りたい人に適した検定試験です。
参照:IFRS検定(国際会計基準検定)試験「試験概要|IFRSとは」
日本で承認されている会計基準には、日本会計基準・米国会計基準・国際会計基準・修正国際基準の4つがあり、それぞれに基準内容や適用されている国などが異なります。
現在、日本では日本会計基準が主流ですが、今後は国際会計基準への移行が必要になる可能性が高くなると考えられます。
会計基準の変更には、専門的な知識や理解力が欠かせません。今後の国際会計基準への移行を見据えて、今のうちから知識の習得を心がけておくとよいでしょう。
IFRS検定試験の合格を目指すならアビタスを検討してみましょう。
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