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  • 2024/11/15公開
  • 2024/11/18更新

教育訓練給付制度とは?対象になる講座一覧や給付資格から申請方法まで解説

教育訓練給付制度とは?対象になる講座一覧や給付資格から申請方法まで解説

教育訓練給付金制度とは、働く人に対して主体的な資格取得やキャリア形成、能力開発を支援し、雇用の安定と就職促進を目的とした制度です。

厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が給付金として支給されます。キャリア形成のために資格取得などを検討しているビジネスパーソンに最適です。

教育訓練には3つの種類があり、給付率や上限額が異なります。本記事では、教育訓練給付金制度の対象講座や給付資格、申請方法について分かりやすく解説します。

目次
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度の対象資格・講座一覧
教育訓練給付制度の給付金支給条件
教育訓練給付制度の申請方法
教育訓練給付制度の注意点
教育訓練給付制度を活用して自分の市場価値を上げよう

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度とは、働く人のキャリアアップ支援を目的とした給付金制度です。

給付金を受けるためには、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講、修了することが必要です。教育訓練給付制度は3種類あり、給付率や上限額などが異なります。

項目 概要 給付率 上限額
一般教育訓練 雇用の安定や就職の促進を図る 受講費用の20% 10万円
特定一般教育訓練 速やかな再就職と早期キャリア形成を支援する 受講費用の40% 20万円
専門実践教育訓練 中長期的なキャリア形成を支援する

受講費用の50%

※1

年間40万円
(最大3年まで)

※1:専門実践教育訓練で、受講修了後に特定の資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の一般被保険者等として雇用された場合、20%の追加支給が可能。最大で受講費用の70%(年間上限56万円)給付される。

なお、給付金の支給対象者には要件があり、例えば、一般教育訓練を在職者が受ける場合、受講開始日までに通算して雇用保険の被保険者期間が3年以上必要です。

また、「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」について、2024年10月1日以降に受講を開始する方を対象に、教育訓練給付金の給付率を引き上げる改正が行われました。

詳しくは後述していきます。

参照:政府広報オンライン「教育訓練給付制度があなたのキャリアアップを支援します」
参照:厚生労働省「教育訓練給付制度」
参照:厚生労働省「令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します」

教育訓練給付制度の対象資格・講座一覧

教育訓練給付制度には3つの種類があり、給付率や給付額の上限は異なります。オンライン講座も含め約16,000講座が対象となるため(令和5年(2023年)10月1日現在)、自身のキャリア形成を踏まえた上で、必要な資格や講座を検討することが大切です。

ここでは、制度ごとに対象資格や講座を一部抜粋して紹介しますので、参考にしてください。

参照:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」
参照:厚生労働省「教育訓練給付金制度厚生労働大臣指定教育訓練講座|検索システム」
参照:厚生労働省「特定一般教育訓練給付指定講座分野・資格コード表(令和7年4月版)」

一般教育訓練の対象一覧

一般教育訓練給付金の対象講座は資格取得を目標とするもので、多岐にわたります。給付率は受講費用の20%(上限10万円)です。

対象資格の一部を紹介します。

分野 対象例
会計・財務 USCPA(米国公認会計士)
日商簿記検定
語学 TOEIC®
実用英語技能検定
IELTS
IT・情報 ITパスポート
基本情報技術者試験
Oracle認定資格
ビジネススキル ビジネス実務法務検定
ファイナンシャル・プランニング技能検定
医療・福祉 医療事務
栄養士
助産師

例えば、USCPA(米国公認会計士)は、高度な会計知識が習得できる国際的な資格です。グローバルなキャリア形成に役立つ資格です。

アビタスが提供している米国公認会計士(USCPA)通信コースの教育訓練給付制度について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:アビタス USCPA「教育訓練給付金制度」

指定講座を活用すれば、日商簿記検定やTOEIC®、ビジネス実務法務検定など、ビジネスの様々な場面で役立つ汎用性の高いスキルの習得が可能です。

さらに、IT、医療、福祉、介護、運輸、機械操作、技術関係など様々な分野の専門性を高める講座も数多くあるため、指定講座を調べ自身のキャリア形成に役立つ講座を選択してみましょう。

なお、具体的な指定講座は、「教育訓練給付金制度厚生労働大臣指定教育訓練講座|検索システム」で検索できます。

特定一般教育訓練の対象一覧

特定一般教育訓練は、業務独占資格など特定分野の資格取得を目標とする講座が対象です。

給付率は受講費用の40%(上限20万円)です。ただし、2024年10月1日以降に対象講座を受講する方で、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、受講費用の10%(上限5万円)が追加で支給されます。

対象資格の一部を紹介します。

分野 対象例
運輸・機械操作 移動式クレーン運転士
大型自動車免許
フォークリフト運転技能
福祉・介護 介護支援専門員
介護福祉士
社会福祉士
法務・労務 社会保険労務士
税理士
建築・土木 宅地建物取引士
電気主任技術者
IT・情報通信 ITSSレベル2の資格取得を目指す講座
(基本情報技術者試験など)
キャリア形成 職業実践力育成プログラム
キャリア形成促進プログラム

なお、IT関連の資格はITSSレベル2以上のものが対象となります。

一般教育訓練よりも専門的で高度な内容を扱う講座や資格が多く含まれます。成長産業を中心として、即戦力となる実践的なスキルの習得のためのものが多く、需要の高いスキルや知識を高めたいと考えている人に適しています。

専門実践教育訓練の対象一覧

専門実践教育訓練では、高度な専門性を持つ資格取得のための講座や教育プログラムが対象となっています。給付率は受講費用の50%(年間上限40万円)です。

資格取得後1年以内に就職した場合、最大3年間、追加で20%(年間上限16万円)支給されます。

また、2024年10月1日以降に受講する方で、上記の追加給付に加え、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合、受講費用の10%(年間上限8万円)がさらに追加で支給されることになりました。

専門実践教育訓練の対象資格やプログラムの一部を紹介します。

分野 対象例
業務独占資格
または名称独占資格

看護師
美容師
保育士

専門学校の職業実践専門課程およびキャリア形成促進プログラム 商業実務
衛生関係
工業関係
専門職学位課程 ビジネス・MOT
法科大学院
大学等の職業実践力育成プログラム 保健
家政
情報通信技術に関する資格
(一定レベル以上)
シスコ技術者認定資格
第四次産業革命スキル習得講座

なお、IT関連の資格はITSSレベル3以上のものが対象となります。

幅広い分野にわたり専門性の高い資格が含まれます。長期的なキャリア形成や専門性の高い職業に就きたい人は、専門実践教育訓練の受講を検討してみましょう。

教育訓練給付制度の給付金支給条件

教育訓練給付制度の給付金を受けるためには、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了することに加え、一定の支給要件を満たさなければなりません。

支給要件は給付制度の種類によって異なります。ここでは、それぞれの種類について解説します。

さらに詳しい情報については、最寄りのハローワークに相談してみましょう。

参照:政府広報オンライン「教育訓練給付制度があなたのキャリアアップを支援します」

一般教育訓練の場合

一般教育訓練の支給要件は次のいずれかに該当する人です。

  • 雇用保険に加入する在職者:一般教育訓練の受講開始日に雇用保険加入期間が3年(初回の人は1年)以上ある人
  • 雇用保険に加入していた離職者:雇用保険加入期間が3年(初回の人は1年)以上あり、雇用保険の資格喪失日(離職日の翌日)以降、1年以内に一般教育訓練の受講を開始した人

なお、過去に教育訓練給付金を受けている場合は、前回の支給日から3年以上経過していることが必要です。

参照:厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」

特定一般教育訓練の場合

特定一般教育訓練の場合の支給要件は、次のいずれかに該当する人です。

  • 雇用保険に加入する在職者:特定一般教育訓練の受講開始日に雇用保険加入期間が3年(初回の人は1年)以上ある人
  • 雇用保険に加入していた離職者:雇用保険加入期間が3年(初回の人は1年)以上あり、雇用保険の資格喪失日(離職日の翌日)以降、1年以内に特定一般教育訓練の受講を開始した人

なお、過去に教育訓練給付金を受けている場合は、前回の支給日から3年以上経過していることが必要です。

上記の要件に加え、受講開始日の2週間前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受講し、「ジョブカード」を作成した後、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」とジョブカードをハローワークへ提出する必要があります。

参照:厚生労働省「令和元年10月1日以降に専門実践教育訓練を受講される場合は、訓練前キャリアコンサルティングを必ず受ける必要があります。」
参照:厚生労働省「2024年4月1日から教育訓練給付の支給申請がしやすくなります!」

専門実践教育訓練の場合

専門実践教育訓練の場合の支給要件は、次のいずれかに該当する人です。

  • 雇用保険に加入する在職者:専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険加入期間が3年(初回の人は2年)以上ある人
  • 雇用保険に加入していた離職者:雇用保険加入期間が3年(初回の人は2年)以上あり、雇用保険の資格喪失日(離職日の翌日)以降、1年以内に専門実践教育訓練の受講を開始した人

なお、過去に教育訓練給付金を受けている場合は、前回の支給日から3年以上経過していることが必要です。

上記の要件に加え、受講開始日の2週間前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受講し、「ジョブカード」を作成した後、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」とジョブカードをハローワークへ提出する必要があります。

参照:厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」

教育訓練給付制度の申請方法

教育訓練給付制度の申請手続きについて解説します。

申請手続きの流れは以下の通りです。

1.訓練前キャリアコンサルティング(一般教育訓練では不要)

2.受給資格の確認(一般教育訓練では不要)

3.講座の受講・修了

4.支給申請

受給資格の確認と支給申請については、「e-Gov電子申請」によるオンラインでの手続が可能です。

一般教育訓練の場合は、基本的には受講前の手続は必要ありません。

受講修了後、住居所を管轄するハローワークに「教育訓練給付金支給申請書」や「教育訓練修了証明書」をはじめとした必要書類を提出します。

特定一般教育訓練と専門実践教育訓練の場合は、受講2週間前までにハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受け、交付されたジョブカード、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」、マイナンバーカードの提出が必要です。

一般教育訓練と特定一般教育訓練は、通常受講修了後の一括申請となります。専門実践教育訓練の場合は6カ月ごとの申請が可能です。

いずれの場合も申請期限(支給単位期間末日または受講修了日の翌日から1カ月以内)を過ぎると給付金を受け取れなくなるため注意しましょう。

なお、専門実践教育訓練は目標とする資格を取得し、1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、追加支給が受けられます。資格取得後雇用された日の翌日から1カ月以内にハローワークに必要書類を添えて申請することが必要です。

不明点については、最寄りのハローワークに相談してみましょう。

参照:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」
参照:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

教育訓練給付制度の注意点

教育訓練給付制度の注意点としては、一般の雇用保険被保険者のみが対象となっている点でしょう。そのため、公務員や会社役員、自営業者などは対象外となります。

被保険者期間など支給要件を満たしているかどうかを事前に確認しておきましょう。

給付金の対象となるのは、厚生労働大臣が指定した講座のみです。入学金や受講料が支給対象となります。教材代や検定料は含まれない場合があるため、経費の範囲を確認しておくことが大切です。

また、支給対象となるためには対象費用が4,000円を超える必要があります。

講座を修了しなければ給付金の対象とはなりません。さらに、支給申請期間が設けられており、期間を過ぎると受け取れなくなるため注意が必要です。

なお、虚偽の申請など不正受給が発覚した場合は、返還命令や2倍の納付命令を受け、場合によっては詐欺罪として刑罰に処せられることもあります。

制度を正しく活用し、キャリアアップやキャリア形成につなげていきましょう。

教育訓練給付制度を活用して自分の市場価値を上げよう

教育訓練給付制度はキャリアアップやキャリア形成を考えている人にとって有用です。資格取得のための講座費用の負担が軽減できます。

対象の教育訓練は約16,000講座以上あります。夜間や土日に受講できる講座、オンライン講座も多数あり、働きながら講座を受講することが可能です。

一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練があり、それぞれ給付率や上限額は異なります。

支給要件を満たしている場合は、ぜひ、利用を検討してみましょう。

参照:政府広報オンライン「教育訓練給付制度があなたのキャリアアップを支援します」

教育訓練給付制度の対象であるUSCPA(米国公認会計士)の合格を目指すならアビタスで!

アビタスが提供しているUSCPA(米国公認会計士)講座も、教育訓練給付制度の対象です。

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アビタスでは、英語力に自信がない方でも学習に取り組めるよう、試験対策に特化した日本語教材を使って効率的に勉強することができます。

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※記事内に記載の情報は2024年9月のものを参照しております。

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