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金融業界に興味関心がある人の中には、「キャリアアップや転職に役立つ金融系の資格が取りたい」と考えている人も多いでしょう。
金融系の資格取得によって就職や転職を有利に進められるケースがあります。また、特定の資格に対して手当を支給している企業で働く場合、収入アップが見込めます。
本記事では、転職や収入アップに役立つ金融系の資格を10個紹介します。
目次
金融系の資格を取得するメリット
金融系の資格が活かせる業界
キャリアアップ・転職に役立つ金融系の資格10選
金融系資格を取得してキャリアアップ・転職に役立てよう
金融系の資格を取得することで、金融、会計、保険、投資など各分野における深い専門知識を習得していることを証明できます。
そのため、昇進や新たな職務への異動など、キャリアアップの機会が増加するというメリットがあります。
顧客や同僚からの信頼が高まり、社内での業務遂行がスムーズになることもあるでしょう。企業や業種によっては金融系の資格を取得すると資格手当がもらえることもあり、収入アップも見込めます。
スキルの客観的な証明にもなるため、転職・就職活動において強力なアピールポイントになるという点もメリットです。金融系の資格を取得することで、キャリアパスを広げることができるでしょう。
金融系の資格が活かせる主な業界として、銀行業界・証券業界・保険業界の3つが例として挙げられます。
業界 | 業務 | 有用な資格 |
---|---|---|
銀行 | 法人や個人に向けて、預金、融資、資産運用など幅広い金融サービス | ファイナンシャル・プランナー(FP)、銀行業務検定 |
証券 | 株式、債券、投資信託などの金融商品の取り扱い | 証券外務員、証券アナリスト(CMA) |
保険 | 生命保険や損害保険などの商品設計や販売 | 保険募集人、アクチュアリー |
なお、一般企業の経理部門での簿記、グローバル企業でのUSCPAなど、幅広い業界で活用できる汎用性の高い資格もあります。
金融系の資格は数が多く種類が豊富なので「どれを取得すればよいか分からない」と頭を悩ませる人も少なくありません。
例えば、公認会計士や税理士のように専門性の高い資格、簿記やFPといった汎用性の高い資格など、様々な種類があります。
ここでは、キャリアアップや転職に役立つ資格を10個紹介します。
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、個人や法人の資産設計や財務管理を行う専門家です。税金、保険、年金、投資、不動産など幅広い金融知識が求められます。
国家資格であるFP技能検定の1級・2級・3級のほか、AFPやCFP®という民間資格があります。民間資格は2年ごとに更新があるため、継続的な勉強やスキルの向上が求められます。
FP技能検定2級は上位資格であるAFPの登録要件になっているほか、多くの企業で資格手当が出される基準となっています。
FP技能検定2級の合格率は次の通りです。
主催者 | 試験内容 | 合格率(2024年9月) |
---|---|---|
日本FP協会 | 学科 | 47.1% |
実技 | 56.5% | |
金融財政事情研究会 (きんざい) |
学科 | 19.0% |
実技 | 40.45% |
FP技能検定2級の合格に必要な勉強時間は150〜300時間といわれています。
金融系のコンサルティングや提案業務、企業の財務や経理部門、独立・開業など様々なキャリアパスが見込める資格です。
参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
参照:一般社団法人 金融財政事情研究会「試験結果:2024年9月試験」
証券アナリスト(CMA)は、日本証券アナリスト協会が認定する民間資格です。金融・投資のプロフェッショナルとしての証明で、資格を取得するには、第1次と第2次の2つのレベルにおける講座の受講と試験への合格に加え、3年以上の実務経験が求められます。
2024年春の第1次レベル試験合格率は46.5%、第2次レベルでは44.6%でした。資格取得に必要な勉強時間は200時間程度といわれています。
投資価値の分析・評価、企業財務、経済、資本市場、金融商品の仕組みなど、体系的な知識が問われる試験です。
証券会社や投資銀行、ファンドマネージャーやコンサルタントなど、金融業界でのキャリアアップに有利になるでしょう。
参照:公益社団法人日本証券アナリスト協会「CMA資格|CMAへのステップ|CMAとは」
関連記事:アビタスUSCPA「証券アナリストは意味ない資格って本当?意味ないと言われる理由は?」
証券外務員は、証券会社や銀行などの金融機関で、顧客に対して金融商品の販売や営業を行うために必要な資格です。
ほぼ全ての金融商品を取り扱うことができる「一種外務員資格」と、リスクの高い信用取引などの取り扱いや勧誘ができず、一種に比べると取扱商品が限定される「二種外務員資格」があります。
2023年度の合格率は、一種が71.3%、二種が65.6%でした。一種に必要な勉強時間は80~100時間、二種の場合50~80時間程度といわれています。
取得して外務員に登録すると、外務員としての活動が可能になります。なお、新規登録者は180日以内に、新規以外の登録者は5年ごとに資格更新研修を受講しなければなりません。
証券会社や銀行の営業職はもちろん、窓口や事務などバックオフィスの職種でも必須となっているケースが多い資格です。金融業界でのキャリアを検討している人は取得しておくと便利でしょう。
参照:日本証券業協会「外務員・基礎試験」
参照:日本証券業協会「制度・ガイドライン・諸規則等」
アクチュアリーは、確率論や統計学などの数理的手法を用いて、将来のリスクや不確実性を分析・評価する専門職の資格です。
保険・年金分野において、保険料や掛金などの算定、リスク評価、企業の経営健全性のチェックなどを行います。
基礎5科目からなる第1次試験と、生保・損保・年金の3つの専門コースから1つを選択する第2次試験があります。2023年度の合格率は次の通りです。
区分 | 科目 | 合格率 |
---|---|---|
第1次試験 | 数学 | 20.1% |
生保数理 | 35.6% | |
損保数理 | 44.5% | |
年金数理 | 15.3% | |
会計・経済・投資数理 | 24.5% | |
第2次試験 | 生保1 | 18.5% |
生保2 | 13.3% | |
損保1 | 10.4% | |
損保2 | 22.4% | |
年金1 | 20.6% | |
年金2 | 23.1% |
合格までの勉強時間については、第1次試験は1科目につき200時間程度、合計1,000時間程度、第2次試験は300時間程度といわれています。
生命保険会社、損害保険会社、信託銀行の年金部門など、数理的な知識を駆使する専門性の高い職業で特に評価されている資格です。
社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険の専門家であることを証明する国家資格です。労働保険・社会保険の手続き、年金相談、労働安全衛生管理、労使関係の調整などが主な業務になります。
社労士試験は広範囲にわたる知識を問うため難易度が高く、2023年の合格率はわずか6.4%でした。合格に必要な勉強時間は約800~1,000時間です。
また、受験資格として大学や専門学校などの卒業、3年以上の実務経験、厚労省が認定する国家資格への合格のいずれかの条件を満たす必要があります。
資格取得後は、社労士事務所や企業の人事・労務部門での勤務、独立・開業などのキャリアパスが考えられます。労務管理の重要性が増す現代社会において、社労士の需要は拡大傾向にあります。
参照:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「社会保険労務士試験のご案内」
日商簿記は、ビジネスパーソンの中で最も知名度が高い簿記検定の一つです。1級から初級まである幅の広い検定試験です。
簿記検定で問われる財務資料や会計処理の知識は、経理・財務担当者だけでなくあらゆるビジネスパーソンにとって有用なビジネススキルと捉えられています。
なお、一般企業の経理担当者には日商簿記2級レベルが求められることが多いようです。
日商簿記2級は、商業簿記と工業簿記の2分野で構成されています。2024年6月実施回の合格率は22.9%でした。合格に必要な勉強時間は250〜350時間程度といわれています。
金融業界だけでなく一般企業の経理部など、幅広いキャリアにつながる資格です。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験|簿記」
中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。中小企業の経営状況を分析し、成長戦略についてアドバイスを行うのが主な仕事です。
第1次試験と第2次試験があり、政策から実務事例まで、幅広いジャンルにおける経済・経営についての能力が問われます。また、合格後には15日以上の実務補習または実務従事が必要です。
2024年度の第1次試験の合格率は27.5%、2023年度の第2次試験の合格率は18.9%でした。合格に必要な勉強時間は1,000時間程度で、難易度の高い試験といえます。
難易度が高い一方で、合格を目指して勉強することで経営に関する幅広い知識を身につけることができます。資格取得後は、企業の経営部門で働くほか、経営コンサルティング会社や会計事務所、税理士事務所などで働く人もいます。独立・開業に役立つこともある資格です。
参照:JF-CMCA「日本中小企業診断士協会連合会」
関連記事:アビタスUSCPA「中小企業診断士とは? 仕事内容や試験科目、資格取得のメリットを解説」
税理士は、税に関する専門家であることを証明する国家資格です。税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つは税理士の独占業務です。
税理士試験は、必修科目2つと選択科目3つの合計5科目で構成されています。合格率は科目ごとに異なります。2023年度の合格率は次の通りです。
区分 | 科目 | 合格率 |
---|---|---|
会計学(必修) | 簿記論 | 17.4% |
財務諸表論 | 28.1% | |
税法(選択) | 所得税法 | 13.8% |
法人税法 | 14.0% | |
相続税法 | 11.6% | |
消費税法 | 11.9% | |
酒税法 | 12.7% | |
国税徴収法 | 13.9% | |
住民税 | 14.7% | |
事業税 | 16.4% | |
固定資産税 | 17.3% |
合格までに必要な勉強時間は4,000時間程度といわれています。
また、税理士試験の受験資格として、大学での社会科学系科目の履修、日商簿記検定1級への合格、会計に関する2年以上の実務経験などいずれかの要件を満たす必要があります。
資格取得後のキャリアパスとして、税理士事務所での勤務、独立開業、企業内税理士などが挙げられます。
参照:日本税理士会連合会「税理士とは」
関連記事:アビタスUSCPA「税理士試験の難易度や合格率は?USCPAと税理士の難易度も比較」
公認会計士は、監査・会計の専門家として財務諸表の監査や会計に関するコンサルティングを行う国家資格です。
公認会計士の独占業務である監査に加え、登録を行えば税理士としての業務を行うこともできるため、企業経営に深く関わって働くことができます。
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階で実施されています。2023年の合格率は7.6%です。合格までの勉強時間は2,500時間以上必要といわれており、さらに3年以上の実務経験が必要なことから、取得の難易度が高い資格として知られています。
資格取得後のキャリアとしては、監査法人やコンサルティング会社での勤務、独立・開業などが挙げられます。
参照:日本公認会計士協会「公認会計士とは」
関連記事:アビタスUSCPA「公認会計士とはどんな仕事? 魅力や年収、他の資格との比較」
USCPAは、アメリカの各州が認定する国際的に知名度の高い公認会計士資格です。会計・税務のプロフェッショナルであることを証明します。
日本をはじめ、世界各国の様々な国で受験が可能です。なお、試験は全て英語で行われています。
3つの必須科目と1つの選択科目で構成されています。日本の公認会計士試験とは異なり、1科目ごとに受験する仕組みです。
2024年上半期の合格率は次の通りです。
区分 | 科目 | 合格率 |
---|---|---|
必修科目 | AUD(監査及び証明業務) | 45.71% |
FAR(財務会計) | 41.16% | |
REG(税法及び商法) | 63.44% | |
選択科目 | BAR(ビジネス分析及び報告) | 41.04% |
ISC(情報システム及び統制) | 56.15% | |
TCP(税法遵守及び税務計画) | 78.16% |
合格までに必要な勉強時間は、1,200〜1,500時間といわれています。
資格保有者の中には監査法人やコンサルティング会社、海外の会社、海外事業部のある日系事業会社などで働く人が多く見られます。グローバルに活躍したい人に人気の高い資格です。
参照:AICPA&CIMA「Resources|Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」
関連記事:アビタスUSCPA「USCPA(米国公認会計士)とは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説」
金融系の資格を取得することで、銀行業界・証券業界・保険業界といった金融業界におけるキャリアアップや転職に有利になるでしょう。
金融系の資格の中にはUSCPAやFP、簿記など汎用性の高いものも多くあります。これらの資格は、金融業界だけでなく幅広いキャリアにつながるのがメリットです。
将来のキャリアパスを考慮した上で、自分に合った金融系資格を取得してキャリアアップや転職に役立てましょう。
金融系の資格を取得してグローバルに活躍したいと考えている方には、USCPA資格がおすすめです。日本で受験でき、国際的な認知度の高い資格です。
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